下水道用マンホールのふたのうち、国の定める標準耐用年数を過ぎて老朽化の恐れがあるものが、全体の2割に当たる約300万個に上るとみられることが1月7日、業界団体の推計で分かった。
劣化の進み具合はまちまちだが、使用を続ければ表面がすり減ってスリップ事故が起きるなどの危険もあるという。
業界団体は下水道用マンホールふたの主要メーカーでつくる「日本グラウンドマンホール工業会」。
全国に設置されている下ボ道用ふたは約1500万個とみられ、市町村が管理。
国土交通省は「老朽化したふたの規模は不明」とした上で「危険性のあるふたが一定数あるかもしれず、各自治体は計画的に交換してほしい」と呼び掛けている。
ふたの標準耐用年数は車道部で15年、歩道部30年が交換の一つの目安とされる。
下水道は高度成長期に集中的に整備された経緯があり、同工業会が交換ペースなどから推計したところ、現時点で設置から30年を超えたふたが約300万個残っている計算になるという。
ふたの多くは金属製で、道路のアスファルト部分よりも滑りやすい。
トラックの大型化に伴い、幹線道路に置くふたの強度基準は1995年に25トン対応に引き上げられたが、それ以前のふたは20トン対応が主流。
20トン対応を使い続ければ、強度不足で破損の恐れもある。