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フィリピン:鉱山に閉鎖命令~過激な環境政策で混乱

2017年03月30日 | 社会・経済

フィリピンのドゥテルテ政権が鉱山の閉鎖・操業停止を次々に命じ、波紋が広がっている。鉱業はフィリピンの主要産業の一つ。企業業績や雇用だけでなく、税収にも影響が及びかねない。政府内にも見直し論が浮上するなど足並みが乱れており、着地点は見えない。

閣僚の資格を審査する任命委員会は今月9日、ロペス環境資源相を承認するかどうかの結論を先送りした。フィリピンではヤサイ外相が米国市民権を巡る発言で不承認とされて失職。行政手腕への批判が高まるロペス氏への判断も注目されている。5月に再び聴聞会が開かれる予定だ。

 ロペス氏は昨年6月末のドゥテルテ政権発足で就任。すぐさま「環境を破壊し、法令に違反した」などの理由で北部サンバレス州のニッケル鉱山の開発会社2社に操業停止を命じた。その後も国内の41の鉱山を監査し、閉鎖・操業停止命令を乱発した。命令を出したのは計28社に上り、国内で生産するニッケルの半分を占めるという。

 こうした混乱はロペス氏の起用時点で、ある程度予想されていた。同氏は大手財閥の出身ながら、長年、石炭火力発電所の休止を求めて活動するなど、熱心な環境保護活動家として知られる。

 業界大手でつくるフィリピン鉱業会議所は同氏の方針に強く反発。「監査が適切かどうか疑問だ。鉱業を悪者だと決めつけている」との声明を出した。鉱山の閉鎖・操業停止で、鉱石生産が700億ペソ(約1500億円)、政府税収が200億ペソ減るほか、6万7000人が失業する恐れがあると試算している。

 政府内でも批判が出始めた。ドゥテルテ大統領の右腕のドミンゲス財務相は「地方財政への影響が最大の懸念だ」と暗に批判。自らが共同議長を務める鉱業調整協議会で、鉱山監査を3カ月かけて検証するとし「手続きに不備があったと考えており、問題点を明らかにしたい」と述べた。

 一方、ロペス氏を起用したドゥテルテ氏はかねて鉱山開発による環境汚染に不快感を示していた。最近も「税収が減る分はほかで埋めればいい。彼女の方針は公益にかなう」と現時点では支持する構えだ。

 ドゥテルテ氏はインフラ開発を軸にした経済政策を掲げる。ただ就任から9カ月を迎え、過激な政策を突然打ち出すリスクも浮き彫りになりつつある。方針をあっさり覆す可能性もあるが、好調な経済や海外企業からの投資に影響が及べば、7割を超える支持率も揺らぎかねない。

=3/30 日経web

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