録画人間の末路 -

人は記録をしながらじゃないと生きていけない

84ゴジラを再々評価

2017-05-16 23:28:09 | 特撮・モンスター映画
二番煎じではあるものの、「ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX」の収録内容は相変わらずすごい。今号のゴジラ84年度版には、特典映像としていつもの"ゴジラアイランド"や"行け!ゴッドマン"の他、サンリオピューロランドでアトラクションとして使われていた"怪獣プラネットゴジラ"を2D化しているとはいえ、完全収録! 当時これだけ見に行きたくてもサンリオという会場のせいで行きづらかった人は、その映像を低価格で手に入れる最大のチャンス(笑) 収録されている復刻チラシやパンフレットも素晴らしいものだが、できればパンフレットに宣伝が収録されている岩田和久氏の劇画ゴジラを付録にしていただきたかった・・・。いや、198ページもあるので完全は無理だとしても、わたしの記憶ではその単行本が出る前にコロコロコミックの、確か別冊で一部のページだけを使い、セリフを差し換えて短縮版に仕上げた版が掲載されたことがあったはず。あれを入れてくれたらまさに狂喜乱舞、言うことなしだったのですが・・・。まぁ短縮版と言っても70ページくらいあったはずなのでやっぱり無理か? 掲載誌が小学館というのもやっぱり障害になったかなぁ。

隔週刊 ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX(23) 2017年05/30号【雑誌】
講談社
講談社


上記のDVDマガジンを紹介するだけで終わり、とはいかないのでゴジラのことでも書こうかな。ただ、84年度版ゴジラに関しては前にも一度書いているので別の方面から。
84年度版「ゴジラ」は怪獣映画に対して初めて科学的考察を取り入れた映画と言える。作中の主要登場人物である科学者も、ゴジラを生物であると捉え、その本能を利用して撃退する作戦を考えた。以前の作品でも第一作や第三作の「キングコング対ゴジラ」で科学者による生物的なゴジラ考察を語るシーンはあったものの、それが作中のゴジラ対策などに反映されるわけではなかった。50~70年代の東宝特撮においてはその怪獣怪獣に対して性格や能力を利用して対策を行う例は「大怪獣バラン」くらいで印象は薄く、むしろ大映の「ガメラ」シリーズにそうした演出がある。「火をつけてガメラをおびき寄せる」「ダイヤの光でバルゴンを誘導し、琵琶湖へ落とす」「味と匂いはそっくりに作った人工血液でギャオスを呼び寄せ、グルグル回して目を回させる」と言った、かなり無理のある作戦ではあったものの、ただ兵器を投入した力押しになり切らない部分にガメラスタッフのゴジラへの対抗心と意地を感じる。84年度版ゴジラの科学者側からのアプローチも結局はそうしたガメラ作戦とあまり変わらない、鳥の声をベースに作った超音波でゴジラを誘導するというものではあった。
当時は「なんでゴジラが鳥の声やそれで作った音波に引き寄せられるの?」と疑問もあったが、今となってはそれもあり得るかと思っている。
ゴジラ84の流れを組んで連続で作られた所謂「VSシリーズ」ではゴジラは恐竜型生物であるゴジラザウルスが変異した存在であるとされていた。おそらく外観的にみてもゴジラザウルスが恐竜だとした場合、竜盤目獣脚類に属する存在と思われる。「恐竜の子孫は鳥類である」という話は現在ではほぼ常識として定着しているが、厳密に言えば恐竜の中でも竜盤目獣脚類に属する存在だけが鳥の先祖になりえたものと思われる。ゴジラの本来の姿であるゴジラザウルスは「ゴジラVSキングギドラ」で恐竜と呼ばれて登場するのが最初だが、あの姿を維持したまま何千万年も独自の生態系を維持し続けた、とみるよりはなんらかの事情により卵のまま眠り続けていた個体が映画の世界の要因によって孵化し、たった一匹で生存していた、とみるべきだろう。ならば、84年度版ゴジラで見られた渡り鳥はゴジラザウルスの直系の子孫であり、鳥の波長にはゴジラザウルスの呼び合う波長と同じものが含まれていた、とみてもいいのかもしれない。「ゴジラVSメカゴジラ」でゴジラはベビーゴジラの発するSOSに呼応しておいかけてきたが、これも84年度版ゴジラと同様の波長に呼ばれてきたのだろう。ゴジラがベビーゴジラを連れて行ったことからゴジラザウルスが群れをなす性質を持っていたのは間違いなく、他の群れに惹かれる性質だったと考えてもおかしくないわけだ。
問題は、当時「恐竜は鳥の先祖」という考え方があったかどうか。全くないわけではなかった。が、一般人の知識は恐竜から枝分かれした始祖鳥が鳥の先祖となった、程度の現在では否定されているもので、恐竜の一部が鳥に近い外観や行動をしていた、という認識はなかったように思う。だが、当時はインターネットもなく、一般人がまだ出たばかりの学説に触れるのは大変難しかった時代だ。恐竜と鳥の関係が割と一般常識になるのは映画「ジュラシック・パーク」で訪れた恐竜ブーム以降の話になるが、学会レベルならどっくにそうした学説が支配的になっていても不自然ではない。84年度版ゴジラのストーリーは多くの専門家に助言をもらうことで作られている。パンフレットに掲載されているのは5人だが、掲載されない形で意見を述べた専門家がもっとたくさんいてもおかしくないだろう。火山の爆発などにもそうした跡が見られる。ひょっとしたら84年度版ゴジラは、恐竜が鳥の直系の先祖である、という概念を初めて取り入れた映画なのかも知れない。

同じくゴジラを科学的に解釈した・・・かに見える最新作の「シン・ゴジラ」ではあるが、実はまともにはほとんど語られていない。シン・ゴジラの分析を知っているのは登場人物の方であって観客には碌に知らされない。本来説明係である科学者、牧悟郎(ちなみに84年度版ゴジラの主人公の名は牧吾郎)が行方不明となって登場しないため、そうした説明が全く行われないためだ。「シン・ゴジラ」はリアルな描写と絶賛された作品ではあるが、こと怪獣面で言えば怪獣に対し生物的関心を提供する部分が、序盤の醜い第三段階までしかない。繰り返し見ていると、どことなく物足りなさを感じてくるのはそうした理由のせいだろうか。「シン・ゴジラ」は軍事オタ向けの作品ではあっても、怪獣オタ向けではなかったのかもしれない。
ジャンル:
特撮
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« テレビ市場、持ち直す? と... | トップ | 格安6インチスマートフォン... »

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。