録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

このブログは

このブログは、PCでテレビ番組を快適に録画し、自由な形で好きなように活用するための実験結果報告をメインとしたものです。ですが、その自由を奪い、不自由を売りつけて無制限の利権を得ようとするものたちが、現在のテレビ界では勢力争いをしています。そういう連中とは断固戦い続けます。それが、ここのテーマです。
2011年7月24日まで続けることを目標にしていましたが、2011年いっぱいまで延期いたします。 ・・・の、予定でしたが、衛星放送の行く末が気になりますので、それまでは続けます。ああ、意志薄弱。



特殊なコンテンツ
・SpursEngine H.264エンコーダ 実験プログラムサポート&他ソフト紹介ページ
Lalfさんが作られている、SpursEngineで使えるエンコードソフトのリンク先の紹介などをしています。CUI版とAviUtlのプラグインの二種類があります。 また、それ以外に同じくLalfさんの作られたCodecSys Personal向け参照AVI、ravi2や、BOさんの開発されたLinux用HD PVRコントロールソフトのリンクもおいています。

※10/07/01 se_h264enc_auo ver 0.09、se_mpeg2enc_auo ver 0.05、Seche Technical Preview2 リリース

・スカパー!e2 各チャンネル解像度・ビットレート一覧表
独自の調査による、スカパー!e2とBSデジタル放送の解像度とビットレートの一覧表です。多少の間違いはご了承ください。

・意外とある、デジタル放送録画可能キャプチャーボード・ユニット
外部入力を用いて、デジタル放送のチューナーやレコーダーから出力される番組を、自由に扱える形式で録画可能なPC用のキャプチャーボードおよび外部ユニットの情報を集めたものです。

スターチャンネルに入りました

2014-03-31 23:09:06 | 特撮・モンスター映画
スターチャンネルに加入しました。実は初めての加入です。
基本的に放送の全部が映画であり、WOWOWに次ぐ古参のBS参加チャンネルの同チャンネルですが、今まで入らなかったのはソフトの提供元が同じなのか、洋画の場合新旧問わず放送演目がWOWOWとダブるものが多すぎという理由からです。それならついでがあり、かつ洋画以外の放送もあるWOWOWの方がわたしとしては得だったためです。それに解像度もWOWOWの方が一枚上(WOWOWは1920x1080、スターチャンネルは1440x1080)ということもありますしね。
にも関わらず、今回加入したのは言わずと知れた一年かけて短編・長編が公開される映画「THE NEXT GENERATION パトレイバー」のためです。ファミリー劇場と連携した特集もありますが、来年4月公開予定の長編の前に随時上映される短編七編、これがスターチャンネルでもやや遅れながらではありますが、BD/DVDソフトが発売される前に放送されるようなのです。短編で連続ものであっても映画は映画、個人的には「日本初の本格実写ロボット映画」になるであろうと期待しているパトレイバーですので是非劇場で見たいのですが、どうやら全編を見るのは物理的に不可能のようなので、スターチャンネルに頼るしかなさそうだからです。「THE NEXT GENERATION パトレイバー」は長編こそ全国同時上映を予定していますが、短編を上映するのは半分が関東で、残り半分は大都市圏の一部のみ、という方針をとってしまっているんです。劇場の確保の予算がないとかいろいろあるんでしょうけど、こういう地方人排除みたいなことはやってほしくなかったなぁと、テレビの深夜放送じゃあるまいし。どうしても劇場で見たければ上映中に公開する劇場のある最寄りの大都市か一部の関東県まで出ていくしかありませんが、休日の少ない自営業という職業である以上七編全部にそれをやるのは無理です。ならばスターチャンネルに頼るのもやむなしです。

それにしてもなんで洋画専門チャンネルのイメージの強いスターチャンネルで邦画のパトレイバーやるんでしょうね? 配給元が松竹ですから、同社が母体であるスカパーのチャンネルと言えば衛星劇場ですから、あっちてやってもよさそうなものですが。・・・まぁ大きな声では言いたくありませんが、衛星劇場にパトレイバーのファン層と思われる方々を近づけたくなかったのかも・・・。あとは特撮系で松竹ものを多くやっているファミリー劇場とか。実際パトレイバー特集はこちらでも併走してやるわけですし、短編放送もこっちの方が自然でしょう。一年間の短編上映自体スターチャンネル側の広報の一環とかそういう面もあるんでしょうかね? 推測でしかありませんが。

視聴するのはほぼパトレイバーとWOWOWで放送予定のなさそうな一部映画に限られ、かつパト短編映画以外は特集日に無料で一挙放送する予定。4月から増税で出費がその分増えますし、短編映画放送の時期だけ半月入るいわゆる半額技でケチった方がいいかなぁと一作日入ってちょっとだけ後悔しましたが、まぁいいか。この期待が一年間続く作品になることを強く願います。
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AMD、HSAでHEVC対応を6月に発表か?

2014-03-28 23:11:29 | 次世代ビデオへの懸念
最近のWOWOWのウルトラシリーズHDリマスター版、第一期と比べると画質改善が手抜きじゃないか? と思うほど残ったアナログノイズがひどくて、おかげで圧縮率も悪くなって細部が潰れてボロボロ。まるで電波の状態がイマイチな古いテレビを見ているような気分で、これをHDリマスターと呼ぶのは正直インチキくさいと思うくらい。まぁちゃんとした画質修正したやつが欲しければそのうち発売されるBD BOXでも買ってくれということなんでしょうが、今見る分ももう少し見やすくしたい、とは思うわけで。PCで再生する場合、この画質改善に威力を発揮するのがAPU、と言いますか内蔵のGPU、RADEON。ノイズ除去を有効にすれば、細部の潰れはどうにもならずともチリチリのアナログノイズに関してはかなり抑えられ、そこそこ見やすくなります。GeForceやIntelHDGraphicでは同様の機能がないのでこうはいきません。

と、やはりRADEONの動画再生が一番信頼できることを再確認したわたしですが、MPEG2やH.264/AVCのような現行フォーマットはこの機能で十分でも、今後メインになると思われるH.265/HEVCにはRADEONはもちろんGeForceも現状では対応していません。まぁ2K画質のデコードだけならCPUでもなんとかなるんですが、4K映像を扱うことも考えると少々心もとなく。さらにエンコードもしたいとなると、CPUだけでなくGPUも演算処理用として活用するHSA対応のAPUにどうしても期待してしまいたくなるものです。わたしはそういう環境を期待してAPUを使っています。
ただ、今までは多少触れられる程度であり、それが"現行"APUで対応、という話があったわけでもありませんでした。が

