とね日記

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図解入門最新金属の基本がわかる事典: 田中和明

2017年02月12日 14時52分48秒 | 電子工学、工学系

図解入門最新金属の基本がわかる事典: 田中和明

内容紹介:
基礎から生産・処理技術まで『金属の基本と仕組み』大増補改訂!金属の全体像をやさしく図解!
建築物、自動車、テレビ、スマートフォンなど、私たちの生活を支える様々な製品が金属でできています。本書は、専門知識のない学生からエンジニアまで幅広い層を対象に、金属の総合的な入門書を目指しました。金属の性質、加工、生産、表面処理、鉄鋼やアルミニウム、レアメタルといった素材ごとの特徴、ナノ構造制御などの最新トピックまで網羅しています。また、コラムではリチウム、ベリリウムなど全金属のエピソードを紹介します。
2015年5月刊行、648ページ。

著者について:
田中和明(たなか かずあき): ホームページ: http://www.geocities.jp/kaztecjp1/
1956年、大阪生まれ。1982年、京都大学大学院工学研究科卒業。新日本製鐵君津製鉄所に勤務、1996年に金属部門の技術士を取得。鉄鋼協会、環境資源工学会所属。著書に、『「金属」のキホン』(ソフトバンク クリエイティブ)、『図解入門 よくわかる最新金属の基本と仕組み』『図解入門 よくわかる最新レアメタルの基本と仕組み』『図解入門 よくわかる最新金属加工の基本と仕組み』(秀和システム)など多数。ホームページ「KAZTECJP」で金属に関する情報を発信。風呂敷、機械時計、太陽光発電と電気自動車の導入、自主停電とエアコンレス・灯油レスを工夫してエコ生活を楽しむ。趣味はロードレース、旅行、映画、音楽会と、金属関係の古書収集。


理数系書籍のレビュー記事は本書で325冊目。

650ページもある本書を読み終えたとき「読了!!いや~、長かった。。」と思わずツイートした。読み始めて1か月以上かかっている。とりあえず「通読できる事典」だということを証明したといったところだろう。


本書を読んだきっかけ

こんな分厚い本を読もうと思ったきっかけは2つある。

ひとつは一昨年「固体物理の基礎:アシュクロフト、マーミン(全4冊)」という有名な物性物理の理論書を読んだが、それだけでは現実の金属のほんの一部の側面しか理解できないことがわかり、金属工学の視点から広く学んでみたいと思ったことだ。

2つめは、いつも読書に利用しているカフェで金属工学がご専門の先生と数年前に知り合い、懇意にさせていただいていること。先生はご趣味の真空管アンプのこと、ときどき金属の話や、いまどきの学生のことを楽しそうにお話してくださる。アンプや真空管の話はついていけるのだが、ご専門の金属工学の話になると僕にはちんぷんかんぷん。せっかく貴重なお話を聞けるのだから、基礎知識を頭に入れておこうと思ったわけだ。

その先生というのが東工大名誉教授の松尾孝先生のことだ。ご専門は金属の熱処理である。平成26年から同大の金属同窓会の会長をされていて、このページで会長就任のときの挨拶文をお読みいただける。

松尾先生は長年就職指導を担当されていたので、教え子には金属関連企業の社長や重役がたくさんいる。今でも教え子たちの相談に乗ったり、セミナーで教えていらっしゃったりしている。先生はオーディオマニアでもあり、真空管アンプを自作され、知り合いのオーディオマニアに作ってあげたりして楽しまれている。先生が真空管やアンプの話を始めると終わらない。(僕はどちらかというとラジオマニアなのでアンプではなく真空管ラジオが欲しいのだけど。)

真空管アンプ: ヤフオクで検索
真空管ラジオ: ヤフオクで検索

ちなみに松尾先生は次の本のイラストは松尾先生がお描きになったものだ。

はじめて学ぶ熱処理技術(日本熱処理技術協会)」(詳細




線形代数学入門のための教科書談義」という記事の中に書いた「1965年に東京工業大学工学部金属工学科では授業の中で行列式が教えられていた。」ということを教えてくださったのも松尾先生である。先生が入学した1960年代半ばあたりから日本の大学で行列式や線形代数が教え始められていた。

