明日がはじまるとき

事業仕分け 議論の向こうに明日がある

大阪・大たこ 時効取得と不法占拠

2012-03-13 | 事業仕分け

  先週、大阪・奈良に出張してきました。いまどき宿泊を伴う出張などめったになく、仕分けで大阪には何度か行っているものの、大阪好きな私としては、ちょっとうれしい出張でした。
  大阪には7日のお昼までに到着すればよかったのですが、せっかくなので、前泊(もちろん自腹です)し、大阪の知人と会うことにしました。

 しかし、常任委員会が長引いたため予定した新幹線に乗れず、大阪についても電車事故でJRが大幅に遅れ、振替輸送(泣)…知らない土地の振替輸送は本当に困りました。駅員さんに何度も聞きながら、新大阪からJR鶴橋駅までの道のり、JRならすぐに行けるのに、近鉄に乗り換えるために構内を歩き回りました。
 JRと近鉄と市営地下鉄は、同じ駅名でも駅と駅の間がかなり離れていたりで、相互乗り入れとは言えないな~。大阪って電車が大変だという印象があります。

 そんなこんなで、ようやく約束の場所にたどり着きました。某大学教授ごひいきのお好み焼き「風月」。歩き回って乾ききった喉を潤し、昼食もとれなかった胃袋を満たしました。
大阪ってお好み焼きが有名ですけど、私はむしろ焼きそばがおいしかったなぁ。とんぺい焼きという、豚肉を卵焼きで巻いたのもおいしかったです。

 粉もん2軒目は、2年くらい前に大阪市の市有地を不法占拠しているとして撤去命令が出たことで話題になった、道頓堀のたこ焼き店「大たこ」、実態把握のため(?)飲んで食べてきました。

 この「大たこ」は、昭和47(1972)年の開店以来、市有地で営業していましたが、市が明け渡しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は20日付で、店側の上告を棄却する決定をしました。土地の明け渡しと過去の土地使用料の支払いを命じた二審判決が確定し、不法占拠と認定しました。が、強制執行直前の11月末、目の前の市道に数メートル移動しただけで営業を再開し、市が期限を決め自主撤去を求めるなど問題化していたんですね。
 その屋台で調理したたこ焼きを、ガレージ内の中に設置した簡単な席でいただきました。
 
 店側は、土地の占有から20年以上が過ぎているため、時効による土地取得が成立すると主張し、所有権移転を求めて2006年に市を提訴。翌年に市が反訴していたそうです。
一審大阪地裁は「店は撤去が容易な屋台で、土地を明確に支配していたとはいえない」として店側の訴えを退けた上で、過去の土地使用料として計約200万円の支払いを命令したそうです。
二審大阪高裁は、対価を支払わずに長年営業を続けたことなどを理由に、使用料に加えて、土地の明け渡しも命じていたのです。

 飲みながら、時効取得の成立を改めて考えてしまいました。
「大たこ」は20年以上占有したのだから『時効取得した』と主張している。
逆に「大阪市」は『不法占拠だ、返せ』と主張している。

 そもそも時効取得について、簡単に言えば、他人のものでも、長年自分のものとして使っていれば、それは本当に自分のものになるというルールですよね。初めてそんなルールがあると知ったときはビックリ!子ども心にも、『気をつけなくちゃ取られちゃうんだ』と思ったものです。

 では、どのくらい使っていれば、自分のものになるのかと言うと、
20年…相手のものと知っていた場合
10年…相手のものとは知らなかった場合
10年か20年かの判断は、「自分のものとして使い始めた時」の状況により、決定するそうで、使っている途中に、実は相手のものと気づいたとしても、相手が気付かずに10年たっちゃえば、本当に自分のものになってしまうんですね~。
もしも、相手のものと知っていても、20年相手が何も言ってこなければ、自分のものになってしまうんです。
さらに、他の要件としては、これは自分の所有物と思って使い続けている事、自然と(ごく当たり前に)堂々と使っている事、だそうです。

 「大たこ」問題では『時効取得』が成立しているのかどうか、が大きく取り上げられていますが、年数だけ言えば成立となるのでしょう。ただ「大たこ」は簡単な屋台営業だったから、その土地を使い続けていると認めてもらえなかったのだそうです。がっちりお店を作ってしまえば、結果も変わったのでしょうか?
でも一方で、市だってこの土地を20年間返せと言っていなかったようで、おまけに「大たこ」を売りにしていたらしく、「大たこ」の存在を認めていると言われても仕方がないということです。

 「大たこ」は特殊なケースかもしれないですが、実は、昔の道路や排水路なんて自治体の土地と民地との境界があいまいだったり、長年使っているケースはかなりあるようです。相手のものでも時間がたてば、法律が自分のものと認めてくれる場合はまあ良いとしても、言いづらいとか相手に遠慮しているうちに時効になったら、大変ですね。

 登記簿でよくよく調べてみたら、ほかの人の土地だった、なんてことがないようにしたいですね。

 


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