「MantleはDX12までのつなぎではない」「PS4やXbox Oneにも提供可能」。AMD,Mantle関連の新事実を明らかに

こちらの記事で語られた記者会見で「数か月以内に,HSAベースでOpenCLを使ったH.265/HEVC向けのソリューションを公開する。COMPUTEX TAIPEI 2014に向けて,ある計画を準備中だ」とついにある程度具体的に述べられました。エンコードもデコードもHSAベースのOPEN CLでなにかする計画があることを明らかにしたわけです。
デコードというのは今までGPU内の動画再生専用に組まれた専用ハードウェアエンジンで対応しており、GPUが変更になったときに追加された新機能には旧GPUでは対応できないというのが常識でした。APUの場合でもUVDは同一でもTrinityやRichland(この二つは同等)に追加された新機能にはLlanoでは対応できませんでしたし、Kaveriでは動画再生エンジンのUVDが新しいものになった関係もあってまた新しい機能が追加されていますが、同じドライバを使ってもRichlandではその機能が有効になりません。その例にならえばHEVCはKaveriでは対応していないので、次世代がそのまた次世代あたりでGPUが進化して対応・・・なるのが当たり前です。が、それをOPEN CLを使ったGPU向けソフトウェアエンジンで対応させようというのですから、画期的です。もっともCPUのソフトコーデックではソフトだけで新しい再生エンジンが利用できるのは当たり前でしたから、GPUでもOPEN CLならできて当たり前ですけどね。ただ、珍しいと思うわけです。リンク先の記事では「将来的には,H.265/HEVC用の専用ハードウェアが組み込まれるだろう」とありますが、世代の古いGPUを搭載していてもある程度ついていける可能性があるのは大変好ましいです。デコードと言ってもCPUだけで処理するよりはずっと軽くできるようになるはずですしね。

ちょっと気になるのが「HSAベースのOPEN CL」と言っている点。HSAベースのOPEN CLが使えるのは現状Kaveriだけですよね? あまり詳しいことは知らないのですが、メモリ内のデータをコピーすることなく共通して使える"hUMA"とタスク上CPUとGPUを同列に扱う"hQ"の二つはHSAとして不可欠な機能のはずです。GPUを内蔵しいてもhUMAやhQには対応していない旧型APUやIntelCPU、それにGPUのないAMDのFXやIntelのハイクラス向けでは、同等以上のGPUを持ったグラボを外付けしてもHSA準拠にはなりませんから対応しきれないことになってしまいます。AMDの一般用途向けは今後HSA対応APU一本になるはずですからそれは良くても、Intel環境でもある程度使えるようになっておかないと、いくら優れた環境を構築しても普及しない、採用してくれるソフトが少なくて結局使ってもらえないことになってしまいかねません。まぁある程度は外付けGPUでも対応できると思いますが、hUMAだけはどうしようもないですからね。グラボのメモリで代用しようにもPCI-Expressのバスの速度がネックになって性能が出ません。現在のGPUが処理能力が高いのも、大容量のメモリをグラボに搭載しているのも、ゲームのCPUマルチタスク化が進まないのも、結局はボトルネックになりやすいバスをなるべく経由したくないというハード上の事情から来ていると思われますし。

PCI-Expressがグラボのバスとして採用されてずいぶんたちます。Genこそ上がってきていますが、ゲームはともかくプログラム実行用としても利用することを考えると不足が出てきたように思います。そろそろかつてのAGPのような専用バスが必要になる時代が近づいてきたのかも知れません。まぁ今回のHEVCのエンジンには絶対間に合いませんから、せめてKaveriユーザーの特権として使える日が来るのを楽しみに待ちましょう。
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知人にニューPCが届きました

2014-03-28 00:08:47 | 意味なしレビュー
先日、即納モデルがなくて少々オーバースペックながらも一番早く入荷できるというPCを注文した知人T氏のことを書きましたが、そのPCがようやくとどいたそうなので、セットアップの手伝いに行ってきました・・・と言ってもわたしがほとんど全部やるんですけどね。休日を一日費やすはめになりましたが、まぁそれはいいでしょう。

CPUはCore i5の4570K、GPUは内蔵のHD4600、メモリ8GBとエンコード活用にも耐えられるミドルハイなスペックですが、使ってみるとやはりHDDが全体の足を引っ張る感じで起動後満足に使えるようになるまで非常に時間がかかる気がします。サブのノートPCはもっと低いスペックでHDDなのにそういう気が全く起こらないので不思議ですが。これはデスクトップ機というものに期待する感覚の記憶とのズレなんでしょうね。ノートの場合、最初からすべてがスムーズというものを無意識のうちに期待しなくなるので、少々遅くても気にならないのかも知れません。

接続にセットアップ、インターネットやメールの設定にOSのアップグレード、もちろん各種ソフトのインストール。時間はかかりましたがすべて滞りなく終わりました。

k「終わりましたよ~。メールも全部移しましたし、これで元の環境は全部使えます」
T「ありがとうございます。kさんはこういうことを全部独学で覚えたんでしょうか?」
k「独学と言うより慣れですよ慣れ。何回もやっていれば最初に何をすべきか覚えちゃいますし。代わりにわたし、Tさんみたいに絵書けませんから(T氏は元プロの漫画家さん)」
T「絵・・・そうですよね、わたし、やっぱりCGで絵書いてみたいんですよ。今まではスペックの問題もあったしなんとなくやらなかったんですが、今回のなら十分できると思いますし」
k「まぁそうですね、本格的にやるのならグラボを挿して3Dやフィルタ処理にも対応させたほうがいいかもしれませんが、線は紙で書いてスキャナで取り込んで、色塗りがメインならそこまでしなくても結構できると思いますよ。ただ、ディスプレイはもっと高解像度で高画質なものに買い替えた方がいいと思います」
T「なるほど・・・。ネットとか見ると、本格的に絵を書く人が使っているツールって、たいていフォトショップとイラストレーターですよねぇ」
k「まぁそうですね、必ずしもそれでなければいけないというわけでもないと思うんですけど、一番上はその二つだと思います」
T「その使い方、知ってます?」
k「え・・・・・・・・・」

このあと、PCを使ったイラスト描きが本格的な分野に及んできましたのでとても説明しきれず、逃げてきました(笑)。だって相手はプロですよ。アドビのあんな高いソフトなんて触れたこともないわたしにプロが要求するレベルの十分な説明ができるわけないじゃないですか。ヘタに人の知らない分野で知識持っているとなんでも知ってる万能に見えるんでしょうかねぇ。これ以上本格的質問が来ませんように、ナムナム。
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テレビにニュースは必要ないと思ったが