根っからの実験家でいらっしゃる松尾先生は、数学が大嫌いだったそうで行列式の授業を受けていたときは「あまりにも嫌だったので大学をやめてしまおうか。」と思ったそうである。

僕は数学専攻だったので「数学も面白いんですよ。」と、東工大の加藤文元先生がお書きになった「数学する精神―正しさの創造、美しさの発見」を松尾先生にプレゼントした。余計なお節介をしてしまう僕の習性は変わらない。

田中和明先生がお書きになった本書を松尾先生にお見せしたところ「この人、よく知ってるなぁ。」とお褒めになっていた。「よし、この本を読むことにしよう!」と読み始めたのがひと月前のことだ。


本書の紹介

秀和システムででている同シリーズの中で、本書は圧巻のボリュームだ。著者の田中先生がこれまで秀和システムでお書きになっていた金属関連の数冊の本を1冊にまとめた集大成本である。(田中先生の著書:Amazonで検索

とにかく情報量が多い。そして田中先生は「筋金入りの金属オタク」だ。この記事のいちばん下に載せた詳細目次を見てわかるように「金属歌謡集」というものを作っていらっしゃる。もしや?と思ってYouTubeで探してみたら、あったあった!

金属歌謡を12曲順番に再生:



すべての金属元素についてプライベートの思い出を盛り込んだエピソードを紹介したコラムもお書きになっている。元素それぞれに思い出がある人って、そうざらにはいない。さらに先生の自家用車(電気自動車)のナンバーは「鉄の原子量55.85」に合わせた「55-85」である。

最初から最後まで、650ページを通じて著者の熱意と伝える喜びがみなぎっている。読むほうはこれほど大変なのだから、書くほうはさぞ大変だったろうな。図版もとにかく多いわけだし。著者の熱意がこもっているからこれだけの分量でも飽きずに読むことができる。

章立てはこのとおりである。(詳細目次は本記事のいちばん下)

Ⅰ 金属基礎篇

第1章 金属の全体像
第2章 金属の構造
第3章 金属の性質
第4章 金属材料の基礎
第5章 金属材料の破壊
第6章 試験・調査技術

Ⅱ 金属加工技術篇

第7章 金属素材の製造
第8章 切断と接合
第9章 金属の型創成
第10章 金属熱処理
第11章 表面技術

Ⅲ 金属素材篇

第12章 鉄鋼の基本
第13章 アルミニウムの基本
第14章 非鉄金属

Ⅳ 新技術・資源篇

第15章 ナノ構造制御とヘテロ構造制御
第16章 金属資源

小コラム
各金属元素についてのコラム

大コラム
金属歌謡集1~16


本書を読んで感じたこと

僕が小学生の頃の「金属体験」は他の子供たちより恵まれていた。平成のはじめに96歳で他界した祖父は現役の頃は東京電力の社員で、現場で電気工事を担当していた。祖父は職人肌で仕事はすべて身体で覚えた人だった。今でいうDIY(Do It Yourself: 日曜大工)のようなことが好きで、町工場へ行ってはいろいろな廃材をもらってきては自分で加工して家財道具を組み立てていた。僕はそのような環境で個人でできるレベルの木材加工や金属加工を祖父から教えてもらいながら育った。ブリキとトタンの違いも質感として知っていたし、鉄板や銅板、真鍮、鉛などの金属も色や重さ、触感、強度や加工のしやすさなどを身をもって体験することができた。

元素や原子のことなど知らないから、僕はそれらの金属が合金だとは知らず、それぞれブリキやトタン、真鍮という名前の物質だと思っていた。鉄と鋼鉄の成分が違うことも知らなかった。鋼鉄は単に「硬い鉄」のことだ思っていたわけだ。

金属の種類一覧:
http://ichiranya.com/technology/324-metal_kind.php

本書を読み進むうちに、知らないことがほとんどであり、幼少期に見たり触ったりしていた金属がこんなにすごいものだったのかと50年という年月を経て再発見したようなものだ。鉄の焼き入れや焼き戻しで、なぜ性質が変わるのかということは理論物理としての物性物理の教科書ではほとんど知ることができない。やはり実験と経験が第一の世界なのだということがよくわかった。

