葉室 麟 著 「銀漢の賦」を読みました。
少年の日を共に同じ道場ですごした家老と郡方役。
地方の小藩の政争を背景に、老境をむかえた二人の武士の運命がふたたび絡みはじめた―。
昨年よんだ直木賞受賞作『蜩ノ記』ですっかり著者のファンになりました。
本作は江戸時代の老中が松平定信であった頃の架空の月ヶ瀬藩が舞台です。
主人公の一人は文武両道で両親の仇をとるために家老まで登り詰めた松浦将監
もう一人は武術に優れているが郷回りのままであまり評判のよくない平侍の日下部源五。
今はほとんど付き合いもなく身分も違ってしまったこの二人だが実はかつては親友同士であった。
老境に差し掛かった二人ではあったが、将監の命を懸けた思いを知った源五が再び手助けをする・・・。
何十年をへても変らぬ男の友情が骨太に描かれています。
友情を示す「天の川」=「銀漢」
二人の友情に胸が熱くなる読み応えのある一冊でした。
第14回松本清張賞受賞作。
この小説の満足度:☆☆☆☆
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