2014-03-25 23:12:50 | 次世代ビデオへの懸念
先日、まねきTV潰し成功一周年記念の日に発表された、NexTV-F規定による制限項目最優先リモート視聴対応の第一段がソニーのレコーダーとなった模様です。

ソニーBDレコーダが外出先からの“リモート視聴”対応
BDZ-ET2100などでデジタル放送を「外からどこでも視聴」


てれび、それも「次世代テレビで」という話だったので意外でした。レコーダーで録画番組も視聴できるという点では評価します。が、それだけにこの展開が今後続くかどうか。なによりこういうのは規制さえなければパソコンでやってしまえば楽で簡単にできるんですよね、商売のためにできないようにしてしまっただけで。


同じAVWATCHで気になる話。日本のHuluを買収した日本テレビの担当者のインタビューが掲載されています。

日本テレビに聞く「これからのHulu、TV局のネット施策」
Hulu単独買収の理由と、ネットで求められるコンテンツ


まずはあちらを読んでいただくとしまして。実のところ、わたしとしましては「テレビのコンテンツをネットに出せ」という意見に応える気がないのなら、「ネットと放送の融合」なんて別にやらなくてもいいと思ってます。放送番組をそのままネットには載せない、やっても後追いのきびしい制限付きや単品有料、でも「ネットと放送の融合」という言葉はテーマにして展開したいというのは単に放送局の我がままにすぎません。こっちの我がままは聞かないけど自分の我がままは通すというのなら、どうぞ勝手にやってくださいという感じです。なので日本テレビが買収した時点でHuluへの関心は大きく薄らいでいるんです、わたしは。なぜなら地上波放送キー局が自局向け地上波テレビ放送番組制作以外のことを行うとき、必ずその絶対条件として「地上波キー局を頂点としたピラミッド構造に組み込むこと、それ以外の放送や地方局はキー局の邪魔になるような存在には絶対にしないこと」という無言の定義が存在しているのは、今まで見てきた経験から確信しています。Huluもその例に漏れることは絶対になく、地上波の引き立て役や補佐に甘んじらされるでしょう。だからこそ、わたしはこのインタビューにもあるような「日本テレビがHuluを傘下に置き、SVODで突出した存在になると、他局はコンテンツを提供しないのでは……と感じる人が多い」という心配は全くしていません。むしろ安心して提供するようになるでしょう。今までのような配信業者なら、配信時期の限定の細かい条件や画質の調整などを要求しても、おそらくは渋られたでしょう、条件の具体的な定義などできませんし。その点それが日本テレビなら、テレビ局同士の、同じ業界内ならではの阿吽の呼吸が存在するでしょうから、どんな細かい指定にも快く応じてくれるでしょう。いつでも簡単に調整ができる、ピラミッド構造の頂点にとってコントロールができることが保証されているほど安心できることはありません。これはもちろん利用者にとっては使い勝手の低下につながりますが、その反面アクティブになりやすい利点もあります。「いつでも見られる」は結局いつまでたっても見ないものですが、期間限定となると「見なければ」という意識が強くなり、コンテンツをキチンとみるようになるでしょう。その結果能動的ユーザーの強化につながり、評判も良くなる可能性が出てくるわけです。必ずしも使い勝手が良いから良いサービスだ、と人は思ってくれないものと思うのです。

ですが、今回のわたしはこのインタビューを紹介しようとだけ思って書いているわけではありません。この発言が気になったのです。
「ニュースというのはTVODでは絶対に売れないんです。朝7時のニュースを9時に有料で見る必要はまったくないわけですから」
どうかと思いました。確かに朝7時のニュースを9時に有料で見る必要は感じません。それくらいなら無料で公開されているインターネットのニュースサイトを見ますからね。そういう意識が強くなればなるほど、最初からテレビではなくインターネットのニュースの方を優先するようになる。結局もうテレビ、特に地上波テレビはただニュースを流すだけの番組はもう存在価値がないのではないかと思うわけです。でも、ニュースの検証を行う報道番組は別なんですよね。後でも見たい、と思ってもおかしくないんです。速報性はもうテレビに求めていませんが、その取材能力とデータ量、それに分析力のある人間をコメンテーターとして呼んで、視聴者の思考の参考になる資料を提供することに関してはキーテレビ局はなお大きな力を持っているんですから。これらがいつでも見られる、という形になるのなら、事件によってはそれこそ何年たってもお金を払ってでも見たい、とすら思います。すでに事件が経過してずいぶん経っている、記憶も薄れた、あるいは後で出てきたさまざまな情報を、当時の空気とともに再認証することができるのですから。これはきっと面白いですよ。ちょっと前の雑誌はつまらなくても、5年10年と経った古い情報しか載っていない雑誌が読み返してみると異常に面白いようなものです。

テレビ局以外は結局娯楽のためのコンテンツしか提供できません。教養のためのコンテンツを配信できるのは地上波キー局だけです。そういう「テレビ局ならでは」の配信サービスを行ってくれるのなら、本当に面白くなるでしょうし大歓迎です。ですが、それは時と場合によっては局の恥をネットに流すことになるので非常に難しい~だからおそらくはやらない~んでしょうね。
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わたしの怪獣大戦争と、復活したテロップ

