防衛省が米国から導入を進めていた無人偵察機グローバルホークについて、当初の予算を大幅に超えたとして、取得の断念を検討していることが8月21日、政府関係者への取材で分かった。
3機で約510億円の見積もりだったが、6月に米側が示した費用は約23%増の約630億円にまで跳ね上がった。
来年度予算の概算要求に向け、今月末に最終判断する見通し。
防衛装備庁の訓令では、高額装備品が当初予算の15%を超えた場合に計画の見直し、25%を超えた際には中止を検討すると義務付けている。
政府関係者によると、米国向けのグローバルホークやレーダーの主要部品の製造が終わったため、代替品を開発する経費などが上乗せされ、当初予算を大幅に超過した。
維持管理にかかる部品についても一部生産が終了しており、今後、維持管理費も膨らむリスクがあるという。
グローバルホークは地上からの遠隔操作で飛行し、民間機よりも高い高度1万5千メートル以上から画像や電子情報を収集する能力がある。
攻撃能力は持っていない。
北朝鮮の軍事施設監視などに期待されたが、防衛省は、既存の光学衛星や新たに運用するレーダー衛星などで一定程度の代替は可能と判断している。