そもそも金属の性質が科学的に理解され始めたのは量子力学が始まった20世紀以降のことに過ぎない。人類が金属を使い始めたのは数千年前のことであり、科学史よりも技術史のほうが圧倒的に長い。学問になる以前からさまざまな金属を発見し、利用しやすい形に製錬、加工してきた先人の知恵と経験の素晴らしさを思わずにはいられなかった。

刀剣類について言えば、日本では独自に青銅製の刀剣類が生産されていたが、古墳時代以前にはすでに鉄製の刀剣類の生産が始まっていた。青銅で作られた銅鐸は弥生時代から作られていたものだ。

日本刀の歴史:
http://touken.or.jp/history/index.html
http://www.kajita-token.com/history.html

本書ではあらゆる金属や合金について学ぶことができる。とはいっても現代においても金属の全生産量の96パーセントは「鉄」なのだ。熱処理をすることでさまざまな性質があらわれる鉄の不思議を理解することが大切なことがよくわかった。

とにかく情報満載の本である。一度通読したところでとても覚えられるものではない。けれども金属工学で使われている用語の意味は押さえることができたので、松尾先生のお話が聞きやすくなるし、熱処理についての本も読みやすくなったので、とりあえず満足である。

本書は「事典」なのだから、これからも必要な時に参照することだろう。この情報量で2700円はお買い得である。


関連記事:

図解入門よくわかる最新熱処理技術の基本と仕組み[第3版]: 山方三郎
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/4543d9ef51b7fd21806beee749e39387

ゴム弾性(初版復刻版):久保亮五
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c3b0c788cdcdd1087798179f3dfed0f8

ゴムはなぜ伸びる?:伊藤眞義
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ff057de12aeb576f1d62a75f0fdbc538

すごい! 磁石: 宝野和博、本丸諒
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ffe9d9d77da4e012ea23ec5fce37e32a

基礎の固体物理学: 斯波弘行
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d2287a9fdbc66eac443fe0888d835602

物性物理30講(物理学30講シリーズ):戸田盛和
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/00d399f545bc69dfa213015f153a312a

固体物理の基礎 上・1 固体電子論概論: アシュクロフト、マーミン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/af3b66dbda3564a4c49f5d7f722ad777

固体物理の基礎 上・2 固体のバンド理論: アシュクロフト、マーミン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/8c12399f0dd9b78de128a9793502c3f3

固体物理の基礎 下・1 固体フォノンの諸問題: アシュクロフト、マーミン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a60d3f080472a8472c462a02484743da

固体物理の基礎 下・2 固体の物性各論: アシュクロフト、マーミン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/16c5344f47d2da648e2efabf8c020303


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図解入門最新金属の基本がわかる事典: 田中和明



Ⅰ 金属基礎篇

第1章 金属の全体像
1-1 本書の位置付け
1-2 日進月歩の材料科学・材料工学
1-3 金属を学ぶときの4つのカテゴリー
1-4 周期表における金属
1-5 周期表と電子軌道
1-6 素材としての金属
1-7 金属の存在比率
1-8 金属の分類

第2章 金属の構造
2-1 金属の構造論
2-2 原子の構造と結合
2-3 原子の電子軌道
2-4 金属と合金の構造
2-5 金属の結晶構造
2-6 金属の合金構造
2-7 合金の時効析出

第3章 金属の性質
3-1 金属の特徴
3-2 金属の重さ(密度)
3-3 金属の硬さ
3-4 金属の強さ
3-5 原子核の結合の強さ
3-6 金属の変形
3-7 弾性と塑性
3-8 電気物性と熱物性
3-9 磁性
3-10 酸化・還元
3-11 金属の色と炎色反応

第4章 金属材料の基礎
4-1 金属材料の構成
4-2 相変態と合金の構造
4-3 格子欠陥
4-4 鉄-炭素系平衡状態図と組織
4-5 拡散
4-6 変態
4-7 金属の強化機構
4-8 加工硬化・回復・再結晶
4-9 時効と析出
4-10 金属の比強度
4-11 金属の降伏
4-12 r値とn値