2014-03-24 00:20:24 | 特撮・モンスター映画
ゴジラシリーズ第6作目、怪獣大戦争。従来までの怪獣ものに宇宙侵略の要素を、加え、宇宙人が怪獣を操って地球を攻撃するという概念を初めて確立させた、のちのテレビヒーローものの原点となる一作であり、わたしの原点でもある。あの日あの時この映画を見ていなければ、映画に転ぶこともなければ映像集めに全力を尽くすこともきっとなかったに違いない。それほどの衝撃を受けた。忘れもしない1991年、「ゴジラVSキングギドラ公開記念」と銘打って実施されたキングギドラ映画特集。わたしは何の気なしに、気が向いたという理由だけでその映画館に足を運んだ。題名とゴジラをキングギドラはもちろん知ってはいたものの、見たことのない映画ばかりだったからである。とはいえ、当時はそれほど怪獣ものや、そもそも映画にも強い興味があったわけでもなかったのだが。
そして、あまりの素晴らしさ、面白さにその後の人生をすっかり曲げられてしまった。順次公開された4本すべてを見たが、その中でもこの「怪獣大戦争」の面白さがダントツであった。俳優の豪華さや作品のスケールなど、理屈で語ればおそらく「三大怪獣 地球最大の決戦」の方が一枚も二枚も上の作りになっているだろう。だが、面白さは理屈じゃない。中でもクライマックスに流れる曲の衝撃に全身を支配されてしまったのである。
通称"怪獣大戦争マーチ"と呼ばれるこの曲。「ゴジラ」第一作の船の曲や「宇宙大戦争」のマーチをベースにこの映画用に再構成したもので、冒頭のタイトルやスタッフ紹介部分とクライマックスの二回しか流れない(テンポは少し違う)にも関わらず、一度耳にしたら離れない支配力で脳を刺激する曲である。伊福部昭氏作曲によるマーチ曲は、特撮映画の中では特に侵略者との攻防戦の中で威力を発揮し、本編特撮と一体となって映像を守り立てる。地球防衛軍、宇宙大戦争、海底軍艦、どれも強烈な印象を起こす名曲である。が、怪獣大戦争マーチは「地球防衛軍側が大逆転で侵略者に猛攻撃を仕掛ける」という中で流れることもあって、それらをさらに凌駕する高揚感を作り出している。こう書くと怒られるかも知れないが、マーチ曲とは軍歌にも使われた一面がある。現在は先の大戦というと日本が負けたというマイナス方面、暗い時代としかとられないが、戦中はもちろん戦前においては"暗"ではなく"陽"でとらえられた、つまり日本軍の行動が日本国民にとって明るいものとして認知されていた面は必ずあったはずである。わたしは軍歌がどういう空気の中で使われたのか想像もできない世代だが、そういう空気も感じたことがある当時のスタッフだったからこそ、明るい戦争、我らの軍が侵略者を撃退するという戦前の世相を映画の中で描けた、から、怪獣大戦争のクライマックスは素晴らしいものになったと思えてならない。もちろん相手は宇宙人であり、内容は荒唐無稽でしかない。だからこそ堂々と表現できたのか、荒唐無稽な内容でもないとあんな勝利はあり得ないよ、という皮肉を込めたのかまでは分からないものの、現代の人間では決してマネし切れない演出であることに間違いはなかろう。いずれにしても怪獣大戦争マーチと映画の映像がお互いを圧倒的に高めあったのは間違いない。だからこそ、伊福部昭氏は本作でしか使用しなかった(ゴジラVSキングギドラの没曲にモチーフは使われた跡はある)にも関わらず、のちに「ゴジラVSビオランテ」や「ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃」の2作において、別格の"ゴジラ第一作のテーマ曲"や、伊福部氏担当のゴジラ映画でたびたび利用された"ゴジラの恐怖"と同格扱いで、ゴジラテーマ曲として特別に使用されたのである。


さて、その怪獣大戦争を含むゴジラ映画全作品が現在日本映画専門チャンネルで放送中である。放送は"毎月5の日"で、その日にまず放送されたものを後日再放送・・・と言う形で当分放送が続く予定。その流れだと「怪獣大戦争」と「三大怪獣 地球最大の決戦」の二本はこの25日に初回放送が行われるはずだったが、なぜか22・23日に先行放送されることになった。非常に楽しみである。なにせ前回2008年にゴジラハイビジョンリマスターとして放送されたとき、わたしはキッチリ「怪獣大戦争」だけ録画に失敗しているからである。録画をし忘れたのではなくちゃんとしているのだが、天候が悪かったのか、この作品だけほんの一瞬映像が止まり、ブロックノイズの塊になってしまう箇所ができてしまっていたのだ。あれから6年、本当に長く待たされてやっと再録画の機会が巡ってきた。なにせ「怪獣大戦争」はBD化もされずにほったらかし扱いになっていたのだから、まさに待ちに待った機会。しかも、今回は「過去のものとは違う、限りなく上映当時に近い」復刻がなされているというではないか。今回のゴジラ特集は前回のものをそのまま使うのではなく、改めてリマスターし直したもの、という触れ込みだったのだが、今まで放送された分は正直それを全く感じていない。「キングコング対ゴジラ」の、一部SD映像のアップコンバート処理で誤魔化していた箇所も、今回も同じ処理であった。カットされた部分のネガも一応発見されているはずなのだが、なんでそっちからなんとかしようとしないのだろうか? それが怪獣大戦争になってようやくはっきりと前回とは違う版が放送されるというから、ますます楽しみであった。

わたしの今まで知っていた中で、「怪獣大戦争」のパターンは3つあった。

1.東宝チャンピオン祭り向け短縮版、「怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ」
1960~70年代ごろの子供向け映画興行企画、東宝チャンピオン祭り用に短縮再編集したもの。タイトル変更は広報のために「ゴジラ」の文字をタイトルに含む必要があったため。上映順が「三大怪獣~」改題「ゴジラ モスラ キングギドラ 地球最大の決戦」より前であったため、作中の「地球が、キングギドラの脅威を、ゴジララドンの協力で回避したことは知っています」のセリフは省かれている。なおカットばかりでなく、全長版にない短縮版だけ追加されたナレーションがある。上映が1970年代に入ってからだったため、冒頭の「一九六X年~」に始まる説明テキストがカットされた代わりとして入った「一九七X年、新発見の惑星に向かって有人ロケットP1号が打ち上げられた」と、最初に島が登場するシーンの「伊豆半島の西海岸にある根暗島、ここにはただ一件、世界教育社の別荘があった」、作中のニュース終わりに入った「そして、東京にある世界教育社も襲撃の被害を受けた」の三箇所。

2.上映会向け「怪獣大戦争」
主に映画館における特別プログラム用として使われるフィルムのバージョン。タイトルが短縮版の「怪獣大戦争 キングギドラ対ゴジラ」に差し替えになり、冒頭の「一九六X年~」の文字部分が省かれているため、てっきり短縮版と思いきやそれ以外にカットされた箇所はなかったので驚いた覚えがある。

3.DVD収録「怪獣大戦争」
わたしは当然3はほぼオリジナルそのままと思っていたのだが、若干違っていた模様。日本映画専門チャンネルゴジラ特集のFacebookによると「五ケ所の幻のテロップが本放送で復活」とある。本来重なるはずの文字がなぜか現在のDVDなどではついておらず、省略されていたそうなのだ。これは絶対見逃せない!!!

