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『中国動向と非鉄金属市場』 銅ワイヤロッドメーカーの二極化進む

2017年07月27日 | 社会・経済

電線ケーブルの素線となる直接の材料は、通常は直径8ミリメートルの銅のワイヤロッド(WR、荒引線ともいう)と呼ばれるものである。日本の場合、多くは電線メーカーが電線ケーブルの素材として製造するが、中国では専門メーカーがこれを電気銅やスクラップ銅から製造し、電線ケーブルメーカーに対して販売することが多い。その中国での銅WR消費量は、最近は年間500万―600万トンと見られている。しかし、これに対し年産能力は1400万トンあまりに達しつつある。

中国の銅WRメーカーについて、最近は二極化が進みつつあるとも言われている。3月末に低品質のWRに対する監督部門の検査が行われた一方で、優良品質の銅WRメーカーはこの影響を受けず、むしろ川下産業からの引き合いが強く、出荷能力を増強させたのである。

この背景となったのが、陝西省西安市の地下鉄三号線に納入された奥凱電纜製の不良品問題(奥凱事件)だ。3月中旬に明らかになり、安全に関わる重大事故として話題になった。その後、同様な品質不良のケーブルが成都や合肥などの地下鉄でも採用されていたことが判明し、全国の電線ケーブル大手企業に対しても自主検査を含む品質管理制度の再確認が求められた。

5月、中国電器工業協会電線電纜分会は「電線ケーブル産業の品質向上させるための自主的抑制を強化する提議書」を発表、品質水準の向上を図るとともに、それによる保障能力を高め、負っている社会的責任を十分に認識し、産業として健全な発展を目指すとした。6月に陝西省はこの問題で公職関係者らを含む処罰を実施、同月、送配電国営企業も供給者としての不適切行為で電線メーカー12社の処罰を発表した。7月には、河南省も独自に同省内の電線ケーブル特別取り締まり活動について実地検査と指導の指示を行ったと明らかにしている。

どのような品質が問題とされたか詳細は明らかでない。だが、断片的ながらも伝えられる情報からは、銅WRの不純物管理が疑われている。

前述のWRメーカーの二極化もこのような背景の下での対応の結果と見られる。一方で現時点での銅WRの生産能力は過剰であり、これを契機とした産業構造の再編や集中化の動きも見え隠れする。「奥凱事件」とも称されるケーブル品質不良に関わる動向は、日本で感じる以上に中国では根深い背景となっているのかもしれない。

(つくし資源コンサル)

=7/27 日刊工業

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