とね日記

理数系ネタ、パソコン、フランス語の話が中心。
量子テレポーテーションや超弦理論の理解を目指して勉強を続けています!

2017年 ノーベル物理学賞はワイス博士、バリッシュ博士、ソーン博士に決定!

2017年10月03日 22時18分56秒 | 物理学、数学

スウェーデン王立科学アカデミーは3日、2017年のノーベル物理学賞を、時空のさざ波「重力波」の初観測に貢献した米国の研究者3氏に贈ると発表した。

重力波は、物理学者アインシュタインが約100年前に存在を予言したもので、米国チームが初観測したと昨年2月に発表した。2年足らずで決まる異例のスピード授賞となった。

授賞が決まったのは、マサチューセッツ工科大のレイナー・ワイス(85)、カリフォルニア工科大のバリー・バリッシュ(81)、キップ・ソーン(77)の3名誉教授。授賞理由は、「LIGO検出器と重力波観測への決定的な貢献」。

The Nobel Prize in Physics 2017
https://www.nobelprize.org/nobel_prizes/physics/laureates/2017/

重力波、世紀の発見をもたらした壮大な物語(ナショナルジオグラフィック)
ノーベル賞級発見の手法と意義、天文学の新たな広がりを詳しく解説
http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/021200053/

まるわかりノーベル賞2017(物理学賞解説)
https://www3.nhk.or.jp/news/special/nobelprize2017/article03.html


今年は予想どおりとはいえ、物理学賞のライブキャストで発表を待つ時間は毎年ドキドキする。重力波検出での授賞が決まったときは、ほっと胸をなでおろした。もう一度見てみよう。




昨年2月に行われた驚きの発表から1年半以上たっている。その間、4度も観測されて4度目の重力波はイタリア郊外のAdvanced Virgoでも同時観測された。

一般相対性理論や重力波は一般の人にも理解しやすいから、科学への興味を引き出すのにちょうどよい。ネット上には、わかりやすい解説ページがじゅうぶん過ぎるほどあるので、僕がここで説明する必要はないだろう。

2017年12月に追記: 以下は12月8日に配信された動画。今年の物理学賞(重力波の初観測)の記念講演で、ワイス博士、バリッシュ博士、ソーン博士の順で講演を聞くことができる。




さて、これまでに投稿した記事、本の紹介記事を載せておくことにしよう。


関連解説記事:

重力波の直接観測に成功!(とね日記では、この記事がいちばん詳しい。)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/a8439e8e4d81d7873422737d7bd1640d

アインシュタインが重力波について書いた論文の解説記事。アインシュタインの思考過程がわかるように書いた。1918年の論文では重力波の速度が光速に等しいこと、エネルギーを伝搬することが導かれている。1937年の論文では回転する天体から放射される重力波の形を求めている。

アインシュタイン選集(2): [A8] 重力波について(1918年)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/7f70d0291e823674435342acba782017

アインシュタイン選集(2): [A9] 重力波について(1937年)
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/52cc9130211d52e55eb1d2ea9f4a9465

欧州望遠鏡でも重力波観測(発生場所、より正確に)#LIGO #Virgo
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/dbc609477e38672166890301aeca5bdb

日本物理学会2016年度公開講座 「一般相対性理論と宇宙 -重力波研究の最前線-」
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/d39ec747fb47e0c8418e7e167e2f60c4

サイエンスZERO 世紀の観測!重力波?~アインシュタイン最後の宿題~
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/45923abf57b1200837afb79bb35127e3

次は「EMANの物理学」で知られる広江克彦さんの本で、一般相対性理論を数式でマスターする手順を解説した記事。

一般相対性理論に挑戦しよう!
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/ea7ad9292ce01ad4abbbc8c98f3303d0


関連書籍の紹介記事:

一般相対論の解説からLIGOの重力波検出装置、スパコンのシミュレーションまでを解説している本。

ブラックホール・膨張宇宙・重力波 一般相対性理論の100年と展開:真貝寿明
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/88bf1600687ece47464c862fefe53103

次の本は特にお勧め。文庫版も発売された。

重力波は歌う:アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち:ジャンナ ・レヴィン
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1cb9b432d55f420797c4f00d02246b6e

