とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

名著復刊:オイラーの贈物:吉田武

2010年05月12日 22時46分10秒 | 理科復活プロジェクト
オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ:吉田武

地元の書店であの名著が新装版として復刊しているのを見つけた。アマゾンで確認したら1月に出版されていたので、気づくのが遅すぎたくらいだ。

この「オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ:吉田武」は4年前の記事で紹介したが、その後絶版となり1万円を超える価格で取り引きされたこともある希少本の名著。復刊されたためこれまで出ていた本の相場は一気に下がっている。

対象読者は理系の高校3年生以上。2次関数あたりから始め、微分・積分、指数関数、対数関数、三角関数を解説したあと、世界一美しい公式とされる「オイラーの公式」を導く。その後この公式を応用してフーリエ級数、ベクトル空間など関数解析の分野へ少しだけ入門する。1冊でこれだけの事柄を最短ルートで学べるのだから時間と労力を節約できるお得な本だ。

オイラーの公式:ウィキペディアの記事


オイラーの公式についての説明
http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/~shimeno/math/euler/euler.html

この公式を視覚化するとこのようになる。緑線は公式左辺の指数関数の虚数乗、青線は実数成分のコサイン波、赤線は虚数成分のサイン波を表わしている。(詳しい説明はこちらの記事。)



この公式が導かれたのは1748年のことだが、その後20世紀になってから現代物理学の大変革をもたらした量子力学基礎方程式の解となる波動関数Ψとしてこの公式は物理学の理論の中に現れ、科学的に、そして哲学的にも意味深いものとなった。波動関数Ψの2乗は量子(電子をはじめとする素粒子など)の存在確率を表わすので、この公式はこの世界を構成する物質の存在のあり方やこの世界の不確定性と深く結びついていることがわかったのだ。

参考ページ:

虚数は私たちの世界観を変えてしまった。
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ed35400df27a2bc7e597531c08d99869

理系の大学を目指している高校生は、ぜひ読んでいただきたい。

これまで出版されていたのは次の2種類。これらも今では低価格で中古本を購入することができる。

ちくま学芸文庫「オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ:吉田武


海鳴社「オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ:吉田武


復刊したばかりの新装版はこちら。本は通常サイズなので文字も読みやすい。

東海大学出版会「オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ:吉田武


目次

第1部 基礎理論
パスカルの三角形
方程式と関数
微分
積分
第2部 関数の定義
テイラー展開
指数関数・対数関数
三角関数
第3部 オイラーの公式とその応用
オイラーの公式
ベクトルと行列
フーリエ級数
第4部 附録(発展的話題
各種数表)
第5部 問題解答


応援クリックをお願いします!このブログのランキングはこれらのサイトで確認できます。
にほんブログ村 科学ブログ 物理学へ人気ブログランキングへ
ジャンル:
ウェブログ
コメント (2)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 数理物理学方法序説(日本評... | トップ | 「おもしろ系」記事リンク集 ... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
海鳴社版 (271828)
2010-05-15 04:51:56
とねさん おはよう

この本がそんなに高価であったとは知りませんでした。私は文庫版になる前の海鳴社版で読みました。

あくまで私の推測ですが、この本と『放浪の天才数学者エルデシュ』が『博士の愛した数式』を生み出したのでしょう。
http://www.youtube.com/watch?v=Lwwu1eEDzWc
でもこんなロマンチックな解釈はちょっと困りものです。

とねさんの記事からWikipediaの記事を読むことが出来て感謝しています。オイラーの前にロジャー・コーツがこの関係式を見出したのは知りませんでした。であればニュートンも知っていたはずですね。

オイラーの論文ではどの様に書かれていたのでしょうか?ちくま学芸文庫に良さそうな本がありますね。
Re: 海鳴社版 (とね)
2010-05-15 10:47:17
271828さん

おはようございます。
海鳴社版は明倫館書店でも6千円で販売されていました。アマゾンでは1万円を超える出品も。。。(ふっかけていると思いますが。ときどき絶版でもないのに定価より高い出品も見かけますね。)

紹介していただいた「博士の愛した数式」見てみました。うーん、これはなぁ。。。と苦笑です。それでも、こういう映画や動画からでも興味をもって学んでみようとする人がでてくれば、それはそれでいいんじゃないかな、という気もしています。

> ちくま学芸文庫に良さそうな本がありますね。

昨年夏に出版された「無限解析のはじまり―わたしのオイラー」のことですね!読書スピードが追いつかないほどちくま学芸文庫はいい本を連発しているなと思います。他の出版社は一般レベルの啓蒙書を出しますが、それだけでは物足りず、ちくま学芸文庫レベルの本でないと満足できない読者は結構たくさんいると思えるのです。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。