第5章 金属材料の破壊
5-1 金属材料の破壊の全体像
5-2 破壊のメカニズム
5-3 塑性変形による破壊~応力による破壊(1)
5-4 疲労破壊~応力による破壊(2)
5-5 クリープ破壊~応力による破壊(3)
5-6 延性破壊と脆性破壊
5-7 腐食による破壊
5-8 応力腐食割れ
5-9 水素による破壊
5-10 遅れ破壊
5-11 鋼の熱処理に伴う脆性

第6章 試験・調査技術
6-1 試験方法と調査技術
6-2 機械試験法
6-3 組織調査
6-4 非破壊検査
6-5 分光分析の基礎
6-6 分子分光分析
6-7 原子分光分析
6-8 物質の構造を計測する技術
6-9 質量分析技術

Ⅱ 金属加工技術篇

第7章 金属素材の製造
7-1 金属加工の全体像
7-2 製錬・精錬
7-3 リサイクル精錬法
7-4 凝固
7-5 鋳型鋳造技術
7-6 粉末成形
7-7 熱間成形

第8章 切断と接合
8-1 切断加工
8-2 熱源による切断加工
8-3 金属の除去加工技術
8-4 切断面の品質
8-5 切削と研磨
8-6 バリ取り
8-7 ブランク加工
8-8 板金切断
8-9 接合加工の方法
8-10 溶接の方法
8-11 サブマージドアーク溶接
8-12 固相接合
8-13 機械的接合
8-14 ろうつけ加工

第9章 金属の型創成
9-1 型成形概要~塑性加工(1)
9-2 押し出し成形~塑性加工(2)
9-3 引き抜き成形~塑性加工(3)
9-4 鍛造加工~塑性加工(4)
9-5 プレス加工概論~プレス加工(1)
9-6 絞り加工~プレス加工(2)
9-7 張り出し成形~プレス加工(3)
9-8 フランジ加工~プレス加工(4)
9-9 曲げ加工~プレス加工(5)
9-10 機械加工概要~除去加工(1)
9-11 切削理論と工具~除去加工(2)
9-12 旋盤加工~除去加工(3)
9-13 ボール盤加工~除去加工(4)
9-14 フライス盤加工~除去加工(5)
9-15 エンドミル加工~除去加工(6)
9-16 中ぐり加工と歯切り加工~除去加工(7)
9-17 研削加工~除去加工(8)

第10章 金属熱処理
10-1 鋼材の熱処理体系
10-2 鋼材の熱処理の基礎
10-3 鋼材の焼入れ
10-4 鋼材の焼もどし
10-5 鋼材の焼なまし
10-6 鋼材の焼ならし
10-7 表面熱処理
10-8 表面焼入れ
10-9 浸炭焼入れ
10-10 窒化

第11章 表面技術
11-1 金属の表面技術体系
11-2 金属表面~金属界面(1)
11-3 さびとスケール~金属界面(2)
11-4 水溶液中の電位とpH~金属界面(3)
11-5 金属防食の技術
11-6 金属表面処理技術~金属表面処理(1)
11-7 金属表面の前処理~金属表面処理(2)
11-8 金属被覆~金属表面処理(3)
11-9 化成処理~金属表面処理(4)
11-10 電気防食

Ⅲ 金属素材篇

第12章 鉄鋼の基本
12-1 鉄の基本性質~数字で見る鉄(1)
12-2 鉄の存在量~数字で見る鉄(2)
12-3 鉄の生産量~数字で見る鉄(3)
12-4 鉄の特徴~鉄の性質(1)
12-5 鋼材の性質~鉄の性質(2)
12-6 鋼材のミニ知識~鋼材の種類(1)
12-7 鋼材の分類法~鋼材の種類(2)
12-8 鉄鋼製品~鋼材の作り方(1)
12-9 製銑工程~鋼材の作り方(2)
12-10 製鋼工程~鋼材の作り方(3)
12-11 圧延工程~鋼材の作り方(4)
12-12 超の時代

