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【埋め草ーMuseの場合 2017年8月7日号】《Ni-Zn蓄電池が本命の PHV電気自動車 Part XXX》

2017-08-06 23:09:10 | 日記
【埋め草ーMuseの場合 2017年8月7日号】《Ni-Zn蓄電池が本命の
PHV電気自動車 Part XXX》



電気自動車走行環境をバックアップする充電インフラ
Posting in August 6, 2017
 ZEV ;Zero-Emission Vehicle
 PHV ;Plug-in Hybrid Vehicle
 EV ; Electric Vehicle、電気自動車
 PEV ; Plug-in Electric Vehicle

【7月15日号でのタイプミス情報】
   (誤)試験非行 ー> (正)試験飛行
   どうも スミマセン

《本題》
 高容量の亜鉛空気電池とコンビを組むニカド蓄電池で
構成される電池ハイブリッドEVは、Plug-in HVなので、
家庭に配電の交流電気が停電などのトラブルが最小の
頻度で供給される公益電力が求められます。しかし、
EVの普及率がゼロに近い現状で、そのようなサービス
を受けることは期待薄だと思います。
そこで、EVオーナーのご近所にミニ発電所を設置して、EV電池
への充電サービスを充実させたら、と考えます。
具体的には、高効率ガスタービン発電をベースに、燃料は合成
メタノール、発電余剰を貯蔵できる高容量の亜鉛空気蓄電池で構成
される独立型ミニ発電システムです。

本システムの詳細は以下の通り。

1. 高効率ガスタービン発電

  在来のガスタービンと大きく異なるのは、外部電源から供給される
  電力で駆動される電動コンプレッサで大気中の酸素を圧縮して燃料
  ガスを燃やし、発生する回転エネルギーの全てを発電・出力をする
  システムを採用する。
  通常のガスタービンは、その回転エネルギーの2/3はコンプレッサ駆動
  のために消費されるので、残りの1/3の回転エネルギーが外部に電力と
  して発電される仕組みを採用しています。最近のニュースによれば、
  大出力ガスタービンですら、米GE社のガスタービンでは51.4%の効率
  で、出力16.7万キロワットを発電する、と平成29年の新聞報道[*1]に
  ありました。つまり、タービンやコンプレッサの機械的損失を含め
  た100 - 51.4 = 48.6%の損失を補填した電力料金を設定することで
  公益電気事業は成立してます。
  一方、今回の高効率ガスタービン発電では、原発、水力発電、
  太陽光発電および風力発電コストは1kW時当り4米セント
  (1米ドル=100円なら4円)で供給可能なので、コスト効率の良い
  電源の電力でコンプレッサを駆動させます。そして、マイクロ・
  ガスタービンでも、その回転エネルギーの全てを電力に変換でき、
  ローコスト発電料金で地域社会の電力インフラを構築できるのは
  明らかでしょう。
  しかも、本ガスタービンは、酸化剤として大気の酸素だけでなく、
  高圧酸素を蓄えるタンクからの純粋酸素も利用できます。故に、
  電力余剰を貯える亜鉛空気電池の空気極から発生する純粋酸素
  を大気に放出せずに高圧タンクに貯蔵し、ガスタービン発電に
  利用して産出エネルギーの活用を図れるでしょう。そのとき、
  内蔵の電動コンプレッサによる高圧空気の供給は停止して、
  消費電力の節約も図れることになります。

2. 石炭コークス由来の合成メタノール燃料

 石油・石炭などの化石燃料による火力発電では、石炭火力の発電
コストが最も低いため、米国では、その発電量の50%を占める、と
言われていましたが、地球温暖化の元凶とされる二酸化炭素=CO2
を大量に排出することから、パリ協定への参加を求められた米トランプ
大統領は、これを拒否。そして石炭火力重視の姿勢を示していたが、
米電気事業者はその発電比率を30%に下げてシェールガス発電に
注力しています。しかし、石炭コークスをガス化し液体燃料に合成
するならば、シェールガスよりも低いCO2発生率で高効率での電力
を発電できます。もちろん、発電コストも原発レベルを期待できます。

そのため、以下の工程を用意します。

  石炭コークス=C、二酸化炭素=CO2として、

   C + CO2 -> 2CO ;1000℃以上の高温環境を用意する
   CO + H2O -> CO2 + H2 ;水蒸気で水素を発生させる
   CO + 2H2 -> CH3OH ;液体メタノールの合成(要触媒)

 通常のメタノール合成では化石燃料で 高温を発生させますが、
 ここでは、CO2排出ゼロの原子力エネルギーを利用した高温
 ヘリウム原子炉が日本原子力研究所(茨城県東海村ー水戸市
 近郊)で開発され、1000℃以上の高温を発生させることに世界
 で初めて成功している。そこで、この高温を利用できれば、と
 考えます。

