銅相場情報kozuka

~銅相場に関する情報をピックアップ ~

中東湾岸諸国、脱石油依存掲げアルミ施設増強

2016年12月07日 | 社会・経済

サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)など中東湾岸諸国が、安価な天然ガス発電所を活用したアルミニウム製錬所の増強に相次いで動き出している。サウジなど中東湾岸諸国は将来の石油需要のピークに備えて経済政策で「脱石油依存」を掲げており、原油輸出に頼らない財政健全化と構造転換を進めるのが狙いだ。石油輸出国機構(OPEC)の減産合意を受け、原油価格は大幅に上昇。サウジなど中東湾岸諸国の財政悪化も改善する見込みで、アルミ産業への投資も活発になりそうだ。

  

中東のアルミ生産量は世界シェア1割に迫る見通し。住友商事グローバルリサーチの本間隆行経済部長は「世界のアルミ市場では、最大の生産国である中国に次いで中東勢の台頭が著しい」と話す。日本アルミニウム協会によると、世界のアルミ地金の生産量は2015年の推定で5000万トン強。このうち中国がシェアの6割近い3080万トンを占める。残りはオーストラリア、中東勢、カナダ、米国、欧州、アジア諸国など。中東勢の生産設備の増強は、世界のアルミ市場が大競争時代を迎えることを意味する。

 資源メジャーの米アルコアが出資して、13年に稼働したサウジのアルミ製錬所マーデンは15年までに年間74万トンの地金生産能力を増強した。同製錬所は、より付加価値の高い製品での輸出を実現するためアルミ地金を加工する圧延設備も整備した。

 09年に稼働を始めたUAEのアルミ製錬所イマールは政府系ファンドが出資。11年に75万トンだったアルミ地金の生産能力を15年に1.8倍の140万トンまで増強した。バーレーンのアルミ製錬所アルバも11年に年間87万トンだった生産能力を19年までに1.7倍の150万トンまで増強する。

中東勢が生産するアルミ地金や製品の最大の優位性は安価な天然ガスを使った製錬コストの低さ。アルミはコストの3分の1が発電所のエネルギー費が占める。日本向けの主力となるオーストラリア産アルミ地金(石炭火力発電所を利用)に比べ、中東産は1トン200ドル前後安いとされる。

 サウジ、UAE、バーレーン、オマーンの中東湾岸4カ国の計6カ所のアルミ製錬所の生産能力は11年の年間362万5000トンから19年には1.5倍の560万トンに拡大する。19年までに世界シェア1割に迫る有力な生産拠点になる見通しだ。日本の需要家企業には、伊藤忠商事がイマール製錬所を傘下に収める中東最大のアルミ製錬企業のEGAを通じ、最大で年間約40万トンの中東産アルミ地金が供給される。

 野村証券経済調査部の大越龍文シニアエコノミストは「世界市場を席巻する中国のアルミ製品輸出の拡大や中東勢のアルミ生産設備の増強で、生産コストが高い欧米や豪州のアルミ製錬所は採算悪化で閉鎖に追い込まれるケースが増えるかもしれない」と指摘する。中国の安価な輸出の拡大と中東勢のアルミ生産の増強は、世界のアルミ市場で再編と淘汰の波を起こしかねない潜在力を秘めているといえそうだ。

=12/6 日経web

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 東邦亜鉛、豪エンデバー鉱山... | トップ | 12月7日(水)のつぶやき »

社会・経済」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL