草若葉

シニアの俳句日記
 ~日々の俳句あり俳句談義あり、そして
折々の句会も

今日の俳句(十薬)/龍峰

2009-06-19 | Weblog
 十薬の匂いまとわる古やしろ
 十薬の避けて通りし径の端
 赤さびをどくだみの花隠しけり

 木下闇湧水の音聞こえけり
 木下闇潮騒かすか風にのる
 石積の古刹見上ぐや木下闇

 梅雨入りや二の腕組みし昼電車
 検診に添え書き受くや旱梅雨
 夏至の夜や米寿の姉の文相手

どくだみの花は小さい頃はあちこちに咲いてはいたが、都会では少ない。しかし、それでも時々見かける。そこはあれ以来の空き地に多い。匂いがいやで今でも負のイメージの花である。だが、乾燥すれば整腸・利尿・緩下・解毒等に効くと歳時記にはあるが、試してみようとは思わない。
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14 コメント

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好きな句ほか、コメント (かつらたろう(桑本栄太郎))
2009-06-20 14:53:19
☆十薬の匂いまとわる古やしろ
漢方薬として十も効能があり、その為十薬と言われているどくだみは今、真っ白な十字形の花を咲かせています。子供の頃は、田舎では先ず身近にる薬草の雪の下、げんのしょうこ、どくだみ、おおばこ、など親がよく利用させてくれました。どくだみはとに角丈夫な野草で、毎年必ず芽生え、時季になれば白い花を咲かせていますね。わが家の近くの庭に今、びっしりじゅうたんの様に咲いていまして、朝涼の出勤のと時に眺めています。俳句を嗜んでいればこその野草ですね!。
そこで、相聞句を一句献上致します!
☆十薬のやかなの道に親しかり

☆木下闇湧水の音聞こえけり
☆木下闇潮騒かすかに風ににのる
何処の古刹でしょうか?緑に覆われ昼尚暗い海辺のお寺の光景が、ありありと思い浮かべられます。木下闇の中を「湧水」との取り合わせ、「潮騒かすかに風にのる」との措辞が素晴らしく、情景の良く見える大変爽やかな佳句ですね!。

☆夏至の夜や米寿の姉の文相手
お手紙の書き出しは「梅雨入りしたというのに、少しも雨が降らず早くも夏至になりました。気温がぐんぐん上がって来て一雨欲しいところです」などでしょうか?米寿を迎える姉上様とのお手紙のやりとりと言う事を、下後の「文相手」との語句が微笑ましく、勝手に想像がふくらんでしまいました。初夏から仲夏へと時候の変わり目は、何かと肉親とは連絡を取りたくなる心情に大変共感します。
好きな句 (さゆり)
2009-06-20 18:42:32
☆十薬の匂いまとわる古やしろ
 十薬といえば、白い花とあの匂いですよね。古い神社のうす暗い所で、独特の匂いを漂わせ、でもたくましくしっかりと咲いている十薬を上手く詠まれていると思います。

☆木下闇湧水の音聞こえけり
 木下闇というとうす暗くじめじめしたイメージが浮かびます。中に「湧水の音」と持ってきたことで、季語が生きて、平明だけれど良き句と思います。

☆梅雨入りや二の腕組みし昼電車
 二の腕を組んでいるのは、龍峰さんですよね。梅雨に入ったものの、雨が降らなくて、蒸し暑いばかりで、冷房の効いている昼の電車でベートーベンのような顔をして乗っている龍峰さんを思います。ベートーベンに似てらっしゃると言われているそうですね。

お礼 (龍峰)
2009-06-20 23:33:15
かつらたろう 様

4句も取りあげて頂き、且つ大変お詳しいコメントを頂き有り難う御座いました。
十薬の花は日の当たらないところで白く咲く故に何とも親しみを感じられないのでしょうか。案外薬になるのはそのような植物かも知れません。薬草に大変お詳しいご紹介と相聞句まで頂き有り難う御座いました。
木下闇の句は以前訪ねた湖東三山の百済寺等を思い出し詠みました。米寿の姉とは3年ほど前から文通をやっています。お互い日常の出来事や俳句を送っています。年齢を考えると姉ながら元気なものだと感心しております。
どうも有り難う御座いました。
お礼 (龍峰)
2009-06-20 23:41:07
さゆり 様

3句も取りあげて頂き有り難う御座いました。
十薬はどうしても余り好きにはなれない花です。句はどうしても陰になります。木下闇はかって訪ねた所を思い出し詠んでみました。
梅雨入りの句の二の腕組んでいたのは小生ですが、隣に二の腕を出している元気なご婦人いたので、つい詠んでしまいました。べートベンはご愛嬌です。
”十薬”と”米寿”のお姉さま (フェニックス)
2009-06-21 09:07:41
龍峰さま