 高温ヘリウム原子炉開発が米国に先駆けて成功できたのは、
 約1800℃という超高温に耐えるSiC=炭化シリコンという
 セラミックを実用化できたことにあります。
 また、これを繊維化したSiC繊維を日本の宇部興産と
 日本カーボンの2社が開発・製造し、量産体制の段階に
 あります。そして、米GE社などのガスタービン・メーカー
 に供給するため、米本土で生産できる体制を調えるステージ
 にあるとの報道もあります。

 高温ヘリウム原子炉でもSiCセラミックで包まれたウランが
 発する核熱を、循環するヘリウムガスに熱交換できるので、
 この高温エネルギーで石炭コークスから一酸化炭素=COと
 いうガスを発生させます。
 COガスは製鉄工程でも利用され、空気から分離された酸素で
 約1500℃の高温を得て、鉄鉱石から鉄分を抽出しています。

 つまり、COガスは燃料になりますが、二酸化炭素=CO2は燃え
 ません。そこで、石炭コークスの炭素=CとCO2に1000℃以上の
 高温を加えてCOガスに変換するわけです。故に、パリ協定で
 指弾されるCO2ガスもウラン核熱により、燃えるCOガスとして
 エネルギーの再利用が図られます。しかも、COガスは人間に
 有毒のガスですから、その流通に制限が加えられので、メタ
 ノールという液体燃料として利用する道を選びました。
 なぜなら、COという燃料ガスを直接ガスタービン発電する
 には大規模な発電体制が要求されますから、流通の容易な
 液体燃料による小規模発電に最適と判断する次第です。

 あるいは、ガスタービンの代わりに650℃の高温環境を維持
 できるなら、燃料電池発電で75%以上の高効率発電が期待
 できる選択肢もあります。
 日本のIHI(旧石川島播磨重工業)が通産省の資金援助で開発に
 成功したMCFC=Molten Carbonated Fuel Cell(溶融炭酸塩型燃料
 電池)は5万時間の耐久寿命を誇るそうで、その将来性には
 期待大を感じます。

 ともあれ、今回は、ミニ発電所としては、合成メタノール燃料
 によるガスタービン発電を選びたい、と思います。

 なお、以上の開発は石炭コークスをベースに展開しましたが、
 米国市場を対象にした場合、石炭コークスの外にシェールガス
 というメタンガスでも合成メタノールを生成できます。

 つまり、メタンガス=CH4と二酸化炭素=CO2から、

   CH4 + CO2 -> 2CO + 2H2 ;1000℃高温環境が条件

 より、COガスと水素ガスが生成できますので、合成メタノール
 が造れます。したがって、シェールガスをLNGにして日本へ輸入
 するよりは、安価な合成メタノール燃料にした方が経済性の点
 からもベター、と思います。

3. ローコスト発電料金の外部電源

 原発の発電料金はその発電効率が米AEC=原子力委員会のガイド
 ラインにより約33%で、他の化石燃料発電も同様の料金基準での
 設定が認められてます。しかし、原子力の専門家は、1000℃の
 高温He=ヘリウムガスが利用できるとき、Heガスタービン発電を
 運用するならば、50%の高効率発電も設計可能、とその専門誌
 『日本原子力学会誌』[*2]で指摘されます。しかし、高効率50%の
 発電を実現するには、残りの50%は排熱として海水などで冷却
 されるので、海の静態環境や漁業への悪影響を考慮すると、高温
 化学反応への特化が最良の選択肢だ、との声もあるようです。

 したがって、今回は、石炭という固体燃料からメタノールという
 液体燃料に変換する道を提案する次第であります。

 次に、水力発電もCO2排出と無縁の発電方式で火力発電よりかなり
 ローコスト発電で魅力的ではあるものの、山間部に立地するため、
 市街地発電とは、その送電コストを加えるとコストメリットが小さい
 ように思えます。発電の形式としては、ダム発電と河川の流れを
 利用する流路発電が実用化されてますが、このうち、流路発電
 では、河川の自然な流れを利用するため、電力需要の時間帯変動
 と全くマッチできません。それ故、市街地のミニ発電所で利用
 するには電力貯蔵電池との併用が必至と考えます。

