銅相場情報kozuka

~銅相場に関する情報をピックアップ ~

銅相場6000ドル回復も強弱~ 材料入り交じり一進一退か

2017年07月31日 | 社会・経済

銅相場が節目である6000ドルを回復する動きとなっている。銅相場は、昨年1月には1トン当たり4318ドルの安値に沈んでいた。同年終盤から最大の銅消費国である中国の景気持ち直し観測や、トランプ米政権のインフラ投資計画への期待を背景に急騰した。

    

続いて、二大鉱山での供給障害が懸念され、今年2月には6200ドル台に達した。米鉱業大手フリーポート・マクモランがインドネシアで操業する産銅量世界2位のグラスベルグ鉱山では、規制変更をめぐる同国政府との対立から、不可抗力条項の発動を余儀なくされ、銅精鉱の出荷が停止された。また、英豪系資源大手のBHPビリトンが権益の過半を保有する世界最大のチリのエスコンディーダ鉱山では、ストライキが発生し、やはり不可抗力条項が発動された。

 その後、米経済政策に対する期待が後退したこと、中国では不動産部門の過熱抑制策などが採られて景気減速が懸念されたこと、二大鉱山での供給障害がいったん解消に向かったことから、5月上旬には、5400ドル台まで下落した。

 しかし、7月にかけて、再び銅相場は上昇した。再上昇の背景には、為替市場で対ユーロを中心にドル安が進み、ドル建てで取引される銅の相場押し上げ要因になったことに加え、中国の銅需要の先行きについて安心感が出てきていることがある。

7月17日発表の4~6月期の中国GDP(国内総生産)は市場予想を上回り、相場押し上げ材料になった。

 中国の銅需要に関連する主要分野を見ると、自動車販売は、小型車向けの自動車取得税の減税縮小を受けて、鈍化しているが、前年並み前後の台数は維持している。不動産市場は、当局が過熱抑制に向けた規制強化策を講じる一方で、市場を過度に冷え込ませることも回避できている。電力インフラの建設については、中長期的に継続する見通しに変わりない。

 一方、先述のグラスベルグ鉱山では、4月下旬から生産や輸出が再開されていたが、その後、5月1日より労使対立によってストライキが発生した。5000人もの労働者が参加し、長期化している。7月に入って、チリのサルディバル鉱山でも労使の対立が表面化した。再び銅供給の不安定さが意識されている。

 このように現状は、銅相場の上昇要因が目に付きやすいものの、さらなる上昇には追加材料が必要だ。産銅会社の収益環境の回復などを背景に、前年に比べて鉱山ストなどが起こりやすくなっている面はある。一方で、中国や米国の景気は底堅いとはいえ、銅相場の一段高を支援するほどの力強さには欠ける。銅相場は6000ドル前後で一進一退の動きとなるだろう。

(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部主任研究員 芥田知至)

=7/31 ダイヤモンド・オンライン

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 今週の銅相場<8月第 1 週>... | トップ | 丸紅、チリ銅鉱山の生産開始... »

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL