gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

【埋め草ーMuseの場合 2016年12月11日号】《Ni-Zn蓄電池が本命の PHV電気自動車 Part XVII》

2016-12-18 00:55:06 | 日記
【埋め草ーMuseの場合 2016年12月11日号】《Ni-Zn蓄電池が本命の
PHV電気自動車 Part XVII》
米GM電気自動車初の「EV1(ワン)」に100kg重のNiーZn蓄電池なら420km
 の航続距離を3,300ドルの電池コストで商業化?
Posting in December 10, 2016
 Ni-Zn蓄電池 ;ニッケル・亜鉛蓄電池は高エネルギー密度、高出力密度
        保守簡便なるも充電・放電100回程度の短寿命。
        そのため、米国を中心に開発中で、試作品を魚雷の
        推進動力としてテスト中。
 ZEV ;Zero-Emission Vehicle
 PHV ;Plug-in Hybrid Vehicle
 EV ; Electric Vehicle、電気自動車
 PEV ; Plug-in Electric Vehicle
 排気ガスがゼロの電気自動車として開発をスタートさせた自動車
メーカーとしてNo.1の米ゼネラル モーターズ(GM)は1990年1月に
新しい電気自動車(IMPACT、後に「EV1(ワン)」)を開発したと発表します。
その性能が画期的であったため大きな反響を呼んだという。今から約
26年前のことなので、電気自動車を開発する日本の専門家には余り参考
の余地はないかも知れません。しかし、IMPACT開発は当時のGM会長
直属の開発チームが担当したので、
(1) アルミニウムを模擬したグラスファイバー製ボディやアルミニウム
   部品を多用して大幅な車両の軽量化。開発は米アルコア社が担当
(2) 空気抵抗係数の小さい(0.19、一般車の約半分)車体デザインの採用
(3) 転がり摩擦係数の極めて小さい(0.0048、通常の約1/3)タイヤの採用
   開発担当は米グッドイヤータイヤ&ラバーカンパニー
(4) 高回転数、高出力モーターによる加速性の向上。交流誘導式で
   定格57hp=馬力。 2モーター(前輪駆動)使用。
   担当はGM社先端技術スタッフ
(5) 高電圧の採用によるモーターや制御装置の高効率化
(6) 動力源の密閉型鉛蓄電池はGM子会社のデルコ・レミー社が
   開発を担当し、エネルギー密度=34Wh/Kg(2時間放電率)、
   出力密度=230W/Kgの性能を達成し、充電時間は2時間でOK
(7) 熱遮蔽ガラスとヒートポンプ式エアコンを採用して電池負荷
   の低減 エアコン駆動の電動モーターにマグネクェンチ式
   モーター。これはGM社ガソリンエンジンのスターターとして
   量産の高性能磁石を使った同期式モーターの転用か?
(8) 最初から高性能電気自動車を目指した、自由で(ボディー構造、
モーターや電池の配置など)、バランスのとれた設計
などが挙げられる。
 以上のことは、日本政府系シンクタンクとして著名な「総合研究開発
機構(NIRA)」研究叢書の
  『電気自動車の導入とその社会、経済、環境・エネルギー的
   インパクトの研究』(No.910075)
を公立図書館での閲覧で知りました。その研究委託先は
  (財) エネルギー総合工学研究所
ですが、本報告書の付録として
付ー1 ロサンゼルスと東京における自動車に関するアンケート調査
付ー2 GM"インパクト"の技術的分析 国立公害研究所 清水 浩
が掲載されてます。このうち清水 浩氏は、日本の電気自動車開発の
第一人者として著名ですが、現在は、慶應義塾大学教授で、同教授の
著述によって、米GM・インパクトの開発チームは、多大の刺激を受け
た、と清水教授に謝意を表明したそうで、GMの電気自動車の開発に
ついても、かなり具体的な開発状況も伝えられた由。ただし国家公務員
の身分でGM本社を訪れでいるので、守秘義務上、その詳細は公開され
ませんが・・・。
 特に当ブログが注目したのは、GM会長直属の開発チームという位置
付けからか、米国の各種企業が開発に協力している姿で、なかでも、
Hughs Aircraft Companyが本プロジェクトの全体管理補佐として参加して
いるのが印象に残ります。Hughs Aircraft社は、人類初の月面到着を実現
