伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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横尾さんの 20のアイディア

2015-04-22 16:32:38 | 政治・政策・経済
区議会議員 横尾としなりさんのサイトから。
私は横尾さんと面識はなく、応援も否定もしていません。

具体的で分かりやい20の提案をされていますので
ケース・スタディとして勉強させていただきました。
大筋では良いご提案だと思います。
以下、私のかんたんな感想です。



(20の提案のタイトルと要旨)

要旨部分は私が要約しましたので、
詳しくはリンク先をご確認ください。

1 子育てコンシェルジュ  (子育て専門スタッフの拡充)
2 待機児童・学童ゼロ作戦 (保育園等の拡充)
3 キッズフリーのスポーツ施設 (学校等の開放)
4 学びの個性化プログラム (幼稚園・保育園の個性化)
5 世界に通用する学校  (特殊な学校の設置)
6 また来たくなる防災訓練 (楽しめる訓練)
7 ペットの健康、ペットの防災 (ペットCAFE、ペット防災)
8 まちじゅう緑化、まちじゅう農園 
9 ランナー&自転車レーン (緑化助成、市営農園?)
10 マイノリティに優しいまち (誰でもトイレ?ユニバーサルデザイン)
11 一人暮らしシニアサポーター (支援の連携強化)
12 シニア世代大活躍計画 (高齢者の活躍の場作り)
13 ちゃんとみんなに伝わる議会 (政策作りの初期から区民参加)
14 チカラを合わせる町会・自治会 (近隣の団体が機能の一部を補い合う)
15 お助け隊アパートメント(町内や高齢者の支援を条件に若者に安くアパートを貸す)
16 まち全体でヘルスケア (健康的な散歩道を作る)
17 ケアする人をケアするカフェ (介護する人をケアする専門家のいるカフェ)
18 社会企業家のシリコンバレー (区内の企業と協力して社会課題解決人材を育てる)
19 2020年おもてなし計画 (外国人ガイドや清掃ボランティアを育成)
20 Wi-Fiフリータウン (インターネット環境を整える)



(予算はどうか)

まず思ったのは、新たな予算を必要とするか否か。
あれもやりたい、これもやりたいと、
夢や願望ならいくらでも並べられます。

政治として実現するためには、
予算的裏づけ、財源確保や実現までの工程案が必要です。
その点いかに考えていらっしゃるのか。

今やっているこの事業を止めるよう提案します。
○○千万円の財源が浮きますので、
その分を新規のこの事業費に充てます。
まで言えれば、実現性が高い提案です。

自治体の首長ならば、
その他の政策の予算を削って
この主張は実現しますと言えますが、
一人の議員の場合、
必ずしも議会の過半数の同意を得られる保証もないので、
目指します、取組みます等は言えますが、
実現します、やりますとまでは言えません。

そんな制約はありますが、
大幅な新規の支出でなければ、
工夫次第で実現できる可能性はあると思います。

A「全く新規の支出」なのか、
B「従来の施策予算の拡充」なのか、
C「従来の予算の中でのやり方の改善等」なのか、
この3つに大まかに分けて考えてみました。


A(新規)と思われるもの
5、7、8、15、17、18、19、20

B(拡充)とおもわれるもの
1、2、16、10、11、

C(やり方の工夫)と思われるもの
3、4、6、9、12、13、14、



(いくつかの個別提案の感想)

5番の「世界に通用する学校」
 [本文]
 大使館が80以上ある港区ならではの国際色豊かなグローバル人材を
 育成するために、「世界共通の大学入試資格とそれにつながる
 小・中・高校生の教育プログラム」と定義される国際バカロレア教育が
 受けられる学校の設置に取り組みます。

(感想)
 区が税金を使って設立する必要はないと思います。
 特別な教育を行う特別な学校は、私立学校として設立され、
 そこへ通わせたい保護者は、学費を払って通わせれば良いと思います。
 ただし、全ての公立学校で取組むなら賛成です。

 公教育の仕事は、最低限の教育の権利の確保が先だと私は考えます。
 不登校の児童・生徒はたくさんいますが、
 不登校専門の正式な中学校は日本にまだ一つしかありません。
 通常の公立学校以外に行政が学校を設立するなら、
 不登校や夜間中学のような分野に取組むべきと思います。


12 シニア世代大活躍計画
 [本文]
 港区には、高齢者の社会貢献を支援する「チャレンジコミュニティ大学」や
 子育てを終えた世代などが地域の子どものお世話をする「子むすび」といった
 仕組みがあります。民間企業やNPOとも連携し、社会のニーズとマッチングさせる
 ことで、有償・無償含め、高齢者の活躍の場をつくります。

