伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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災害時避難所の定員と運営マニュアル

2016-10-07 16:00:02 | 行政経営
災害時の避難所の運営について気になったので、
防災計画を所管する市役所の安心安全課に確認しました。



(避難所の定員)

先日、新潟県小千谷市にある、
おぢや震災ミュージアム「そなえ館」を見学しました。
中越地震で大きな被害があった地域です。

震災時、体育館の避難所は足の踏み場もないほど人が集まり、

ビニールハウスも避難所になりました。


いざ大災害が発生すれば、住民は避難所へ避難します。
伊勢崎市でも地域防災計画をつくり、
学校・幼稚園・公民館などを避難所に指定しています。

市民の方の中には、もしかすると自治体職員の中にも、
誤解されている方がいるかもしれません。

それは、災害が発生しても
「すべての住民が避難所へ行くわけではない」ということです。

自宅にいて何も問題ない方は避難する必要はありません。
自宅が危険だったり、ライフ・ラインが切れた方などが、
避難所へ避難するのです。

もし、自治体に住む全住民が避難所へ押し寄せたら、
全員を収容できるスペースはありません。

市の防災計画にある「避難所一覧」には、
住所や電話番号は書いてありますが、定員は書いてありません。





安心安全課に確認したところ、人間が横になって寝られる最低限の広さとして、
一人当たり2㎡必要と考えて定員を設定している、とのことです。

もし、避難所が対応できるキャパシティをはるかに超える人が集まったら、
避難所として適切に機能せず、パンクしてしまいます。
一人当たり2㎡というのは、収容できる上限だろうと思います。

それでは、各避難所に定員、
つまり収容できる上限の人数は伝えてあるのか聞いたところ、
安心安全課が承知しているだけで、
各避難所には伝えていないとのことでした。

避難所の運営は、市職員が責任者となることになっています。
その責任者でさえ、収容の上限人数をしらないと、
適切な避難所運営に支障をきたすと思います。

大災害時には、通信も混乱しますし、
緊急な対応や、雑多な対応に追われます。
あらかじめ準備できることは、災害がおきてからでなく、
起きる前に準備しておくことが肝要です。

避難所を運営する市職員はもちろんのこと、
市民の方にも、避難所の定員を知ってもらうために、
防災計画の避難所一覧の中に、各避難所の定員も
併せて書くことの検討をお願いしました。



(避難所運営マニュアル)

近年、各地で大災害が発生しています。
避難所の生活はとてもご苦労が多いことと思います。

運営する側の自治体職員にとっても、
大勢の市民の方が押し寄せる中で、
みなさんの困っている事情を把握するとともに、
適切に衣食住を提供していかなければなりません。

自治体職員は、普段と全く違う、恐らく初めての仕事を、
時間に追われ、大きなプレッシャーの中で
対応していかなければならないのです。

 「避難所の運営とは、何をどうやったらいいのか?」

避難所責任者の自治体職員が頼りにするのは、
「避難所運営マニュアル」しかないだろうと思いました。

普段からよく読んで頭に入っていれば、
住民やボランティアの方のご協力を仰ぎながら、
適切に指揮・運営できると思います。

分かりやすい避難所運営マニュアルがあれば、
藁にもすがる思いで、ページをめくりながらでも、
避難所の立ち上げ、運営組織の結成、運営などが
行えると思います。

伊勢崎市の防災計画の中には、
「避難所運営マニュアル」の資料が含まれていませんでしたので、
安心安全課に確認したところ、「ない」、との回答でした。

これでは、
いざ災害が発生し、避難所に避難してから、
責任者の市職員と、避難された市民が顔を見合わせて、
「さて何をしたらよいのでしょう?」
と、ゼロから考えなくてはなりません。

そんなばかな。
災害時の避難所運営は、自治体にとって、住民対応の最前線。
ここでの対応がまずければ、市民の不満が爆発します。
災害が発生する前に、あらかじめ準備できることはやっておくことが
防災の肝です。

「避難所運営マニュアル」の作成について、
ぜひ作成を検討されるよう市の担当課へお願いしました。
私もさっそく研究を開始します。



(他自治体の避難所運営マニュアル)

陸前高田市「避難所運営マニュアル」
避難所運営ガイドライン - 内閣府
新潟市「避難所運営マニュアル」
岩手県 - 市町村避難所運営マニュアル作成モデル
















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