・・・視聴後・・・

うん、やっぱり「怪獣大戦争」は面白い。もう何十回みたかわからないが、少し間をあけてみると初回の時と全く同じ面白さが甦って来る。間違いなく名作である。改めて思うが特撮の操演がすごい。"ひっくり返るキングギドラ"とか"フラフラとよろける円盤"などすごすぎて全然すごく見えないくらい。しかし肝心の「復活テロップ」なんだけど、確かに「明神湖」「鷲ヶ沢」の二つは確認できた。これは確かにDVDにもなく見たことない字である。だが、残りの「ニュースで流れるテロップ3カ所」というのが分からない。先に短縮版で追加されたナレーションの少し前に写真で表現されるニュース写真に、新聞か週刊誌の見出しのようなナナメに書き文字が貼り付けられる部分が3か所あり、これのことかと思うのだが、これはDVDにもしっかり入っていて別に幻でもなんでもないのだ。そこで、前回失敗した録画である2008年度放送版「怪獣大戦争」を引っ張り出してきてみた。なんと先のナナメ見出しが入っていない!!ではないか。つまり幻というより前回放送分が変なだけだったのだ。これで「怪獣大戦争」には5つのバージョンが存在することになった。先の3つに加え

4.2008年日本映画専門チャンネル放送版 ニュース写真に重ねられるはずのナナメ見出しが未収録の版
5.2014年放送版、「明神湖」「鷲ヶ沢」のテロップや、、ナナメ見出しが完全収録されている版

以上5つである。さすがに先の上映会版にテロップが収録されていたかどうかまでは覚えていない。

なお、そんなテロップなんかよりもっと従来版と違う大きな変更点があった。冒頭の東宝マークである。東宝スコープと書かれたものでもなければ、よく見る普通のものとも一味違い、丸い東宝マークの中の下部に"TOHO"の字が入り、画面下いっぱいに"TOHO COMPANY,LTD."の字が入っているのだ。まるで海外版である。なんでこれになったのか? 実はこっちの方がオリジナル通りなのかも知れない、もちろんそこまではわたしも知らない。

追記:海外版のフィルムが出自とのことで、そのまま残したのだそうです。
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新規格より改良規格

2014-03-23 00:08:46 | 次世代ビデオへの懸念
またいただいたネタより。

総務省でパブリックコメントを募集した要項のうち、わたしらに関係ありそうな件、「超高精細度テレビジョン放送システムに関する技術的条件について」の結果が掲載されています。

放送システム委員会報告(案)に対する意見募集の結果

あくまで超高精細度テレビジョン、つまり4Kや8K(総務省はまとめてUHDTVと呼んでいるようです。浸透はしていませんが、略称として使います)の放送に関する意見募集に寄せられたもので、基本的に全部掲載されているはずです。リンク先の"別紙"の項目にその意見がpdfで羅列されています。細かいことは直接ダウンロードしてみていただくとして、中をざっと読んでみると、意見、特に個人の意見のほとんどが音声、それもロスレス音源の採用に集中しているのがわかります。
UHDTVの規格においては、ビデオ系雑誌でも語られるのはその解像度や圧縮方式であり、音声の観点から語られることはまずありません。もちろん音声においても現行デジタル放送よりは強化される規格となっています。が、22.2ch化のようなとても個人が導入するものではないような方面での強化が優先されており、むしろUHDTVを縁遠いものに感じさせる一因となっているくらいです。
音声は、録画規制や一部メーカーの官製寡占化以外に、能力として従来のアナログ放送時代より劣るものとなっている規格の最たるものです。一部だけではありましたが、BS放送はデジタルオーディオ(PCMのことですが日本放送協会はその名を使いたがらないため)の番組があり、それはCDと同等かそれ以上の音質を実現していました。ビデオのS-VHSでもその放送を音質の劣化なく録画するためにオーディオだけ先行デジタル化したくらいです。アナログの終焉とともにPCM音声の放送はなくなり、現在はすべての番組が圧縮音源になっています。音質は方式だけで決まるものではありませんが、「劣る規格を採用している」こと自体気に入らない人は少なくないでしょう。そのため、UHDTVが実現するなら今度こそロスレス音源で・・・と言うところなのでしょうが、解像度と違って音質の規格、特にロスレス音源の採用なら現行の放送でも実現は不可能ではないはずです。最悪放送波を利用してテレビやレコーダーのファームウェアをアップデートしてロスレスやPCM規格に対応させることは十分に可能でしょう。でも、やりそうにないからこうしてパブコメという機会を利用して意見を投稿するしかないわけですよね。

実のところ、現行放送の解像度が不満、という人はほとんどいないはずです。あるとしたら先にあげたような音質、あるいは画質で不満があるとしたらビットレートやエンコーダーに性能不足によるモスキートノイズやマッハバンドと言ったデジタルノイズで、まずそこを改善してほしいという人の方が多くないでしょうか? 例えば先日取り上げたHD+SDの分割放送。SD分ビットレートが不足しているにも関わらず1920x1080で放送していたのはおそらく規格の問題。ああいう状態の時は1440x1080に切り替えて放送できるような柔軟な放送体制が保てるようにすれば解像度を減らすことでビットレートの節約ができ、結果そっちの方が画質はよく見えるようになるはずなんです。こうした改善の利用者としての利点は手持ちのシステムを全部買い換える必要がないことにあります。消費税はこれからも増税が続きますし、物価は上げるのが政府の方針ですし、むやみに全部買い換えたくないですよね? 口に出す人は少ないですが、次世代放送とかにかまけるくらいなら現行放送を改良してくれた方がずっとうれしいですよね? それなのに放送の規格の議題は全面買い替えを要求するものばかり進行し、実際の利用者の不満点は放置されているんです。そうでないとメーカーが儲からないからでしょうが、結局テレビ離れを進行させる大きな理由にもなっているわけですが。

テレビ離れを食い止め、テレビを儲かる市場に戻すのは国を挙げての方針となっていますが、その儲かる市場とは緩やかでも使いやすい改良規格が次々と登場し、大きくはなくとも消費者の目をつなぎとめて推移し続ける市場なのでしょうか? それともむやみに買い換えないとついていけない新規格を次々と登場させ、みんな我先にと買い換える大波が怒涛の如く押し寄せる市場なのでしょうか? 後者が要らないとはもちろん言いませんし、本当に我先に飛びつきたくなるものなら大歓迎ですが、現在のデジタル放送が決して不満の少ない優良放送ではないことはテレビにかかわる全員が再認識すべきでしょう。アナログ放送は50年間も改良が続いたんですから。
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典型的XPから買い替えする人の話