(感想)
 とてもよい方向の提案だと思います。
 これからの高齢化社会に向けて、
 高齢者の方々が活躍できる場をつくっていくことが、
 社会にとっても、高齢者の方にとっても有意義です。


14 チカラを合わせる町会・自治会 
 [本文]
 町会・自治会の人材不足を解決するために、近隣の団体が機能の一部を
 補い合う仕組みをつくります。また、新住民や若者が町会・自治会に
 参加するきっかけをつくる専門の組織を設けます。

(感想)
 本文中の「近隣の団体」が何を意味するのかわかりません。

 「機能の一部を補い合う」ということは、近隣の町会・自治会の
 ことを指すのでしょうか。そうだとすると、
 他の町内会が、自分の住んでいない
 別の町内の面倒を見るということなのでしょうか?
 見てもらう方はいいけれど、他の町内の仕事までする町内会のほうは
 住民や役員の同意が得られるのか?
 他の町内会に面倒をみてもらう状態で「自治会」と言えるのか?

 それとも「近隣の団体」とは、NPOや企業など、
 自治会とは全く別の団体を意味するのか?

 「新住民や若者が町会。自治会に参加するきっかけをつくる
 専門の組織を設けます」とは、
 区役所の中に、専門の組織を作るということでしょうか。

 港区のご事情を知らないので、的外れでしたらすみません。
 若者や新住民の方は、町内会に加入しない方が多いということでしょうか?
 それとも、名前だけ加入して行事に参加しないということでしょうか?
 
 任意団体ですから、強制的には入れられませんし、参加も強要できません。
 町内会は行政組織の末端でもありませんので、
 役所が税金を使ってどこまで関与すべきか難しいところです。
 「自治会に参加するきっかけをつくる専門の組織」と限定せずに、
 住民活動を応援する組織とか、コミュニティ活動をサポートする組織、
 のような大きなくくりなら、行政の仕事としても
 適しているように思います。
 
 理想は、だれもが自主的に参加したくなるような
 自治会・町内会であることですね。


15 お助け隊アパートメント
 [本文]
 町会・自治会、ご近所の困りごとの解決や、高齢者の支援を条件に、
 マンションやアパートを、若者や学生に安い家賃で貸し出します。
 街の人手不足を「社会のために何かしたい」若者の力で補う仕組みです。

(感想)
 誰が所有する物件を貸すのか?
 あるいは、税金から家賃補助するのか?
 
 一見いいアイディアだと思いますが、契約書の作り方が難しそう。
 お手伝いするつもりでそこに住んでも、学校や仕事がありますので、
 「無限」に頼まれごとされても困ります。
 そこに住む交換条件として、義務の範囲をどう確定するのか。
 だれまでが奉仕の対象で、何を、いつしなければならないのか。
 バイトなのか、無料奉仕なのか。

 堅苦しいようですが、
 これらの点を事前にしっかり詰めておかないと
 頼む側と、住む側が、自分に都合のいい解釈をしてしまい、
 すぐに破綻すると思います。

 例えば、
 アパートの大屋さんの荷物運びや電球交換など
 ちょっとしたお手伝いはなんでもする、
 というくらいの線引きは必要でしょう。

 (2015年4月25日追記)
 こんなニュースがありました。
  オランダ・アムステルダムから2時間ほど東、
  デーヴェンターに「ヒューマニタス」という老人ホームがある。
  そこでは、簡単な一つの条件を満たせば、
  大学生たちに無料でそこに住むことを許可している。
  その条件は、毎月30時間、高齢の入居者と共に時間を過ごすことだ。
  現在、施設には6人の学生と、160人の高齢者が生活している。
  (続きはリンク先からどうぞ


カフェの提案3件まとめて

①子育てコンシェルジュ 
[本文]
 子育ての相談を受ける専門スタッフを育成し、区内に設置する
 ことになりました。一時預かりや病児保育、第2子以降の保育料無料など
 様々な子育てサービスや、子育てに役立つイベントの情報を個別に、
 適切にご案内することで、一人ひとりに寄り添ったサービスを提供します。
 民間が持つ情報も積極的に集めるよう、働きかけます。
 理想は、そうしたサービスが近くのカフェやネット経由でも提供されることです。