第13章 アルミニウムの基本
13-1 アルミニウムの全体像
13-2 アルミニウムの性質
13-3 アルミニウム精錬概要
13-4 日本におけるアルミニウム原料史
13-5 戦後アルミニウム原価史
13-6 アルミニウム精錬衰退史
13-7 アルミニウムのリサイクルの科学

第14章 非鉄金属
14-1 金属の分類
14-2 主要非鉄金属の製錬・精錬
14-3 銅と銅合金の性質
14-4 マグネシウムとマグネシウム合金の性質
14-5 チタンとチタン合金の性質
14-6 貴金属の用途
14-7 新機能合金
14-8 金属代替技術

Ⅳ 新技術・資源篇

第15章 ナノ構造制御とヘテロ構造制御
15-1 金属学の新しい潮流
15-2 ナノ金属とは
15-3 ナノ金属特有の材質
15-4 ナノ金属の視点であらためて従来金属技術を読み解く
15-5 ナノ金属が拓く技術分野
15-6 ナノ金属組織製造法
15-7 新元素戦略と構造材料ヘテロ構造制御

第16章 金属資源
16-1 金属資源
16-2 金属資源リスク
16-3 コモンメタルの資源課題
16-4 レアメタルの資源課題
16-5 陸上資源開発
16-6 海底資源
16-7 リサイクル資源
16-8 資源価格高騰問題
16-9 エコロジカル・リュックサック

小コラム

リチウム(Li 原子量6.94 密度0.535)
美味しそうなリチウムイオン電池が決め手の電気自動車

ベリリウム(Be 原子量9.01 密度1.848)
戯曲『素晴らしい合金』の持つ毒に軽さと強さを忘れそう

ホウ素(B 原子量10.81 密度2.340)
スライムの原料にして超硬派のニューハーフボロン見参

ナトリウム(Na 原子量22.99 密度0.968)
生きる糧、恩にも仇にもなる塩の物語

マグネシウム(Mg 原子量24.305 密度1.738)
電磁波で粉になる妄想の末に燃え上がる目映い光

アルミニウム(Al 原子量26.982 密度2.700)
筆者的には注目度マックスの金属。密かに送るラブコール

ケイ素(Si 原子量28.086 密度2.330)
シリカとシリコンで引っ張って、透明談義に華が咲く

カリウム(K 原子量39.098 密度0.856)
閃いた! 菜食主義レジスタンスの屁理屈を。今晩は焼肉だ

カルシウム(Ca 原子量40.078 密度1.550)
人体構造に新説か。妄想癖が紡ぐ奇説珍説を語ろう

スカンジウム(Sc 原子量44.956 密度2.985)
自転車、飛行機、屋外ランプ。軽さも材質も優れている

チタン(Ti 原子量47.867 密度4.507)
軽くてさびない金属は海に空にお寺にお似合い

バナジウム(V 原子量50.942 密度6.110)
富士山系の地下水に潜む北欧の神

クロム(Cr 原子量51.996 密度7.150)
なめし皮に秘めたるクロムの物語は脅威か? 安心か?

マンガン(Mn 原子量54.938 密度7.470)
海の底に眠る団塊に想いをはせたあの頃……

鉄(Fe 原子量55.845 密度7.874)
タイヤの破片に命の恩人だとつぶやいた、高速道路での運命の出来事

コバルト(Co 原子量58.933 密度8.900)
アトムと文庫が爆弾で、工具の電池とコンゴの色彩は海底で

ニッケル(Ni 原子量58.963 密度8.908)
ある時は悪魔、あるいは硬貨、その実はアレルギーの首謀者?