2014-03-22 01:07:28 | Weblog
友人Yの知人の元漫画家さんT氏(現在はほぼ引退状態だそうです)のパソコンはいまだOSがWindowsXP。もちろんサポート切れのことは知っており、「そろそろOSを更新したい」と友人Yを通じて相談してきました。なのでどんなPC環境なのか見せてもらおうと家を訪ねてみると、パソコンはショップブランドで、CPUはPentium4の2.8GHz、HDDは200GB、メモリは1GB、GPUはチップセット内蔵でしかもVIA(!)というまさにXP世代のPC。まだ普通に動きますが、電源を入れると大きな音がしますし以前と比べると明らかに遅いことを感じているとのこと。これはOSだけ交換などは検討せず、PCそのものを買い換えてしまった方がいいでしょう。ディスプレイやそれ以外の周辺機器は、まぁまだ使えそうなので本体のみ買い替えにします。ノートより大きなディスプレイが使えるデスクトップ機がよく、今回も大手メーカーでなくショップブランドのようなPCの方が余計なものがなく、安いからいいだろうととりあえず地元にある唯一ショップブランドPCを扱う専門店へ。
前がPentium4でしかなく、かつ今でも絵は描いているのですが処理はすべてアナログでデジタル加工をする予定はないためにそれほどハイパワーなPCは必要なし。ならデュアルコアであればCeleronで十分でしょう。OSはWindows8.1が優先、展示PCで7と8.1のメニュー画面を比較してもらっても「変更されていることに変わりはないから、それなら新しい方がいい」とのことでしたので。店内の貼り紙を見ると「即納」と「○日で納入」の両方が踊っています。残念ながらCeleronモデルの即納はなく、Core i3が一番性能の低いものになってしまいます(AMDは皆無でした、トホホ)。「速い方がいい」とのことでしたので、予算内でおさまるやつを選びます。それではさっそく店員を捕まえましょう

k「はーい、そこの店員のお兄さん、ここの即納モデル、一丁くれませんこと?」
店「すみません、即納どころか完成品の在庫は一台もないんです」

グハッ、まさかの在庫切れ。それも全モデル皆無。ダブル駆け込み需要で売れているのは知っていましたが、まさかこれほどどは。

k「じゃぁ、早く納入できるモデルはどれ?」
店「このゲーム用のハイエンドモデルなら明日にでも・・・」
k「却下じゃ! そんな高性能いらない。もっとシンプルで余計なもの積んでなくて安くて早いのはないの?」
店「次に早いのだと、このCore i5モデルになりますね、納期は一週間以内」

i5、それでもT氏の用途からすればオーバースペックもいいところです。ネット将棋の対戦やFacebook、自前サイトの更新、画像データやお仕事メールの管理などが主な目的なんですから。おまけにちょっと予算オーバー。

k「あれ? このi5なPC、特別モデルってなってるじゃん。Windowsが7でメモリが8GBに増量。こんなにメモリなくてもいいし4GBの通常モデルでいいよ。それなら予算もなんとかなるし」
店「それだと納品が来月頭になってしまいますが」
k「なんで特別モデルだとすぐ取り寄せができて通常モデルは半月もかかるのよ?」
店「そのモデルが今一番出るんで、本部工場でそればかり作ってるからですよ。いまや通常モデルはカスタマイズ扱いで納期が遅くなるんです」
k「うーん・・・Tさん、どうしましょ? 納期は来月でも、今契約してしまえば増税の影響もありませんし、少し待ちます?」
T「いえ、もう買い換えると決めたので早く欲しいです」

結局T氏はそのi5特別モデルを購入することにしました。それにしてもおそるべし駆け込み需要、まるでエコポイント駆け込みのテレビ並みです。ただPCのこの手の需要の面白いところはミドルハイくらいが一番出るところですね、テレビはバリューモデルばかりだったのですが。それにしても、Windows7でi5でメモリ8GB、ちなみにSSDではなくHDD。なんかわたしから見るとチグハグなモデルですが、それの注文が大量ってみなさんこのPCをどういう用途に使うのでしょうね?
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BS日テレでプロ野球延長対応マルチ放送開始 報告追記あり

2014-03-21 23:48:55 | 次世代ビデオへの懸念
いただいた情報。

BS日テレがプロ野球中継でマルチ編成、試合延長時もSDTVで放送継続


もう忘れてしまった方も多いかも知れませんが、地上デジタル放送の当初宣伝されていた機能の中に、「最大3チャンネル同時放送で、プロ野球の試合延長の時も、番組表通りの番組とマルチ放送で両方放送することができます」というのがありました(過去形)。実際にはそういう形で放送した実績があるのは日本放送協会を除けばほぼ皆無、プロ野球の延長など全くやらないどころかそもそもプロ野球の放送自体当初に比べれば大幅に減らされているのでマルチ放送など全くする必要性をテレビの編成局も全く感じていないのでしょう。やらないのは「利用者はマルチよりHD放送を求めている」からだというのが地上波局の主張でしたが、実際には地上波が後生大事にあがめている数値、視聴率が分散してスポンサーがつかなくなるからだと思われます。そうでなくてもスポンサーが付きにくくなっている以上、しょうがないかも知れませんけどね。

その地上波から投げ出されたマルチ放送を、BSのBS日テレが代わって行うことになった模様です。なんで急にやることになったのかというと「今まではできなかった」からだそうです。BSも当初はマルチ放送を想定してませんでしたから(WOWOW除く)それを前提にしたマスター設備を持つ必要がなかった、ということなんでしょう。
逆を言えば、ぼちぼちBS放送の視聴者も、プロ野球ファンの声ばかりが大きく聞こえるわけではないほど広がってきたということです。「BSの放送もちゃんと時間通りに放送してほしい」という声もそれに負けないほど大きくなってきた、それへの返答なのでしょう。地上波キー局のテレビ界における絶対的支配力は「テレビ=地上波」の概念を日本人のほとんどが持ち続けていたことが原動力です。わたしはこの構造はいびつと考えていますので、こうしてBSが「普通のテレビ」に近づきつつあることは大いに歓迎します。もっとBS放送をみんなでみましょう。
スポンサーの問題はどうなっているのかは少し気になりますが、マルチになりそうな番組は最初から視聴者層を絞って放送するものを中心にするとかで対応でしょうか。不特定多数より狙った層への集中アピールの方が効果は高いでしょう。そもそもプロ野球に限らずスポーツ中継は録画せずリアルタイムで見る人が他の番組より割合が多いでしょうから、CMも確実に見てもらえます。視聴率を気にしないスポンサーならなんとか取れると、素人考えでは思うのです。


追記:実際に放送されたマルチ放送のビットレートの報告をコメントでいただきましたのでこちらに転載させていただきます。
(ここから)
【報告書】初のBS日テレマルチ編成のTSデータ解析結果

チャンネル      解像度           音声        備考
141(韓国ドラマ) 1920x1080(12217Kbps)  2ch     マルチ編成でもフルHDだった
142(野球延長)  720x 480(6443Kbps)   5.1ch    マルチ編成でもサラウンド維持

