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福島県の甲状腺がん(201702):疑い1名増加、3巡目の受診率低下を防止できるか

2017年03月13日 | 東日本大震災・原発事故
ポイントは、予想されている「受診率の減少」を防ぐことができるかどうか。

また、何度も繰り返すように、分母の違う集団からの「患者数」を累積して「足していく」のでは何もわからないということが、受診率の変化(低下)により理解しやすくなるかもしれません。
(求められる作業は発症率の推移を比較することです)

◎ 本格調査(2巡目)については、細胞診実施者が189人から195人に増加して、そのうち1名が甲状腺がん疑いとなっています。

◎ 本格調査(3巡目)は二次検査受診率が30%(143名)で、細胞診実施は1名、甲状腺がん疑いはゼロです。

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先行調査(1巡目:2011-2013)
確定101+疑い14=合計115人 
2016年6月追補確定版

本格調査(2巡目:2014-2015)
確定44+疑い25=合計69人
(疑い1名増加) 
2017年2月現在

本格調査(3巡目:2016-2017)
確定0+疑い0=合計0人 
2017年2月現在

(今回は変化がほとんどないので、グラフは次回まとめて掲載します)
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◎ 問題の一次検査受診率は

先行検査(1巡目)
 300,476/367,672=81.7%

本格検査(2巡目)
 270,489/381,282=70.9%

本格検査(3巡目)
2016
 83,866/191,855=43.7%
2017
 3,351/144,768=2.3%
合計
 87,217/336,623=25.9%

3巡目の1年目(2016年12月末現在)で43.7%という数字について、2巡目の同じ時期と比較してみました。

2014(2014年12月末現在)
 103,874/216,203=48.0%

数字で見ると、4.3%の低下に留まっているので、極端に大きな低下とまではいかないのかもしれません。

しかし、あまり楽観はできません。福島県、医大、小児科医会、メディア、(自称)識者らは事実上の検査体制の縮小(強く勧めずに自己選択とする)を推し進めているからです。

確かにおおよその傾向は受診率がある程度低下しても把握できるかもしれませんが、受診率が極端に低下してしまうと誤差が大きくなる上に、見逃されている患者が増えることになり、その中で進行例の診断が遅れてしまう可能性を否定できません。

2巡目の推定発症率が1巡目より明らかに増加しているというこれまでのデータをどう判断するかは、3巡目の結果にかかっています。

その意味で、結果だけでなくその元となる受診率の推移にも注意していく必要があるでしょう。
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