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中国の資本規制、日本企業に影~海外送金ストップ続出

2017年03月21日 | 社会・経済

中国の通貨である人民元と外貨の双方で国境をまたぐ取引を抑える中国の資本規制が、日本企業の活動に影を落とし始めた。現地事業の売却代金を受け取れなかったり、日本への送金が止まったりする例が続出。ごく一般的な資金管理すら難しくなっている。中国は2016年に円換算で30兆円超が国外に流れた。当面は規制を優先せざるを得ず、習近平政権が掲げる人民元の国際化は揺らいでいる。

 アサヒグループホールディングスは16年末、子会社である山東省の農業会社と牛乳製販会社を現地の乳業大手に売却した。売却額は日本円で約十数億円。しかし国境をまたいだ送金の規制が強化されたため、代金は3カ月近くたったいまでもアサヒの日本の口座には届いていない。

 現地乳業大手は支払う意思は示しているが、現時点では送金の手立てがないという。アサヒは「弁護士らと相談しながら粛々と手続きを進めていく」というものの、着金には時間がかかりそう。大規模なM&A(合併・買収)を通じ、世界市場での事業再編成を進めるアサヒにとって、山東省の件は影響は小さいが、想定外の中国の資本規制にとまどいを隠さない。

 深刻な例もある。「当局の許可がおりず、送金できない」。コンデンサーやプリント回路を手掛けるエルナーは16年12月、資本提携で合意していた中国企業からこんな連絡を受けた。

 エルナーは財務内容の改善と中国事業の強化に道筋をつける目的で、中国企業への第三者割当増資で資金を調達する計画だった。しかし、増資は失効。経営戦略の練り直しを迫られている。

 人民元を取り巻く環境が急変したのは15年8月。中国人民銀行(中央銀行)は突如、元を「過大評価されている」として切り下げに踏み切った。当時1ドル=6.1元台だったが、3日にわたる切り下げによって6.4元まで下落した。一定の範囲で値動きを認める「管理変動相場制」を導入した05年以降、元は初めて大きく下落した。

 唐突な切り下げは「元は今後も値下がりする」との疑念につながり、元安と資金流出が止まらなくなった。人民銀はドル売り・元買いの為替介入で外貨準備をすり減らすなかで、規制の強化によって強引に資金流出の食い止めに動いた。

 徐々に強化されてきた資本規制だが、16年末に「一線を越えた」(大手銀行)。500万ドル(約5億7千万円)以上の海外投資は当局の事前審査が必要になり、銀行の外貨両替や元の海外送金を制限した。「外貨と元の両方で規制がかかり、一気に厳しくなった」(外国銀行幹部)。中国から日本への海外送金も滞るようになった。

 「とにかく待ってください」。ある商社は中国拠点から数億円の資金を日本に送ろうとしたが、銀行にこう告げられた。重工大手の中国拠点は、日本の親会社から調達した数億円相当の部品代金を支払えなかった。三菱電機は中国子会社の送金で外貨への切り替えなどを検討。TDKは中国事業の余資送金で、銀行や通貨当局に手続きに必要な時間を確認しているようだ。リスク管理で子会社に必要以上の資金を持たせないという経営管理すら難しい。

 「経常項目は制限していない」。人民銀の周小川総裁は10日の記者会見でこう述べた。貿易取引の決済や配当金の支払いなどは規制の対象外だと明言した。銀行の審査を通れば資金をやり取りできるはずだが、実際には当局の窓口指導で銀行は慎重。「16年末以来、海外送金で支障をきたした企業は数十社にとどまらない」(銀行関係者)

 中国で事業展開する外資系銀行は、送金額や時期について取引先の企業と調整を始めた。ヤマは6~8月で、中国現法による親会社への配当支払いがラッシュを迎える。ある銀行幹部は「現行の規制は外貨の方がまだ送金しやすい。経費増になるかもしれないが、外貨に両替したうえでの送金を頼むしかない」とあきらめた表情で語った。

 中国は銀行金利の自由化など金融規制を少しずつ緩和してきた。国際通貨基金(IMF)が15年に仮想通貨、特別引き出し権(SDR)への組み入れを認めたのも自由化の努力が底流にあった。

 だが、16年は貿易決済に占める人民元の比率が15年の26%から18%に低下。銀行間決済も2.3%だった世界シェアは1.7%になった。元の信認低下は数字にはっきり表れているだけでなく、中国の事業環境の評価を損ねかねないところまで来ている。(上海=張勇祥)

=3/18 日経web

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