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17年度上期 非鉄金属市況見通し① 米中経済は基本安定見込む

2017年04月05日 | 社会・経済

昨年11月から始まった「トランプラリー」により、株高・ドル高・商品高が鮮明となった。4月以降も米中景気は底堅く推移する見通し。一方、欧州で行われる選挙への警戒感もある。非鉄金属の上昇基調は続くのか。国際商品に携わる専門家2人に、上期のマクロ景気動向や相場の材料などを聞いた。

------4~9月期の世界景気見通しを。

「大きな動きはなさそうだ。17年前半の米国や中国、ユーロ圏、日本の主要各国・地域における実質の国内総生産(GDP)は、安定推移とみている。こうした状況は昨年から続くものだ。景気を映して資源需要の伸びが加速したり減速したりといったことは、ほとんど起こらなかったし、今後も考えづらい。非鉄市況に影響を与えるのは、供給側の動きになるだろう」

------米中の景気について、より詳しく聞きたい。

「米景気は良い。失業率がかなり下がってきており、完全雇用に近い状態にある。利上げは当然といえる。足元のマーケットでは、利上げペースがさらに加速するのでは、という懸念があった。ただ、3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、6月の利上げはなさそうとの見方から、安心感が上回った。米連邦準備制度理事会(FRB)にしてみれば、次の利上げは6月でも9月でも良くなったことで、政策運営の自由度が高まった。マーケットにおいては、FRBの動向を冷静に見ることできるようになっている」

------利上げ後にドル安が進行した。

「トランプ効果がはげてきたからだ。公約に掲げた減税やインフラ投資などが実施できないのでは、との懸念が強まっている。主要な閣僚人事などの進行具合も、今のところ見えづらい。ただ、公約が表に出てきても、予算の実施は2018会計年度の始めにあたる10月からになる」
「それほどドル高が進行せず、新興国への影響が限定的だったことは不幸中の幸い。新興国から資金が引き揚げられる可能性は、ゼロではないが低くなったといえる」

------米景気に死角はないのか。

「4~9月期以降になるが、成長率が伸び悩む中でインフレが起きてしまう危険性はある。トランプ米大統領が積極的に景気刺激策を行えば、完全雇用状態によるボトルネックが発生しそうだ。どこかのタイミングで利上げを早めてくる可能性はあるかもしれない」

------中国景気の見通しについて。

「景気を下支えるため、かなりのインフラ投資を行うとの見方もあったが、今回の全国人民代表大会(全人代)では成長率目標を引き下げられた。インフラ投資は景気失速を避けるためのもので、押し上げるまでの力はなさそうだ。緩やかな景気減速は続くだろう」

------大きく景気が減速するリスクは。

「外貨準備高の減少は気がかり。人民元の下落圧力が強まっていることから、中国はドル売り人民元買いを行っている。人民元安を食い止められない状況は想定していないが、仮に下落に歯止めがかからないようなら、場合によっては利上げが必要になってくる。景気失速への懸念とともに、非鉄市況が軟化する可能性は出てくる」

------なぜ人民元安が警戒されているのか。

「いろんな要因がある。中国が景気減速の方向にあることが一つ。また、これまで設備投資が行われ過ぎていた中国では、いろんな過剰生産を削減しなければいけない。さらなる設備投資がしづらいにもかかわらず、何もしなければ景気は減速していくことへの不安感から、人民元は安くなりやすい。米国が利上げ局面にあることも、人民元安を引き起こしやすくしている」

------人民元安の弊害を。

「輸出にとっては良いが、輸入物価が上昇する。景気を悪化させる危険性もあるため、バランスが課題になってくる。外貨準備を取り崩すことで人民元を支えられれば、物価はそれほど上がらず、金融引き締めを行う必要もなくなる。先ほど申し上げたように、景気を下支えるインフラ投資を行うことで、緩やかな景気減速にとどめることができる」

------人民元安を食い止められなければ。

「インフレ抑制のため、利上げを行う必要が出てくる。ただ、景気を下支えるために、またインフラ投資を拡大しなければいけない。今の中国にそこまでできるかどうか。場合によっては、利上げによる景気失速が起きてしまう」

(野村證券経済調査部シニアエコノミスト 大越 龍文氏)

=4/3 日刊産業

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