![]() | 絶望の国の幸福な若者たち |
| 古市憲寿 | |
| 講談社 |
¥1,800+税 講談社 2011/9/5発行
ISBN978-4-06-217065-9
まずタイトルに惹かれた。
絶望の国、日本。
希望のない国、未来を描けない国。
だけどそれなりに幸せになれちゃう国でもある。
小市民的に、小さな幸せを抱きしめて。
26歳の古市が、この社会をどう論じるのか。
読んでみれば、いかにも26歳らしい若い文章で、読みやすかった。
ていうか、下手な小説家よりも文章うまいかもね。
内容的にも、概ね共感できる。
もう一歩、環境問題の側面にも踏み入ってくれると私の好みなんだけど、まあ、それは個人的趣味の問題です。社会学としてはこんなもんかな。
> 成人の日は、新聞の社説が面白い。各新聞が勝手に様々な若者像を設定し、その「若者」に向けて思い思いの事を説くからだ。大人たちの描く「若者語り」がいかに自由奔放で気ままなものかは前章で見てきた通りだが、僕も一応成人側の人間なので、目くじらを立てないで毎年生温かく新聞の社説を拝読することにしている。(70頁)
「生温かく」(笑)。
これ、この先も時々出てくるフレーズ。好きだな、このスタンス(爆)。
> 戦後、多くの村は農産物や電力の供給源として引き続き経済戦争を戦う日本の「銃後」の役割を果たし続けた。その顕著な例が原子力発電所である。
> (開沼博『「福島」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』青土社 2011年)
> (135頁・脚注)
脚注まで気を抜けないぞ。興味深い記述がある。
第二章に、若者の「嫌消費」傾向についての検証が。
嫌消費といっても、自動車・家電・海外旅行離れってだけのことみたい。
そしておじさんたちは、自動車を買わないことをことさら重大視するんだよね。
自動車産業が日本を背負って立ってる、って思うんだろうな。
けど、ひとつの産業に依存するのって危険だよね。っていうか、いまがその危険な状態なワケだけど。
だいたい、クルマがなければ日常生活が営めない地方では、離れようもなく今でもクルマに乗ってるわけで、自動車離れが叫ばれてるのはつまり、なくても問題のなかった都市部のハナシ。なくても済むものを買わなくなるのは、環境の面からいったらけっこうなことですよ。……という、環境面からの言説は本書にはありませんけど。個人的にはこれ、重要。