銅(Cu 原子量63.546 密度8.94)
NASA探査機放出の銅製衝突体、第1彗星核に命中

亜鉛(Zn 原子量65.409 密度7.140)
しじみより舐めてみたいな真鍮とトタン

ガリウム(Ga 原子量69.723 密度5.904)
スキープレーヤーとノーベル賞に大活躍の体温融解金属

ゲルマニウム(Ge 原子量72.63 密度5.323)
広告によるとゲルマニウムパワーはすごいらしい

ヒ素(As 原子量74.922 密度5.727)
毒殺の歴史に君臨し続けるエース級のヒ素は半導体の優等生

ルビジウム(Rb 原子量85.468 密度1.532)
ルビー色に光る発信機には謎の固有周波数が示されている

ストロンチウム(Sr 原子量87.62 密度2.630)
降ってきて楽しくもあり悲しくもある灰の起源

イットリウム(Y 原子量88.906 密度4.472)
ヤング? ヤグ? レーザーで大活躍のレアアースメタル

ジルコニウム(Zr 原子量91.224 密度6.511)
古い友人が実は爆発しやすいやつだなんて知らなかった

ニオブ(Nb 原子量92.906 密度8.570)
反物質製造工場でもちあげた超伝導磁石に使われている金属は重かった

モリブデン(Mo 原子量95.96 密度10.280)
合金鋼の世界では超有名のセレブなスーパースター金属

テクネチウム(Tc 原子量97.907 密度11.500)
人工金属とはいえ自然界で全然存在しないわけではない天然元素

ルテニウム(Ru 原子量101.07 密度12.370)
ノーベル賞に使われて、ハードディスクで役に立つ内気な金属

銀(Ag 原子量107.868 密度10.490)
江戸時代、金を減らして混ぜられて、秘伝の表面処理でまるで金に仕上げた

ロジウム(Rh 原子量102.906 密度12.450)
使われなくなることが話題として取り上げられる超セレブ金属

パラジウム(Pd 原子量106.42 密度12.023)
水素を吸い、貴重だと言われても、価格が低くて肩身が狭い言われ方

カドミウム(Cd 原子量112.411 密度8.650)
黄色鮮やかな、有用で迷惑な元素は、公害病で一躍有名

インジウム(In 原子量114.818 密度7.310)
かっこいいタイトル、かっこいい金属、かっこいいパフォーマンス

錫(Sn 原子量118.71 密度7.310)
青銅にも使われた古(いにしえ)の金属を歴史の教科書で見てみよう

テルル(Te 原子量127.6 密度6.240)
地球の神様が映画を何度でも録画する不思議な性質

アンチモン(Sb 原子量121.76 密度6.697)
ギリシア時代の話をネットー先生が英語口述、筆記ノートを野呂が翻訳

セシウム(Cs 原子量132.905 密度1.879)
目立ちたくないのに目立っちゃう金属は、映画の題名に少女と共演

バリウム(Ba 原子量137.33 密度3.51)
飲むと嬉しく、飲むと安心、どっしり感が好ましい検査試薬

ランタン(La 原子量138.905 密度6.146)
一家の名付け親の兄い金属は、人目を避けても目立つ存在

セリウム(Ce 原子量140.116 密度6.689)
レーヴィの周期表で名を馳せた金属は、削減代替でも超有名金属

プラセオジム(Pr 原子量140.908 密度6.640)
希土類がジジミウムと呼ばれた時代の生き証人

ネオジム(Nd 原子量144.24 密度6.800)
世界最強の磁力を持つ、さびと温度に弱い孤高のチャンピオン金属

プロメチウム(Pm 原子量145 密度7.26)
999とのだめと神話が交錯する蛍光が綺麗なお気に入り

サマリウム(Sm 原子量144.913 密度7.353)
ウォークマンのシャカシャカ音はサラダ記念日のおかげです

ユウロピウム(Eu 原子量151.946 密度5.224)
鮮やかな赤色に日本テレビ界のこだわりを見た

ガドリニウム(Gd 原子量157.25 密度7.904)
最強磁性金属は電子の数にもこだわっている

テルビウム(Tb 原子量158.925 密度8.219)
磁歪や蛍光やと、聞いたことの無い金属の聞いたことのない名前

ジスプロシウム(Dy 原子量162.5 密度8.551)
およばざるがごとし、クレームをつけ過ぎると代替が進む金属

ホルミウム(Ho 原子量164.93 密度8.800)
外科治療で大活躍の体に優しいレーザー光源

エルビウム(Er 原子量167.259 密度9.066)
通信の歴史が語るどうでもいい光ファイバー秘話

ツリウム(Tm 原子量168.934 密度9.321)
最北生まれの光ファイバー添加元素は放射線バッチにも使われる

イッテルビウム(Yb 原子量173.04 密度6.57)
イッテルビー4兄弟が分かち合ったよく似た名前

ルテチウム(Lu 原子量174.97 密度9.841)
「まれ」で盛り上がるさいはてのまれな金属の言い分

ハフニウム(Hf 原子量178.49 密度13.31)
正反対の相方とコンビを組んで原発で働いてまーす

タンタル(Ta 原子量180.948 密度16.650)
本人と関係ないところであだ名をつけられたり、進路を決められたり

タングステン(W 原子量183.84 密度19.250)
「何を話してんの?」と戸惑う元素を尻目に力が入るニセモノ談義

レニウム(Re 原子量186.207 密度21.020)
日本に成り損なったライン川の異名を持つラスト発見天然元素

オスミウム(Os 原子量190.23 密度22.61)
筆者好みの下劣な話にまきこまれた重い金属の臭い実態

白金(Pt 原子量195.084 密度21.45)
もっと大切にしよう、モノとカチ。カイロとカードの談義に華が咲く

イリジウム(Ir 原子量192.217 密度22.65)
地球防衛隊で知った、地球の不思議な過去を語る小松センセイ

金(Au 原子量196.967 密度19.300)
入っていれば有難や、根強い健康神話に使われたチャンピオン金属とは?

水銀(Hg 原子量200.59 密度13.579)
カリオストロ伯爵の手品につかわれた賢者の石の正体とは?