 自然エネルギーとしての太陽光発電は、その発電効率が高くても
 24%のレベルにありながら、シリコン半導体の製造コストの高さ
 から発電コストを無視できる宇宙発電や山間部などの無電源地帯
 での利用といった方式が主流を占めてました。ところが、東日本の
 大津波で福島原発が壊滅状態となり、合わせて原発の安全性に危惧
 が生じて、日本を始めとして世界各国の原発は安全性の強化により、
 その経済性にも「?」マークが付いたことで、太陽光発電、風力発電、
 バイオマス発電に脚光を浴びせる事態となりました。
 特に、これらの発電方式で発生する電力を経済産業省の指導で
 電力各社は高い発電料金での買い取りを認めたことで、シリ
 コン太陽電池の大増産が始まります。そして、国家資本主義の
 大陸中国は、コスト無視のシリコン太陽電池を自由主義国家に
 大量の輸出攻勢を駆けたため、米国ではその中国製品に高率
 関税を付与して対抗しているようです。一方、米国は高価な
 シリコン太陽電池に対抗してCd-Te=カドミウム・テルル太陽
 電池を開発し、そのトップメーカーである、First Solar社CEOに
 よれば、「Cd-Tell太陽電池は、最も安い場合で1キロワット時
 当り3セント」、と日本経済新聞記者とのインタビューで述べ
 られます。以下はその記事内容(日本経済新聞 2017/07/01)
 を引用します。

  /// 【米パリ協定離脱後の再生エネ
       太陽光 コストで優位 聞き手:福本祐貴】
     「米国の太陽電池の発電コストはもっとも安い場合
      で1キロワット時あたり3セント。10年前の5分
      の1以下だ。今や石炭などの電源に比べ、環境だ
      けでなく経済性でもずっと優れている」
  ///(同紙朝刊 H29年7月1日付き)

  因みに、同社は2016年12月期の売上高29億5100万ドル、
  同年の出荷量は277万キロワットで世界7位。同社CEO
  はマーク・ウィドマー氏とありました。
  また、単位1キロワットあたり1065.3ドルとありますので、
  1ワットあたり約1ドルでCd-Te太陽電池を取引している
  ように思えます。そして、発電コストが3セントのケース
  は、年間晴天日数が355日のカリフォルニア州を想定して
  いる、のではないでしょうか。

  故に、ソーラーパネルで太陽光発電をプランした事例では、
  電力貯蔵に亜鉛空気電池を採用して余剰電力を貯え、それ
  でも夜間消費電力に不足した分を、合成メタノールによる
  ガスタービン発電でカバーするシステムを構築できる、と
  考えます。タービン発電効率は2/3つまり約70%を期待した
  発電設計ですから、市販メタノール燃料によるガスタービン
  発電を想定しても、十分に採算性のある電力事業となる
  でしょう。

  「風力発電」の発電コストは、日本・米国の両国とも、単位
  発電コストは同一金額になるのが常態と考えます。米DOE=
  エネルギー省によれば、1キロワット時あたり4セントから
  2.5セントを目指して開発している、と聞きます。そうである
  ならば、風速の変動が激しい地域では、できるだけ電力余剰
  分を電力貯蔵用亜鉛空気電池に貯え、無風の時間帯にも電力
  需給に支障のないメタノール・ガスタービン発電システムを
  稼働させる必要があります。風況の予測は人智の及ばない
  領域にありますから。また、日本では台風、米国ではその
  風速が猛烈なハリケーンでも破損しない構造が要求される
  でしょう。

 原子力発電、自然エネルギーをできるだけ利用して、化石燃料
が排出するCO2ガスを最小限に抑えたミニ発電所を米国および日本
各地に用意して電気自動車の大普及に対応することで、ガソリン
から電気へのスムーズな転換が計れる、と思います。

《参照資料》

 [*1] 日本経済新聞 2017/6/7
    「ガスタービン GE製に交換
            東電の富津火力発電」
     ///
      東京電力フュエル&パワーは富津火力発電所
      (千葉県富津市)にゼネラル・エレクトリック製の
      ガスタービン1基の取り換え工事が完了したと
      発表した。1基分の発電効率が47.2%からが51.4%
      に向上し、燃料費を年間8億円程度、二酸化炭素
      (CO2)排出を年間4万トン削減できるとしている。
      出力は16.5万キロワットから16.7万キロワットに
      増強される。
       富津火力は首都圏に電力を供給する主力の
      ガス火力発電所で、ガスタービン13基をGEや
      MHPSの最新型に取り換える。これで3基の工事が
      終了した。残る10基分の工事が終わるのは2019年
      8月となる見通し。
     ///

 [*2]  「技術報告 240. 高温ガス炉による高効率発電 (I)
      高温ヘリウムガスタービンによる発電
        佐野川 好母(日本原子力研究所)」 p.70-74
    『日本原子力学会誌』 Vol.35 No.1 (1993年)
     「技術報告 242. 高温ガス炉による高効率発電 、(II)
      高温ヘリウムガスタービンと蒸気タービンの
        複合サイクルによる発電
        佐野川 好母(日本原子力研究所)」 p.35-42
    『日本原子力学会誌』 Vol.35 No.2 (1993年)

kt5muse in August 6,2017

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