【備考】
解像度の( )はBitrate ViewerのAverage値。なお、MPC-HCは、141ch(映像15.2Mbps)、142ch(映像8571kbps)だった
(ここまで)

どうもありがとうございます。ビットレートはほぼ2:1、SDと考えるとビットレートも十分確保され、かつ音声に関しては通常放送と変わらない形態が保たれたようですね。HD放送の方はこれだけビットレートを落とすのなら解像度を、例えば1440x1080に落としても良かったように思うのですが、設備やソフトの環境など安易に解像度を自由に変えることは難しいのでしょう。そういう部分を柔軟に対処できるようにすれば、デジタル放送ももっと良いものになるのですが。
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Intel、BroadwellでもLGA版を導入

2014-03-20 12:54:55 | Weblog
前回書いたKaveriの動画再生機能で「Kaveriの動画再生機能を引き出すドライバが出ていない」と書きましたが、すでに一部機能に関しては有効になっていました。具体的には「輪郭矯正解除」と「高度なアーチファクト除去を有効にする」の二つです。これは同じドライバを使ってもRichlandには出てこない項目でした。モーション補正に関してはソフトレベルでの対応が必要という話ですし、どうやらある程度Kaveri(と、言うかGCN)の動画エンジンであるUVD4の機能は出せるようになっていたようですね、失礼なことを書きました。
ただ、もう一つ両者の効果がピンと来ない・・・。後者に関しては解像度低めの動画の時に輪郭線に対して赤い線のようなものがエッジを強くする強調のような形で一部に出ているように見受けられますが、役割が良く分かりません、「除去する」なのにむしろ強調しているので。あまり使わなくていいような気がします。「輪郭~」に関してはマッハバンド軽減機能ということですが、もともとRADEONはノイズリダクション機能が割と優秀なおかげで他のGPUと比べるとマッハバンドがにくいんですよ。例えば現在のWOWOWの冒頭の番組タイトル紹介部分は真っ黒な背景に上部から白い光のようなものが照らされる画面構成になっていてH.264にするとその白い部分がマッハバンドの元になりがちで、GeForceで再生するとマッハバンドとブロックノイズでかなりうざったい画になりますがRADEONだとRichland(VLIW4)でもそれと比べれば縞模様は感じられず、黒がぐっとしまった印象の良い映像になります。なので昨日からだいぶ効果のほどを確かめようとしているんですがもう一つ感じられず。なんとか手持ちの映像の中でもっとマッハバンドのきついものを引きずり出して効果を実感しようと思います。


AMDはしばらくドライバとソフトの対応待ちですからひとまず置いておくとしますが、一方のIntelも新製品ラッシュでデスクトップ市場にも猛攻を仕掛けてくるようです。

インテル、次世代CPU「Broadwell」や新省電力機能などを発表

今年はもうモバイルやノート向けに専念してデスクトップはHaswellーRefleshによるお茶を濁すような展開しかない、と言われていたのでこれは意外でした。アンロックされるPentiumやハイエンド向け8コアのHaswell-Eも気になりますが、ここでは突如姿を現したLGA版Broadwellに注目しましょう。
Broadwellは主に省電力やGPUが強化されるモデルでBGAパッケージのみ、デスクトップ用は従来のHaswellのRefresh版(と、言えば聞こえはいいがクロックが少し上がるのみ)とされてきました。Intelは内部を大幅に変更する刷新とそれに細かい改良を加えるマイナーチェンジによるモデルチェンジを交互に繰り返す戦略をとっており、Broadwellは後者に当たるうえ、デスクトップ利用者には関係の少ない部分が主な改良点ですからノート向けしか登場しないと言う話だっただけに、これは朗報でしょう。ただし、アンロック版のみということですからCore i7とi5が一機種ずつ登場するくらいがせいぜいでしょう。もっとも供給量さえ十分ならそれで十分と言えます。それに日本の事情からパソコン戦略を見ると、これくらいやらないとIntelにとってもまずいことになりかねませんしね。
Haswellの発売イベントでもIntelの人が発言していたので確かですが、日本、特に秋葉原という商店街は世界の中でも際だってCore i7が売れるという特殊性を持っています。i7で無ければならない用途、というのは個人レベルではあまりないはずなんですけどね。ゲームはマルチコア化がそれほど進んでいないと言われますからi5でもほぼ十分な性能(それでもキャッシュとクロックの差は少しありますが)を出せますし、それ以外の一般用途ならさらに下のCPUでも用は足りますしね。これは誰も言いたがりませんが、唯一i7で無ければ能力が十分とは言えない用途、すなわち動画のエンコード用途がかなり強い市場を形成しているためではと思われます。仮に"著作権の保護"を名目に法律の改悪が進めば、秋葉原の組み立てPC市場は壊滅的打撃を受けるでしょうね。速度だけなら下位モデルでもQSVで速度が出ますし実際ソフトの組み合わせと使い方次第で必要十分な画質にもなるんですが、そこはこだわりがありますしね。あとは一番上買っておけばとりあえず間違いないという安心感もありますが。
一方、現在PCのメインとされるノートを見ると、あまりメーカー品を見比べたことがない人も多いかも知れませんが、i7搭載モデルはあまり多くありません。主力はi5かi3で、i7はCeleronと同じくらいの種類しかないという印象です、Pentiumはもっと少ないですが。もちろん最近「縮小と言うより堅い市場と捕らえている」という認識が強くなってきて一部メーカーが力を入れているゲーミングノートはi7が普通でi5ですら下位扱い(ただ2コア4スレのi5が少なからずあるのですが)と話は別ですが、通常利用向けのi7はあっても半分名前だけの省電力強化版だったりして少なめです。GPUもやはりゲーミングノートを除いてほとんど搭載されておらず、CPU内蔵のGPUをそのまま使うケースがほとんど全てで、日本のPCユーザーは組み立てユーザーをのぞきIntelHDGraphic系以外の画を見る機会はない、と言ってもいいくらいです。そういう作りのため、商業サイトでこそベンチマークの数字を掲載して大きく取り上げることが多いIntelのハイエンド内蔵GPUであるIrisPROは、既に登場してから大分経つにも関わらずまるで使われていません。ハブられていると言っていいくらいです。わたしの知る限り唯一マウスコンピュータからゲーミング用としてノートが出ていますが、比較的軽量くらいしか特徴がない上に値段も並で、あの辺を買う人なら信頼度から言ってもIrisPROよりGeForceが搭載されている方を喜ぶでしょうし、それほど人気とは思えません。先日発売されたIrisRO搭載の小型PC、GigabyteのBRIXは売れているようですが、IrisPROを搭載しているから売れているのか小型モデルのハイエンドだから売れているのかどっちとも言えないようですからね。それに買っているのはノートユーザーより組み立てPCのユーザーよりの人たちのようですし。ノート用で高機能出しても、他国は知りませんが日本じゃ製品も出ませんし選んでもらえないんです。
Broadwellをノートのみで展開しても注目度はおそらく低く、せいぜい各メーカーから一斉に新製品が出たときに使っているCPU、くらいの認知度しか持てなかったでしょう。わたしもBroadwellに関しては組み立てPC市場に出てこない予定、くらいしか知識がなく機能的にどんな変更を加えているか全く知らないんですよ。自分が購入する予定のない製品なんてそんなものでしょう? ただこうして登場するとなると是非試してみたいという思いはあります。Haswellが事前の情報よりもはるかにCPU性能が強化されていたように、Broadwellもマイナーチェンジとは言っても実はかなりチューンがほどこされていた、なんて可能性もありますし。組み立て向けは儲けよりも看板、フラグシップ扱いでいいと思います。中下位はそれこそHaswellのRefreshで十分ですしそこには文句も出ないでしょう。

