政府は12月18日、韓国の文在寅大統領が日中韓3ヵ国首脳会談より前に来日する案に応じるかどうかの検討に入った。
年内開催が危ぶまれている日中韓首脳会談と切り離した文氏の早期来日受け入れは「文氏が慰安婦問題に関する日韓合意を守ることが事実上の条件になる」との受け止めが支配的だ。
12月19日に東京で開かれた河野太郎外相と韓国の塵只和外相の会談内容を見極める。
河野氏は会談で、2015年12月に当時の朴橿恵政権と交わした日韓合意を「未来志向の日韓関係の欠くべからざる基盤」と位置付ける立場を明確に伝える方針。
文政権側が合意を軽視する姿勢を示し続ければ、文氏来日を拒む公算は大きい。
会談では、日韓合意の交渉過程に関する韓国の検証作業の在り方が焦点になる。
河野氏は、康氏から作業の途中経過の説明を受ける方向だ。
韓国が合意の正当性を否定する趣旨を検証結果に明記すれば、日本側の反発は確実だ。
合意の無効化と再交渉を掲げて大統領に当選した文氏の出方に関し、日本政府内では「合意の精神に立ち戻るとは思えない」との見方が根強い。
菅官房長官は12月18日の記者会見で、韓国から正式な来日受け入れ要請が来た場合の対応を聞かれると「仮定の質問に答えるのは控えたい」と述べるにとどめた。
文氏の早期来日については、韓国大統領府が12月17日に検討する意向を表明した。
文氏は来日した際、来年2月の平昌冬季五輪に合わせた訪韓を首相に求め、同意を取り付ける筋書きを描いているとされる。
日本が議長国を務める日中韓首脳会談は中国側の都合で来年1月以降にずれ込む可能性が高い。