伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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人生の本質

2013-06-08 19:32:10 | 大きな時代の変革期
(三つの輪)

昔は子どもを中心に、「家庭の輪」、「学校の輪」、「地域の輪」があり、
その三つの輪が重なったところに、子ども達がいました。
しかし、現在ではそれぞれの輪が小さくなり、重なり合う部分が小さくなって、
子どもの居場所がなくなってきています。

三つの輪の重なる部分が無くなった結果、
子どもたちの生活は分断され、
時間によって輪から輪へ飛び移る生活になりました。

家庭や学校といった「それぞれの輪」を構成している大人の都合に合わせて、
子ども達は行動しなければなりません。
「子どもが、子どものままでいられる場所」が失われてしまったことが、
「子どもらしさの喪失」につながっているのではないでしょうか。



(効率優先の社会)

家庭や、学校や、地域にとって、輪が重なる部分とは、
本来の仕事の核心ではないけれど、
ほかの人たちとコミュニケーションをとるために必要な、
時間、空間、機会だったのだと思います。

これは、余裕がないとできません。
社会が、効率や業績、お金儲けなどを追求していった結果、
直接の成果につながらない、集団にとっての周縁部の活動が切り捨てられた結果、
お互いの輪はバラバラとなり、社会や他の人との繋がりが
感じられなくなってしまったのではないでしょうか。



(ひとつの世界)

幸せを感じるためには、自己肯定感が必要です。
そして、世界と自分や、他者と自分とのつながりを実感できることも必要です。
そのつながりの中で、家族や地域社会の幸せの生態系が形成されていると思います。

哲学者ショーペンハウエルに、次のような言葉があります。

 「ひとりの人間が死ぬたびごとに、ひとつの世界が滅んでゆく」

世界とはどのようなものでしょうか。
実は客観的な世界というものはありません。
それを見て、聞いて、感じる人がいて、その人の頭の中にイメージされて、
ようやく「世界」は存在するのです。

人の数だけ「世界」、あるいは「地球」は存在します。
このように考えると、人が一人死ぬことは、
世界が一つ失われるという言葉の意味が理解出来ます。





(ミヒャエル・エンデのモモ)

ドイツの童話作家、M・エンデが書いた「モモ」という作品があります。
物語は、ローマを思わせる街に「時間貯蓄銀行」と称する灰色の男たちが現れ、
人々から時間を盗みます。

灰色の男たちは、人とおしゃべりする時間は無駄な時間だと町の人に思い込ませ、
それの時間を削って時間銀行に貯蓄させます。
やがて町の人の心には余裕がなくなり、人間関係はギスギスして、
人々はひたすら仕事に取り組むのですが、
一体何のために生きているのか分からなくなりました。

親子関係ばかりでなく、
職場の人間関係や、夫婦関係においてもそうですね。
必要なこと意外口をきかないようになってくると、
人間関係はギクシャクしてきます。
人とのおしゃべりこそが、人生の本質だったのです。

この話は、まさに今の日本ではないでしょうか。
GDPで見れば世界トップクラスになったのに、
国民の多くは幸せを感じられません。

これから人口が激減し、高齢化も世界一進むのに、
それでもこれまで以上にGDPを増やすことを国の目標にするのか。
それが人の幸せにつながっていくのか。

私は、経済成長や所得の増加ばかりを目標としない、
新しい価値観や生活のありかたを目指すべきだと思います。
一人ひとりを大切にし、人と人とのつながりを大切にする社会が
幸せにつながると感じています。

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