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世界のE-wasteの現状~東南アめぐり獲得競争

2017年07月14日 | 社会・経済

世界で廃電気電子機器(E-Waste)の処理が重要なテーマになっている。国際連合は有害なE-Wasteの越境移動に関して、監視の目を光らすとともに、途上国に対して技術支援や調査研究を行っており、本年には国連大学がE-Wasteに関するリポートを作成した。

そのリポートの共著者で、国連の環境分野の国際協力担う国連環境計画(UNEnvironment)・国連環境技術センターでプログラム・オフィサーを務める本多俊一博士に、世界のE-Wasteの現状と日本のバーゼル法改正の影響について聞いた。

-----まずは国連環境計画について。

「本部はケニアの首都ナイロビにあり、日本にある国連環境技術センターでは基本的に開発途上国支援を行っている。知識、ノウハウの提供や国家戦略に関連した支援などが中心だ。バーゼル条約に関しては専門的知識を提供している」

-----国連大学のレポートでは東南アジアのE-Wasteが取り上げられた。東南アジアに注目する理由を。

「国連の電気電子機器廃棄物の専門家と連携してリポートを作成した。東南アジア地域は人口増加や経済発展が著しく、E-Wasteの大量発生が見込まれることが背景にある。ただ、まだまだ回収率が低く、一般から発生するE-Wasteを回収することは現状では難しいが、将来的な成長が期待できる」

-----特に注目すべき国は。

「先日の国際会議で大手IT企業から同様の質問があったが、その際も単純に人口から考えてインドネシアと回答した。中国は電気電子機器廃棄物に関するリサイクルシステムが、ある程度構築されつつある。だが、インドネシアでは未だ有害廃棄物の規制のみで、電気電子機器廃棄物まで手が回っておらず、処理施設も十分ではない。今後、経済発展に伴い、発生量が確実に増加していくため動向を注視すべきだ」

-----日本のE-Waste処理について。

「国内的には問題ないレベルにある。だが、今回のバーゼル法改正でも議論になっているが相当量が外に出てしまっていることが問題だ。家電法など世界的にみても、かなりしっかりした制度はあるが、未だに無料引き取り業者が多数存在し、グレーゾーンから海外に抜け出ている現実がある」

-----世界の多くの国々では廃棄物の基準として有害性を重視している。日本もグローバルスタンダードに合わせていくべきか。

「それは非常に回答が難しい。先進国で生まれ育った人や専門家の意見としては大多数がグローバル化を主張する。その一方、例えばアフリカには中古の自動車や家電が大量に入ってくるが、すべてが使えるものではない。特に電気電子機器の中古品は使用できるものが3割ほどで、残りの6~7割は捨てられているのが実情だ。それを止めるには完全に輸入を停止するか、厳しい制限をかけるかのどちらかになる。先進国と途上国の認識の差は大きい」

-----その問題を解決するためにはどうすればよいか。現地にリサイクル施設を造るのが現実的か。

「それができるのが一番良い。例として自動車では日本の中古車はアフリカに流れ、最終的に廃棄されたものは現地でメタルスクラップとして再資源化される。一部不法な動きもあるが、全体として見ると大きな流れができている。だが、電気電子機器は資源性が自動車よりも高いにも関わらず、国際的なリサイクルの潮流が出来上がっておらず、不法投棄などにつながってしまっている」

-----問題は廃棄物と中古品の線引きにあるのでは。

「その線を引くためにバーゼル条約があるが、古い制度のため現状を反映していない。成立当時は途上国が廃棄物の管理、処理能力が全くなく、先進国だけが保持しているとの考えだったが、現在ではその前提が違ってきている。特にアジアに関してはリサイクル業者がそろってきており、環境は変化してきている」

-----それではバーゼル条約そのものの改正もあり得るのか。

「ルール上は可能だ。締約国会議で議論し全締約国が合意するか、または合意できない場合は最終手段として投票を行い4分の3が賛成すれば改正案を通すことができる。だが、今のところその動きはない。数カ月前に条約会議に出席したが、条約の改正よりも、ガイドラインレベルで明確化しようといった議論が主流で、各々が対応を進めていくべきとの声が強い」

-----日本でのバーゼル法の改正の動きをどうみるか。

「輸出先の環境管理の在り方などが明確化し、グレーな部分が減っていくと期待したい。どこまで実効力を担保できるかが重要になる」

-----E-Wasteスクラップの輸入量は増加に向かうのか。

「E-Wasteの輸入に関しては、手続きは簡素化し輸入しやすくなるが、国際競争に打ち勝たなければ資源は手に入らない。欧米のリサイクラーも東南アジアを狙っていることは間違いなく、競争は激しくなっていくだろう」

=7/4 日刊産業

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