タリウム(Tl 原子量204.383 密度11.850)
地味な金属の地味な使い方を時々驚きの報道で思い出す

鉛(Pb 原子量207.2 密度11.340)
ネットー先生が名講義。大昔から使われてきた使いやすい金属

ビスマス(Bi 原子量208.98 密度9.780)
いろんな用途に使われる低融点金属は、見かけは危険だがいいやつだ

ポロニウム(Po 原子量208.982 密度9.196)
煮詰めて濾過して、煮詰めて濾過、煮詰めて濾過して、煮詰める元素

フランシウム(Fr 原子量(223) 密度1.87)
地球上で何個くらい存在するのだろうかと考えてしまう元素

ラジウム(Ra 原子量(226) 密度5.000)
こんな会話があったのかな? 作業の手を抜かない主婦の鏡マリーさん

アクチニウム(Ac 原子量(227) 密度10.070)
執念の尾鉱探しの末に掘り当てた大金星の天然放射性元素

トリウム(Th 原子量232.038 密度11.724)
宇宙の年齢くらいたってもまだ半分残っている古い天然放射性元素

閑話休題
青銅と黄銅の欠点は歴史遺産や戦場でも露呈

プロトアクチニウム(Pa 原子量231.036 密度15.37)
体に溜まったヘリウム(ガス)をぶうっと吐き出す元素

ウラン(U 原子量238.029 密度19.052)
良くも悪くも使う人次第。大きな能力を秘めた元素を扱う倫理の話だな

ネプツニウム(Np 原子量237.048 密度20.25)
人工に作られたものは崩壊する。命名方法が軽いが重い元素

プルトニウム(Pu 原子量243.061 密度19.84)
ボイジャーが積んで行った、初めて作った人工元素の原子力電池

トチノネーミリウム
その手があったか。土地の名前なら無数に名付けられる

ダイガクネーミリウム
おらが大学、おらが研究所。冷戦時代の元素競争

ヒトノネーミリウム
先生! 尊敬しています。大流行の人の名前元素シリーズ

一石仙人
敵も味方もリモコン次第。鉄人世代には良くわかる仙人の悩み

大コラム

金属歌謡集1
<歌謡1 接合情話>
<歌謡2 プレス行進曲>
<歌謡3 金属ラプソディ>

金属歌謡集2
<歌謡4 魅惑の熱処理>
<歌謡5 鋼戦隊JISレンジャー>
<歌謡6 腐食のタンゴ>
<歌謡7 錬金アラベスク>

金属歌謡集3
<歌謡8 せん断!切断!バリ取り加工!>
<歌謡9 これが鉄の生きる道>
<歌謡10 欠陥サンバ>

金属歌謡集4
<歌謡11 あまたの合金になって>
<歌謡12 金のネックレス>

金属歌謡集5
<歌謡13 鉄の星 地球>
<歌謡14 めぐる周期律>
<歌謡15 延ばし仁義>

金属歌謡集6
<歌謡16 周期表いえるかな?>
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昔憶えた (hirota)
2017-02-13 13:08:26
トチノネーミリウム〜一石仙人?
昔憶えた周期律表を思い出してみたらカリフォルニウム〜アインシュタイニウムでしたか!(確認してないけど合ってるよね?)
金属の蘊蓄には、恒星の核融合反応は一番安定な鉄で止まるから鉄が最多の金属だとか、生命進化でシアノバクテリアが酸素大気を作った時に海中の鉄イオンが一斉に沈殿したため鉄の地層が出来たとかの話はあるのかな?
Re: 昔覚えた (とね)
2017-02-13 13:41:36
hirotaさん

> トチノネーミリウム〜一石仙人?