Android系の台頭に驚いてノートモバイルへの注力に走っているIntelですが、それらと重なるのはあくまで省電力モデルであってデスクトップはむしろ市場として堅い、だからそこを手抜きするのはもったいないという心変わりでしょう。デスクトップならスマートフォンと競合と言われることすらないのはむしろ大きいのかも。GPUもIrisPROになるという話ですし、内蔵GPU派としても期待が持てます。Haswellと同じLGA1150ではあっても専用チップセットになってしまっていることはおそらくその代償、すなわちeDRAMを搭載したためではないかと思われます。ある程度高価になるのは避けられないでしょうね(ぼそっ)ハイエンドだけしか発売しないのなら高値付けても売れるでしょうしね。ただAMDのAPU路線が成功してHSA準拠のソフトが効果を発揮しだしたとしたらIntelも対応を迫られることになるでしょうし、その時はまたデスクトップ重視の路線が復活するかも知れません。とりあえずはLGAへの新CPU投入を祝いましょう。
コメント (4)
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GPUと動画再生

2014-03-18 10:44:21 | 意味なしレビュー
AMDのAPU、Kaveriが出て大分経ちますが、未だ当初謳われた機能を発揮できる状態にはありません。HSAなどは対応ソフト待ちでもあるので仕方のない話なのですが、動画再生の新機能、コンター除去やフレーム補正などは発売前のデモでも謳われていたにも関わらず、ユーザーが利用出来ない状況が続いています。動画エンコーダーもVCEからVCE2に機能アップしたはずなのですが、Bフレームやアスペクト比の指定など最近になって追加された機能は全てRichlandでも利用でき、しかもA's Videoconverterを使う限りKaveriのA10-7850KよりRichlandのA10-6800Kの方が高速にエンコードが行えます。おそらくソフトの性格で速度においてはGPUクロックへの依存度が高いからなのでしょうが、まだKaveriを買った甲斐が十分感じられないのもまた事実。AMDのドライバの開発は進めているようですが、明らかに動画関係は後回しで、まずデモなどで効果の出るゲーム向けのMantleを優先している感じです。ベータ版ドライバがゲーム機能を優先するのはAMDとしてはいつものことなので仕方ないのですが、動画とHSAを楽しみに購入したユーザーにも早く新機能を届けて欲しいものです。


Kaveriにおける動画再生の画質改善効果を検証する
~GPUによって画質が異なるのか

と、そういうモヤモヤしたものを待ち続けていた時にこんな記事があったものですから、てっきり旧世代、特にRichlandとの動画画質の比較も掲載されているものと思っていたのですが、残念ながら比較対象はGeForceとIntelHDGraphicだけでした。Kaveriの動画再生というより現行RADEONのGCNの動画能力の検証といった感じです。
わたしらとしては、GPUごとに動画再生の画質が異なるのは半ば常識でしょう。わたしもAPUの他、IntelHDもGeForceも使っていますが市販ソフトもエンコードした動画もかなり印象が異なります。GeForceはかなりシャープでSD映像の拡大表示にはかなり効果の高い再生画質を提供してくれます。逆にRADEON系はそこら辺ややボンヤリ気味ですが暗部ノイズを目立たなくするなどの機能が充実しています。Intelはあまり補正しない印象で良くも悪くも素直ですから、元データに依存する傾向が強いように感じています。ゆえに最近エンコードした動画の最終的な確認はIntelHDGraphicのPCでやってます。補正にあまり頼れませんから。(これらGPUの画質はあくまでわたし個人の印象です)
このように動画の評価というのはPC上のデジタル処理であってもアナログ的に下すものと考えていましたので、先のリンクのようにある程度数字で評価するというのはちょっと新鮮です。ただ~まぁいろいろ事情があるのも分かりますが~PrintScreenキーでキャプチャした画での比較というのは、やはりどこか不安の残る比較ですし、正直意味があるかどうか。どのGPUも当然ですが自前で再生することを前提としてデコードするわけですから、キャプチャした静止画もどのGPUを使ったPCで確認するか、で印象が異なってしまうからです。組み合わせによっては必要以上に汚く見えてしまう可能性も考えられます。ただ、Loiloの人に聞いた「圧縮フォーマットの動画ファイルの輝度情報は(中略)張のアルゴリズムの違いによって差異が生まれる可能性がある」などの話はとても興味深いものです。PCのディスプレイに出力するか、テレビへの出力を考慮に入れるかでこれまた画作りは多少異なるでしょうし。

総合的に考えればやはりRADEONの現アーキテクチャが動画再生には一番いいと考えています。ご存知の通りPS4に採用されているGPUはRADEONそのものですから、PCのディスプレイだけでなくテレビに出力することを十分考慮にいれて画像が調整された設計になっていると予想されるからです。その分ディスプレイで視聴するにはややシャープ感に欠ける気はしてますが、そこは元データに高解像度のものを使うことでカバーですね。と、いうわけで早くKaveriの動画再生をフル活用出来るドライバだしてくださいAMDさん。


最近近視が進んじゃったので眼鏡を新調しました。見えすぎて世の中が立体感を感じずペラペラに見える・・・。それだけならまだ良いんですが映像はもっとペラペラに見えてしまいます。「パシフィック・リム」も実写とCGの差がありすぎてCGアニメにしか見えなくなりました orz うーん、やっぱ怪獣映画はセットやミニチュアを駆使して撮った映像の方がずっといいと改めて思う今日この頃。
コメント (11)
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