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韓国・大昌の操業停止:中国需要家、日本材調達が鮮明化

2016年09月15日 | 社会・経済

月産能力1万トンを超える韓国の大手黄銅棒メーカー、大昌が労使交渉の難航によるストライキと現場で発生した重大事故を受け、8月初めに操業を完全停止してから1カ月以上が経過した。中国などで大昌材を使用していた部品メーカーや切削加工業者が、日本の黄銅棒メーカーや伸銅品問屋から代替調達しようとする動きがここにきて鮮明化している。

ある大手黄銅棒メーカー幹部は、「8月下旬の10日余りで、大昌材からの転注とみられる引き合いが120トンあった」と明かす。このうち20トン程度が鉛レス材だといい、今月に入ってからもそれを上回るペースで転注が入っているという。

大昌は生産だけでなく、製品在庫の出荷なども停止しているもよう。中国で黄銅棒販売を手掛ける日系伸銅品問屋の社長は、「大昌の売り先は材料が入らず、本当に困っているようだ」と話す。

都内の大手伸銅品問屋社長は、「鉛レス黄銅棒の引き合いはこれまで試作用くらいしかなかったが、先月後半から数百キロ単位の注文が複数入っており、目先はさらに増やしてほしいというオファーもある」と語る。その用途は分からないが、商社経由で中国など海外需要家向けであることは間違いなく、「サイズは中径でなく細いところ」が動いているという。

水栓金具など汎用的な用途で使われる中径棒と異なり、細物は自動車や弱電関連向けなどに使われる場合が多い。このため品質保証が厳しく、鉛レス材や耐脱亜鉛材といった環境対応材料の指定も多い。大昌はこうした材料も手掛けていた。

一般的な中径の快削棒などであれば、ある程度は中国メーカー材に切り替えられるとみられる。しかし、技術的、品質的に中国材での転用が難しい用途において、日本材の引き合いが増えていることが考えられる。

複数の業界関係者によれば、大昌はまだ完全停止を続けている。大昌が顧客に対し、年内の納入は不可能といった見通しを説明しているとの話も寄せられる。操業停止の長期化が確定的となれば、日本材の引き合いも当面続く可能性がある。

ただ、「大昌がもし復旧すれぱ価格は向こうの方が安いので、既存客はすぐに戻ってしまう」(都内の大手問屋社長)という懸念はある。足元の状況が日系メーカー、問屋にとってチャンスという捉え方はもちろん多いが、現状は与信や支払い条件、価格、数量など中身を精査した上で慎重に対応する向きが目立つ。

=9/14 日刊産業

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