次は高校数学をマスターした人が、一般相対論を学べる本。最終章で重力波の方程式を導出している。

発売情報:一般相対性理論を一歩一歩数式で理解する: 石井俊全
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/1699a1c22477c269c68c02091d0ca049

次は、近年の研究成果を盛り込んだ新しい教科書。大学理系学部の学生向け。重力波は下巻で数式の導出と解説をおこなっている。この記事から上巻、下巻の紹介記事へリンクさせた。

重力(上)(下) アインシュタインの一般相対性理論入門: ジェームズ・B・ハートル
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/c195a49914a852b1c73049bb7b9743e0


その後発売された書籍はAmazonで検索してみよう。: 重力波で検索


ところで受賞者のソーン博士が執筆に加わっている「Gravitation (1973)」(Wikipedia)のハードカバー版とKindle版がノーベル物理学賞の発表に合わせて発売された。ただしKindle版は紙の本をスキャンして電子書籍化した固定レイアウトであることと、Kindle Paperwhiteの端末では、まったく表示できないのでご注意いただきたい。

Gravitation: Charles W. Misner, Kip S. Thorne, John Archibald Wheeler」(Kindle版


パートVIII 重力波
 35章 重力波の伝播
 36章 重力波の生成
 37章 重力波の探知

日本語版については「重力理論 Gravitation-古典力学から相対性理論まで、時空の幾何学から宇宙の構造へ」という記事をお読みいただきたい。


あとソーン博士がお書きになり、先月発売されたばかりの教科書が話題になっている。すでに日本のAmazonからも購入可能だ。

Modern Classical Physics: Kip S. Thorne, Roger D. Blandford」(Kindle版



ソーン博士は、SF映画『インターステラー(2014)』にも貢献している。解説と感想は次の記事をお読みいただきたい。

映画『インターステラー(2014)』
http://blog.goo.ne.jp/ktonegaw/e/58711fc5335ca00f51a5d22df3f6cc58


最後になりましたが、ワイス博士、バリッシュ博士、ソーン博士、受賞おめでとうございます!

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2017年12月9日に追記:

以下は12月8日に配信されたばかりで、今年の物理学賞(重力波の初観測)の記念講演の動画だ。ワイス博士、バリッシュ博士、ソーン博士の順で講演を聞くことができる。


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2 コメント

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決定的な貢献 (ひゃま)
2017-10-04 10:02:58
なんか、とねさんうれしそうですね

決定的な貢献というかKAGURAとの違いはこれじゃないかとおもうのですけど、受賞者はどう関係してるんでしょうね?

重力波検出器においては、光子を光速で片道ミリ秒かかるような長いファブリ・ペローキャビティに貯めることがある。これにより重力波が光と相互作用する時間を長くとることができ、低周波における感度が向上する。この原理を用いて、LIGOやVirgo(英語版)などの検出器ではマイケルソン干渉計の両腕を数キロメートルにわたるファブリ・ペローキャビティにより構成している。「クリーナ」と呼ばれるより小さなキャビティもメインレーザーの空間フィルタリング(英語版)および周波数安定化のために使われる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%BB%E3%83%9A%E3%83%AD%E3%83%BC%E5%B9%B2%E6%B8%89%E8%A8%88
Re: 決定的な貢献 (とね)
2017-10-04 10:22:59
ひゃま様

そりゃ、うれしいです。ヒッグス粒子のときもそうでしたが、長年の努力が報われたこと、科学上の過去100年でいちばんビッグな功績に対しての賞ですから。
個人的にも物理を学び始めたころに理解した一般相対性理論、重力波が現実のものになったという点で、「とね日記発展史」の観点からもうれしい出来事です。

LIGO、LIGO-Virgoコラボレーションに関わったすべての関係者に授賞していただきたいですが、それは無理なので代表として特に研究と実験の創成期から貢献された3人の博士に授賞したということなのでしょう。プレスリリースには次のように書かれています。

In the mid-1970s, Rainer Weiss had already analysed possible sources of background noise that would disturb measurements, and had also designed a detector, a laser-based interferometer, which would overcome this noise. Early on, both Kip Thorne and Rainer Weiss were firmly convinced that gravitational waves could be detected and bring about a revolution in our knowledge of the universe.

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