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<中国動向と非鉄金属市場>スズのロンドン在庫減少、中国需要1万トン超の増加も

2017年06月15日 | 社会・経済

スズのロンドン在庫が減少している。6月に入り2000トンを下回っている一方で、トン当たり1万9000―2万ドルだった価格は13日には1万9250ドルと弱含んでいる。

ロンドン在庫がこれ以前に減少したのは2016年8月。この時は2975トンと08年以来の最低レベルを記録したが、その後ただちに増加に転じている。最近の急激な在庫低下とその回復が見られないことは、何らかの新たな事態がスズに迫っているのではないかとのいぶかしさも生じている。

最近の供給面での大きな変化は、インドネシアの政策に伴う生産の減少と、ミャンマー鉱石にも依存しつつ生産量を拡大した中国の増加である。15年のスズのトップ10企業には中国企業が4社を占め、その中での生産シェアは51%と半数を超えた。前年の14年と比べ5ポイント上昇。その中国では、雲南省の箇旧市でのスズ選鉱設備の再編に伴う生産停止の情報もあるが、スズ供給に大きくは影響しないと見られている。

ミャンマーの鉱石供給の増加は、それまでのインドネシアからの供給低下を補填してきた。16年上半期でミャンマーから中国に運ばれたスズ鉱石は88%も増加したのである。しかし、最近の国際錫研究協会のデータによれば、同国の生産量はピークに達している可能性があるという。同国の鉱石供給の維持も問題になりつつある。

6月、中国では大手生産者の雲南錫業がスズ精鉱についての加工貿易の認可を当局から得た。これにより流動性が高まり、あるいは世界のタイト感が緩和するとも見られ、価格の下押し要因ともなっている。

需要面では電気・電子製品用のハンダ分野がスズを支えている。15年の世界の精練スズ消費量は34万6900トンだったが、中国での市場復活により16年は35万400トンとなった。中国での15年のスズ消費量は17万6400トンだが、電池やクリーン燃料分野などでの新規需要が小型化や鉛フリー化によるハンダ分野での需要減少を補い、将来5年間で1万2000トンの消費量純増が見込まれている。

在庫の減少は何を象徴するものなのであろうか。あるいは生産者との相対契約がそのウエートを高めているのかもしれない。スズの市場ではかつて85年にスズ危機と呼ばれた騒動もある。スズの市場流通量は、各種要因に敏感に左右されるにちょうど良いボリュームなのかもしれない。その意味でも、紛争鉱物の動向も含め各国政策への注意もおろそかにできない。

=6/15 日刊工業

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