伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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広井良典 福祉の哲学とは何か

2017-07-17 21:21:52 | 政治・政策・経済
昨日のブログで、
政策の「人文学的分析」を提案しました。

幸せや、福祉について考えるとき、
タコツボ的な専門分野から考えるのではなく、
もっとひろい学問横断的な見地から
問い直すべきと考えています。

京都大学教授 広井良典さんの著書
「福祉の哲学とは何か」(ミネルヴァ書房)を読み始めましたが、
前書きの部分から、非常に共感しています。

・現在の日本社会は〝危機”という言葉を使わざるを得ないような
 かなり深いレベルでの困難な状況にあると思う。

・たとえば政府の借金が1000兆円という突出した規模に及び、
 かつそうした借金の累積を現在の若い世代そして将来世代に
 ツケ回ししているという、国際的に見ても極端に
 異例な現状という点がある。

・それ以上に私がより深刻なことと感じるのは、
 そうした状況について、なお多くの人々が
 自分とは直接関わりのない「他人事」のように
 感じているという事実だ。

・日本人の「社会的孤立度」が、国際的に見ても
 最も高い

・「政府の借金の際限なき累積と将来世代へのツケ回し」
 「人々の社会的孤立」の高さという、現在の日本社会における、
 一見全く異なる二つの事実を指摘したのだが、考えてみると、
 実はこの両者は同じ一つの根から派生しているものではないだろうか。


・「福祉」というテーマを新たな視点でとらえ考え直すことは、
 前述のような現在の日本社会が直面する中心的な課題と
 ぴったり呼応するのであり、そうした関心を物事の原理にまで
 さかのぼって掘り下げることが、本書の「福祉の哲学とは何か」
 というタイトルに示される主題にそのままつながる


<本書の基本的なテーマ>
①限りない「パイの拡大」の時代が終焉しつつある現在、
 富の「配分」や人々の「つながり」の原理となる福祉哲学が
 求められている。
②物質的な豊かさが飽和するなかで、人々の関心は
 「幸福」をめぐる問や内的・精神的な充足に向かっており、
 根源的な意味での「福祉」の意味やそのありようが問われている。
③こうしたテーマの中には、これまで日本において
 十分に論じられてこなかった「福祉と宗教」の深い関わり
 という主題も含まれる。
④このような関心は、ソーシャル・ビジネスや社会起業家など、
 福祉の担い手やその行動原理、「公―共―私」の役割分担、
 「経済と倫理・福祉」の関係性をめぐる議論とつながる。
⑤このテーマを追求していくと、近江商人の「三方よし」の経済倫理や、
 渋沢栄一の「論語と算盤」など、日本における福祉思想の
 現代的な再評価や展望という主題に接続する。
⑥さらに福祉の原理を問うていくと、そもそも「個人」とは何か、
 個と個の「関係性」」をどうとらえるかといった話題はもちろん、
 個人の土台にある「コミュニティ」のさらに根底にある
 「自然」や「生命」の次元にまで遡行していくことになり、
 それは科学思想や生命論などを含めた
 文理融合的な探求を要請することになる。

・以上のような関心をベースに、福祉の哲学について
 多面的な角度から思想を展開するのが本書の趣旨



(多田コメント)

現在は、これまでの価値観が大きく変わるような時代の変革期であり、
人間にとっての福祉や幸せについて、根本から問い直すべき時代だと
私は認識しています。

前書きを拝見したところ、
広井教授も、多角的な視点から、福祉の在り方や、その意味や存在意義を
根本から問い直す哲学として取り組まれているようです。

経済が成長している間は、だれもがなんとなく所得が増えていたので、
不満や疑問もあまり持たれないで済みました。
人口や経済が縮小し続ける時代になったということは、
だれがどれだけ負担すべきなのか、どのようなことを行政はすべきなのか、
その実態が厳しく問われるようになります。

GDPで見れば、日本は世界3位の国です。
それほど経済成長の面から見れば豊かな国のはずなのに、
調査によれば国民はあまり幸せと感じていません。
これ以上、モノやカネを追求するよりも、
心や精神面の豊かさに目を向けるべきだと考えます


心や精神面の幸せを考えるなら、
私一人の貧弱な頭で考えるよりも、
歴史上の偉人賢人や宗教上の偉人の考え方や言葉が
とても参考になると考えています

広井さんも「これまで日本において十分に論じられてこなかった
「福祉と宗教」の深い関わりという主題も含まれる」と述べて
おられますが、恐らく私と同じような認識なのではないでしょうか。

商売や経済についても、自分さえ今さえ良ければよい、
という考え方だと、お客はすべてむしり取られて
その結果、商売する相手もいなくなってしまいます。
TOC理論でも、岸良さんは三方よし
唱えていらっしゃいます。

私は人文学的な分析を唱えましたが、
広井さんは、文理融合的な探求を要求されると述べられています。
私は理系的な理論ついて、人文的な分析も加えましょうという
趣旨の提案でしたので、広井さんのおっしゃる文理融合的な探求
と同じような趣旨なのかもしれません。

これから読むのが楽しみな本です。










 






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