⑩マイノリティに優しいまち
[本文]
 LGBT(性的少数者)、障害者、外国人、ひとり親家庭など、
 マイノリティ(少数者)の方々が暮らしやすい街を目指します。
 性別を気にせず入れる「だれでもトイレ」や車いすが通りやすい道路、
 ベビーカーが入れるトイレなどインフラ整備し、それをマップ化します。
 また、デザイン性の高い福祉グッズの開発や情報交換ができるカフェなど
 新しい取り組みにも力を入れていきます。

⑰ケアする人をケアするカフェ 
[本文]
 介護される人だけでなく、介護する人にも優しい街でありたい。
 肉体的、精神的な負担を和らげるため専門スタッフのサポートや
 カウンセリングを受けたり、介護者同士の情報交換ができる
 カフェをつくることで地域全体でのケアを目指します。

(感想)
 ①の子育てと、⑰のケアする人をケアでは、
 専門スタッフを配置して対応する案です。
 区役所内の組織として専門職員を配置することは可能でしょうが、
 カフェでそのサービスが受けられるようにする、
 というのが、いまひとつ分かりません。

 街のカフェなんだけれども、
 子育てや介護する人をカウンセリングできる専門家が常駐していて
 住民が気軽に相談できる、ということでしょうか。

 もし利用者がお茶代だけで専門家のサービスを受けられたら
 その人にとっては、とても費用対効果が高いと思いますが、
 専門の相談がない時間は、それらの専門家は
 カフェで何しているのでしょうか。
 税金としての費用対効果がものすごく悪いです。

 それにカフェでは不特定多数のお客がいますので、
 その中で個人的な相談やカウンセリングを受けるというのは
 考えられません。

 区のサービスとしてやるのであれば、
 相談所やセンターのようなところへ、
 必要な方は予約して相談に来てもらい、
 お茶やコーヒーをお出ししてご相談に乗る、
 というのが現実的な気がします。

 もちろん、センターの名称や、
 室内のインテリアや雰囲気などは、
 カフェのように気軽に入れるように工夫して。


 ⑩のマイノリティにやさしいまち
 というのは、少数派にも配慮するということで
 望ましいことと思います。
 こちらでも、カフェの活用をうたっています。



(カフェの効用)

私は「まちづくり」、「コミュニティづくり」の肝は、
「人と人とのつながりづくり」と思います。

同じ町、同じ地域に住んでいても、
名前も知らず、言葉も交わさなければ他人。
群集。雑踏。

同じ家に住んでいても、
言葉も交わさなければ単なる同居人。
本当は血のつながる家族であっても。

せっかく同じ時代に生まれ、
同じ所に住むのですから、
お互いに言葉を交わし、わかりあって、
気持ちの交流が出来たら、素敵だと思います。

知らない人が知り合って、
おしゃべりするには、どうしたらいいか。
カフェなんか最高ですね。

パリ、シャンゼリゼあたりでは、
石畳の歩道にテーブルとイスが置かれ、
優雅にお茶やコーヒーを楽しむ姿が見られます。

このおしゃれなカフェには
歩道だけでなく、室内にもテーブルとイスがあります。
意外なのはその料金。

日本人の感覚だと、室内の方が高くて、
吹きっさらしの屋外のテーブルは安いのだろう、
と思ってしまうかもしれませんが、
歩道のテーブルの方が料金が高くて人気なのです。

人に自分を見てもらいたい、
知人が通るかもしれない、
素敵な人が通ったら声をかけたい、
そんな気持ちもしれません。

日本において、
これからの地域活性化やコミュニティ促進のカギは
いごごちのいい居場所づくり、
すてきなカフェだと思います。

仕事の休憩に、
ちょっと時間が出来た時や休日に、
居心地のいいあの店に行くと、

いつでも知っている誰かしらいて、
おしゃべりに花が咲く。
知らなかった人と知り合うことも。

ドイツの童話作家、
M・エンデが書いた「モモ」という作品では、
人とのおしゃべりこそが、人生の本質だった
のです。



(参考)

高崎では「福ミーティング」や「TAKASAKATSU」のように
まちを楽しむ活動が活発です。
福カフェ」という場が、
とても重要な役割を果たしていると思います。

先日伊勢崎市境にオープンした
古民家を利用した「中沢カフェ」。
大人気だそうです。



(おまけ)

最近では各地でスタバが人気です。
おしゃれな店内で、人に見られることを意識する
という段階まで日本も来ているようです。

でもまだ、
それぞれのお客は孤立ですね。

人に話し掛けられたくない人は店内席。
人と積極的にコミュニケーションしたいお客はテラス席、
なんてのができると、日本のカフェ文化も
もう一皮むけると思います。
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