伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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緊縮財政に反発 

2012-09-27 19:45:10 | 政治・政策・経済

(ギリシャでゼネスト)

9月27日付日経新聞によれば、
ギリシャでは財政再建を目指す緊縮政策に、二大労組が反発。
6月の新政権以降では初のゼネストに突入。

ギリシャは国の債務問題が深刻化した2010年以降、
ゼネストや抗議デモが多発。2月にはデモ参加者が暴徒化し、
アテネ市内の建物が放火されました。

治安悪化のイメージで観光客が遠のき、
観光立国のギリシャは、経済にも悪影響です。

ギリシャ政府の資金繰りは綱渡り状態。
欧州連合EU、国際通貨基金IMF、欧州中央銀行ECBは、
ギリシャの歳出削減努力が足りなければ、
資金繰りに必要な資金を凍結する構えで、
財政審査を重ねています。



(日本も綱渡り)

特例公債法案が成立していないため
赤字国債が発行できず、このままでは
10月末に国の資金繰りが行き詰ります。
財政が綱渡りなのは、ギリシャ以上かもしれません。

現在の日本は、大きな時代の変革期を迎えています。
これまでは大丈夫だったものが、根底から覆る恐れがあります。

少し厳しいお話をしますが、
人生設計する上で、日本、そして行政を取り巻く環境が
いかに厳しいものであるか、これからの事態に備えるために、
お考え頂きたいと思います。

財政破綻危機のギリシャの国の借金は対GDP比で150%です。
ところが日本は、はるかに多く200%を超えています。





(あと3年が山場)

このままでは、国の財政破綻が本気で懸念されます。
日本の国の収入の半分以上は借金です。
民主党政権になってからも赤字体質は改善せず、
世界に例の無い異常な状態が4年連続で続いています
国民や公務員は自覚しているでしょうか。

財政再建の道筋をつけるのか、
それとも財政破綻にまっしぐらに進むのか、
私はあと3年が山場だと思います。



(破産するとIMFの管理下に)

かつて国会で取り上げられた「ネバダレポート」では、
日本が財政破綻し、国際通貨基金IMFの管理下に
入ったらどうなるか指摘しています。

特に公務員に関係の深い部分をご紹介します。
 1 公務員の総数、給料は30%以上カット、
   及びボーナスは例外なくすべてカット。
 2 公務員の退職金は100%カット。年金は一律30%カット。

これは架空の話ではなく、
日本の国の財政はギリシャよりもはるかに悪く、
しかも悪化しているのです。
自民党はすでに国債暴落のエックスデーに備えた対応を
昨年からネット上で公表しています。

国がもし財政破綻すれば真っ先に政治家が非難されるべきです。
しかし国民感情としては、政治家だけでなく、
行政を担ってきた公務員に対しても非難の矛先を向けると思います。



(公務員は一生安泰、ではない)

国が財政破綻すれば、地方交付税や補助金など、
多額の国からの収入を得ている地方自治体もただではすみません。
平成24年度の伊勢崎市の予算では、
収入の約3分の1が国や県から来るお金です。

このような事態が起きる可能性が高まっている現在、
「公務員は一生安泰」というような楽観的な姿勢では、
もしもの時に公務員は身の振り方に困ります。
国の財政破綻はすでに「想定外」ではないと感じます。
財政破綻した場合、地方公務員はどうなるのか。



(夕張市では)

財政破綻した夕張市の例では、職員の年収は4割から5割減少、
月額給与は3年間約3割減、その後2割減に戻りました。
収入が大幅に減ったため、家のローンが払えないなどの理由で、
想定を上回る60%もの職員が退職し、
市役所機能そのものが崩壊の危機になりました。

その結果、残った職員は収入が激減した上、
職員数が大きく減ったので、
一人当たりの業務量はとても増えました。
そしていくら残業しても残業代の予算はありません。

こういった状況の中で、市役所に残るのか、
あるいは別の職業を求めて転職するのかといった選択肢がありました。
残る場合は、マイナスの条件をすべてガマンすれば
夕張市役所に残れたのではないかと思いますが、
国の財政破綻時は転職はかなり難しいと思います。



(国の破綻時、全国に求職者があふれる)

夕張市が破綻した時は、夕張市だけの破綻でしたので、
札幌などへ行けば通常の雇用はありました。
しかも、国も北海道も破綻していませんでした。

しかし、国の財政がもし破綻した時は、
全国の自治体でいっせいに職員数削減や、給与削減が行われます。
求職者は全国にあふれ新たな転職先を見つけるのは
相当の人材でなければ採用されません。

このような状況に備えるには、
役所内だけで通用する人脈や仕事のノウハウではなく、
世間一般でも通用する仕事力を伸ばしておく必要があります。

もちろん、仕事力が高まれば、転職しなくても
公務員としても質の高い仕事が行えます。
また、採用先がなくても
力があれば自分で起業する道もあります。

役所仲間だけのつきあいや価値観を持つのでなく、
広く社会や学びの場、交流の場にみずから飛び込んで、
いつ民間と競争しても負けない仕事力を磨いてください。
その努力が自治体や公務員自身を救うのです。



(参考1)「日本の財政を振り返る」

(参考2)鈴木 直道(現夕張市長、元東京都からの応援職員)の講演
 夕張市へ派遣された初日に驚いた。今思うと考えが実に甘かった。 
 都から応援に行ったので、おそらく初日は仕事は早めに終わって、
 歓迎の宴会くらいあるだろうと思っていた。

 しかし、夜6時なっても夕張市の職員はだれも帰らない。
 そのうちみんなベンチコートを着て、薄手の手袋をしてパソコンを打ち始めた。
 外は零下17度くらいだが、夕方5時には役所の暖房が切ってあるからだ。

 東京から来た私たちは、スーツだったので寒さに震えた。
 夕張市の職員は誰も帰らない中で、寒さに耐えられず夜10時に
「早退させていただきます」と先に帰らせてもらった。

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