した月ロケットの開発製造メーカーとして世界的に知られた巨大
メーカーであるばかりでなく、ハリウッド女優とのロマンスが流れる
異色の創業者、ハワード・ヒューズ氏の経営。同社の存在は、田中角栄
元首相の犯罪としてのロッキード事件と絡めて記憶される日本人も多い
でしょう。同事件の発端は、Hughs Aircraft社の会計書類が盗難にあった
とき、ロッキード社の書類も同様の災難に遭い、奇妙な書類としてその
存在を公表されたことにあるそうです。一方、Hughs Aircraft社の書類とは
米CIA=中央情報局からの巨大なサルベージ船の建造発注書でした。数年後、
完成したグローブマスター号はハワイ沖に姿を現して、数年前に沈没した
ソ連の原子力潜水艦の引き上げを行っています。そして、引き上げたソ連
潜水艦員の遺体をソ連政府に引き渡したと発表するも、同時に回収した核
兵器についても核魚雷と述べるに留まります。米本土を狙う弾道ミサイル
を回収したのでは、とのウワサを残しながら。
なお、Hughs Aircraft社hは、その筆頭株主が医療施設であることを忌避されて
同社は、米政府の意向でGM Hughsとなり、GMの子会社となって米NASAから
のロケットを受注しています。いうまでもなく、ロケットやミサイルでは大量
の電力需要を賄うため軽量・コンパクトなバッテリーが要求されます。この
ため米GE=ゼネラル・エレクトリック社開発の密閉型NI-Cd蓄電池を搭載するの
が通例ですから、その運用に知悉するHughs Aircraft社がGMの電気自動車開発
補佐の任に当たったからこそ、密閉型鉛蓄電池のアイデアも採用されたのでは。
したがって、加速力に優れた電気自動車に必要な瞬間的な出力密度=230W/kg
という数値を達成した密閉型鉛蓄電池の商品化を実現したケースは、現在でも
同様に成功した同業他社はない、と思います。
 さて、Ni-Zn蓄電池=ニッケル・亜鉛蓄電池を電気自動車の電池動力として開発
している、と当ブログが紹介したGM Research Laboも"Inpact"開発チームに参加して、
   HVAC用モーターデザイン、アルミ製ブレーキドラム、NVH診断
を担当した、と清水 浩氏は、先述のNIRA研究叢書の付録で言及されて
ます。しかし、車名を「EV1」と変更して、商業的にデビューしましたが、
密閉型鉛蓄電池の過熱と1充電距離=航続距離の短さ、の理由で市場の
反応は不評でした。そのため、GM本社は、販売を中止して、2016年末に
も新型電気自動車をシボレーブランドの大衆車として発売する計画と発表
してます。もしも、新型電池としてNi-Zn蓄電池=ニッケル・亜鉛蓄電池が
採用された場合、充電・放電が100回程度の短寿命であっても、総走行距離
が30,000kmの成績を示せることから、同電池は実用的である、と評価できる
のでは・・・。なぜなら、1充電走行距離が320kmの電池を搭載する、
との発表により、32000km=320km X 100と計算できますから。
因みに、日本触媒の開発したニッケル・亜鉛蓄電池は、エネルギー密度を
334Wh/kg、寿命1000回以上、と公表(日経産業新聞 2014/02/17参照)により
EV1搭載の鉛蓄電池(電池重量=400kg)の代わりにニッケル・亜鉛(=Ni-Zn)蓄
電池を搭載するなら同電気自動車の所要消費電力が0.079kWh/kmを示した
場合でも、電池搭載量がわずか100kgで、その1充電航続距離は
   422.8km=0.334 X 100/0.079
と計算でき、さらなる電池重量の削減に成功するのではないでしょうか。
そして、重量削減の見返りに乗員を増加すれば、電気自動車の魅力もアップ
するように思えます(EV1の乗員は2名)。
しかも、ニッケル・亜鉛(=Ni-Zn)蓄電池の製造コストは$100/kWhのとき、
  $3340=33.4kWh X $100
となりますから、電気自動車の製造価格も現行のLiイオン電池搭載の電気
自動車に比べて、相当なコストダウンを実現できるでしょう。
《参照資料》
「総合研究開発機構(NIRA)」研究叢書
  『電気自動車の導入とその社会、経済、環境・エネルギー的
   インパクトの研究』(No.910075)
  発行 (財) エネルギー総合工学研究所
  総発売元 全国官報販売協同組合
  定価 1,500円(本体1,457円)
kt5muse in December 10,2016

コメントを投稿