今回の龍峰様のお句では、人が主人公の句が面白いと思いました。

☆梅雨入りや二の腕組みし昼電車
 色々想像できて面白いですね。昼電車ですから、通勤電車ではないし....。さて、「二の腕組みし人」はどんな人かなと想像します。俳句では明示されていない場合、主語は一人称のようですから、作者自身になりますが、二の腕を組んでいる男性と女性では感じが違いますね。龍峰様の解説によれば、二の腕を出している元気なご婦人に触発されて(?)詠まれたとあり、勝手な想像ですが、眉間に皺を寄せたベートーベンの顔も思い出されて一層面白いと思いました。

☆夏至の夜や米寿の姉の文相手
 このお句が一番微笑ましく、かつ楽しいと思いました。作者の解説を聞かなければ、この最後の文相手はお身内の方ではなく、恋人かも?と思ったりします。この謎めいた結びが粋ですね。それにしても、米寿でまだお便りを書けるお姉さまは頭がしっかりされているのですね。羨ましいです。私事になりますが、母は米寿のお祝いを貰ったころから認知症が徐々に始まり、文も書けなくなり、現在に至っています。この11月で90歳になります。
ところで、今日21日が夏至の日で何と父の日でもあるのですね。不思議な一致です。

☆十薬の匂いまとわる古やしろ
 最後にドクダミについてですが、この植物は私の地方ではどこにでも見かけられるものです。独特な匂いは薬用効果のある証拠です。我が箱庭の隅にも白い十字花(これは実は苞ですが)を見せています。お隣のご婦人などは庭に生えたものを乾燥させて煎じてお茶として飲んでいるとのことです。最近、エコだとエコだと言っていますが、何も特別のことをしないでも自然を生かした生活をすればそれがエコライフだというのが私の持論です。

以上、思いつくままに書き込ませていただきました。5・7・5の俳句とそのコメントから色々なことを学ばせて頂き、大変感謝致します。





好きな句 (四捨五入)
2009-06-21 15:44:53
 十薬の匂いまとわる古やしろ
周りをびっしりとどくだみが取り囲み、軒の傾いたような、誰もお参りに来ないような神社を彷彿とさせます。雰囲気のある句と思います。
お礼 (龍峰)
2009-06-21 22:15:28
フェニックス様

3句も取りあげて頂き、それぞれに楽しいご講評を頂き有り難う御座いました。たまたま昼の電車で二の腕を出している元気な人に感心した次第です。姉は年老いたが、特に病気もせず、多少文章は拙いものの世情にもほぼ付いてきており、これまた感心します。典型的な農村で夫婦で米を作りに専念して年老いた次第です。こつこつ体を使う労働が元気で長生きする秘訣かと思います。
仰せの通り、環境問題やエコの根本はまず個々が祖先のやってきた自然との共生を今一度復習することからかと思います。そして、良きは極力取り入れ、なるべく自立した、他人に頼りすぎない生活を営むことことかと思います。そうすれば十薬等はもっと珍重される花となるのでしょうか。
お礼 (龍峰)
2009-06-21 22:21:22
四捨五入 様

十薬の匂いの句を取りあげて頂き有り難う御座いました。
今年の春に一日長岡京の辺りを遊んだ時に、古い歴史のある社で、余り人気の少ない社を訪ねたことを思い出し詠んだものです。それにしても十薬は賑わいの逆のイメージですね。
気になる一句(十薬) (光芒子)
2009-06-22 05:14:58
☆十薬の匂いまとわる古やしろ

 古やしろと十薬はピッタリの感じです。
子供の頃、工場(父は田舎で製粉業を営んでいました)の小さな裏山(どうやら古墳であったそうです)が我ら兄弟の遊び場でしたが、この頂上の大きな椎の木の下に小さな社がありこの周りはドクダミがぎっしりでした。なんだかこわい山婆が棲みついていそうで、この匂いも怖く近づくには随分の勇気が要りました。
そんな子供の頃を思い出させてくれた句ですが今でもどくだみをみかけると「避けて通りし径の端」です。

どくだみの花 (やまもも)
2009-06-22 16:51:20
赤さびをどくだみの花隠しけり
「赤さび」という言葉に引かれました。赤さびから、勝手に毒のようなものを想像しました。昔から大切にされてきた薬草ですが、あの独特の匂いが嫌われるのでしよう。でも草取りをしていて草いきれにまみれているとき、あのどくだみの匂いは、なぜか安らかなものに感じられます。「赤さび」を隠すどくだみの花が、とても新鮮だと思いました。

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