石仙人かどうかはわかりませんが、コラムにはこのように書かれています。
http://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/9b/6abb5e998124d8bd7abe3c647cdcfff3.png

語呂合わせで暗記した覚えが僕にもあります。でもランタノイドとアクチノイドは無視してましたね。

> カリフォルニウム〜アインシュタイニウムでしたか!
元素番号98と99ですね!
http://www.gadgety.net/shin/trivia/ptable/

> 金属の蘊蓄には、恒星の核融合反応は一番安定な鉄で止まるから鉄が最多の金属だとか、生命進化でシアノバクテリアが酸素大気を作った時に海中の鉄イオンが一斉に沈殿したため鉄の地層が出来たとかの話はあるのかな?

「恒星の核融合反応は一番安定な鉄で止まるから鉄が最多の金属だ」は欠いてありましたが、「生命進化でシアノバクテリアが酸素大気を作った時に海中の鉄イオンが一斉に沈殿したため鉄の地層が出来たとかの話」は書かれていませんでした。
土地の名 (hirota)
2017-02-14 12:55:56
「一石」と書いてアインシュタインと読ませるのは知ってたし「人の名」と別立てになってるから「土地の名」は単独のカリフォルニアだと思ったけどアメリカもまとめて入ってるのかー。
アメリカ単独なら「国の名」と書くと思って外したら外れた!
Fisdom 金属材料学 を修了しました。 (T_NAKA)
2017-03-05 11:54:53
やっと「金属材料学 https://www.fisdom.org/F00000010/」の修了証を頂ける状態になりました。その講義内容を考えるとこの本の「第4章 金属材料の基礎」「第6章 試験・調査技術」「第10章 金属熱処理」「第12章 鉄鋼の基本」「第13章 アルミニウムの基本」「第14章 非鉄金属」の一部と重なるものがありました。そういう意味ではこの本は凄いですね。
受講した感想ですが、私は電気工学出身で良かったと思いました。機械工学だとこんなに覚えることが多い科目があるんですね。(実際は「機械工学概論」で習ったかも知れませんが忘れてしまって、、)

まあ、分からないながらも少しは金属に対する見方が変わりました。この本も興味が湧きます。
Re: Fisdom 金属材料学 を修了しました。 (とね)
2017-03-05 12:32:55
T_NAKAさん

修了おめでとうございます!3月なので卒業式みたいですね。w
T_NAKAさんが受講された講座はタイトルの「金属科学」が示すとおり工学から少し科学寄りだと思いました。

昨日は記事で紹介していた松尾先生が僕の隣でセミナーのスライドを作成されていました。僕はときどきチラ見していたのですが、既習の範囲にもかかわらずさっぱりわからないという有様。金属工学は本当に覚えることが多いですね。

その後、松尾先生が挿絵をお描きになった「はじめて学ぶ熱処理技術(日本熱処理技術協会)」を半分ほど読みましたが、挫けました。この本は実務ですでに金属に馴染んでいる人に向けた本のようです。

ですのでこの本は中断して昨年4月に刊行された「図解入門よくわかる最新熱処理技術の基本と仕組み[第3版]」に切り替えることにしました。こちらの本のほうが僕には向いているようです。


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