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<中国の非鉄スクラップ事情> 国内回収進み輸入減

2017年04月19日 | 社会・経済

環境規制強化で構造改革

~中国有色金属工業協会副会長尚福山氏

中国の再生非鉄金属と非鉄スクラップの市場が拡大を続けている。非鉄金属の蓄積量と回収量が増え、環境保護の側面からも非鉄リサイクル産業の成長と高度化が求められている。中国廃鋼鉄応用協会が15日に開いた第10回中国金属循環応用国際会議(天津市)で非鉄金属団体の中国有色金属工業協会の尚福山副会長は技術的対策や企業管理の改善を訴えた。

■価格上昇で収益増

2016年の再生非鉄金属の生産量は1245万トンと前年比6・7%増加した。そのうち再生銅は300万トンと1・6%減少したが、再生アルミは630万トンと9・5%増、再生鉛は165万トンと10・0%増、再生亜鉛は150万トンと9・5%増加した。

非鉄スクラップは国内の回収量が増加した。金属分で銅179万トン、アルミ443万トンでそれぞれ再生銅と、再生アルミヘの原料供給は60%と70・3%を占めた。

一方で輸入は減り続けている。16年の非鉄スクラップ(銅、アルミ、亜鉛含む)の輸入量は527万5300トンで輸入金額は84億2100万ドル(約9300億円)。そのうち銅334万7900トンと8・5%減、アルミ191万7500トンと8・1%減、亜鉛9880トンと54・5%減。

    

銅スクラップの輸入先は香港、米国、豪州、日本からが多い。主に広州、寧波、杭州、天津、済南の税関で輸入されている。アルミスクラップの輸入先は米国、香港、豪州などで広州、寧波、上海、南京、大連で輸入されている。

    

    

16年上半期の銅とアルミ、鉛、亜鉛の価格は低位で推移。第3四半期(7~9月)に上がり始め、第4四半期に大きく上がった。17年初めはやや下落。3月に再び上がり、非鉄スクラップ価格も上昇している。

上海・浙江省地区の16年の光銅と2号銅、黄銅の価格は年初が最低でそれぞれトン3万1050元、2万9900元、2万3700元。年末は4万1800元と年初比34・6%、3万9100元と30・8%、3万1200元と31・6%上がった。鉛の現物価格は1万2188元が16年の最低、最高は2万680元。年間平均価格は1万4528元と10・5%上がった。廃鉛酸蓄電池の価格はトン6000~1万300元。亜鉛スクラップは浙江省地区で破砕材が1万2562元と5・3%、5号スクラップが1万5617元と5・7%上がった。

市場価格が回復し、非鉄スクラップ企業の経営が安定化した。16年上半期の2号銅と電解銅の価格はトン3700元(約5万9200円)に届かず、再生銅の企業は赤字となったが、第3四半期(7~9月)は銅価格が上がり、再生銅企業の収益力が向上。再生アルミ企業も同様で上期は赤字が続いたが、アルミ価格が上がったことで下期に業績が改善した。鉛価格が下期に上がったことで廃鉛蓄電池の廃棄が増え、再生企業の稼働率が上昇した。亜鉛鉱石の供給がタイト化して亜鉛価格が上がり、再生亜鉛企業も回復した。

■進む優勝劣敗

16年から環境保護省が各省の環境保護検査を強化し、基準を満たさない再生非鉄金属企業が操業を停止した。下半期に経済環境が好転したが金融機関の融資は依然厳しく、破産や倒産する企業が現れた。環境対策や資金力のある企業への集中度が高まり、産業構造が改善に向かった。

政府の基準を満たす再生銅17社の合計年産能力は364万1000トンで全再生銅生産の70%を占める。基準を満たす再生アルミ29社の能力は362万5000トンで30%を占有。年産能力10万トン以上の再生鉛企業は10社強あり、上位5社の生産量は全国生産の52%以上を占めた。年産能力2万トン以上の再生亜鉛15社と産業集中度が大幅に上昇した。

政府が構造調整に力を入れる。16年6月、国務院弁公庁が「非鉄金属工業構造調整転換収益向上の指導意見」を発布し、新規能力の増強を抑制。過剰能力の削減、基準不適合企業の事業転換・移転、環境対策強化を定めた。

同10月に工業情報化省が「非鉄金属工業発展計画(16~20年)」を発表し、高付加価値再生産業基地や輸入再生資源加工区の建設、回収システムの改善、分別・分離・無害化処理の知能化・設備技術発展などの指針を示した。再生鉛や錫、タングステンの各産業規範条件や廃電池汚染防止技術政策などを設け、行政機関による監督を厳しくしている。16年には環境保護省の監察10チームが20の省・市を査察した。

ただ、企業の投資は減っていない。山東金昇が新たに建設した非鉄スクラップセンターは17年6月に稼働。重慶剣濤鋸業は100トン双室炉、華翔は年産能力12万5000トンの廃鉛酸蓄電池解体・溶解・精錬の一貫ラインを立ち上げる。四川博鑫銅業は同10万トンの再生銅工場を建設する。

工情省の非鉄金属工業発展計画(16~20年)の中で20年の精錬銅の見掛消費量は1350万トン、アルミ4000万トン、鉛450万トン、亜鉛730万トンに増えると予測。非鉄スクラップの蓄積量は年々増え、20年の回収量は銅スクラップ290万トン、アルミスクラップ750万トンで原料供給の60%と75%を占める見通しだ。

市場の成長を見込み、金属スクラップ回収・解体世界大手の独ショルツ社や米メタリコ社など世界の大型リサイクル企業がすでに中国に進出している。

【天津17日=植木美知也】

=4/19 日刊産業

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