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拡大するアジアのE-waste市場~発生量、5年で63%増

2017年07月13日 | 社会・経済

有害廃棄物の輸出入を規制するバーゼル法の改正法が国会で議決された。雑品スクラップや鉛バッテリーの輸出規制が強化される一方、これまで規制されていた貴金属や銅などが含まれる廃電子基板などの輸入については規制緩和へと動くことになる。

廃電子基板などを含むE-Waste(廃電気電子機器廃棄物)の発生量はIT化の進展などに伴い、世界的に拡大している。だが、発展途上国では環境への配慮が欠けたりサイクルが行われているケースがいまだあり、日本の環境リサイクル技術を生かすべき余地がある。

東アジアおよび東南アジア地域を中心とした世界のE-Wasteリサイクルの現状を検証し、資源として可能性について探る。

バーゼル条約とは正式には「有害廃棄物の国境を超える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」と呼ばれ、1989年にスイスのバーゼルで採択された。80年代に先進国から途上国に対して有害廃棄物の不適正輸出が多発したことが設立の要因となった。16年10月時点で183力国1機関(EU)が条約を締結している。

具体的には輸出に先立つ事前通告・同意取得の義務、移動書類の携帯(移動開始から処分まで)、不法取引が行われた際の輸出者の国内取引義務(再輸入、処分等)を規定している。

規制対象物がどうかの線引きは、有害かどうかの点に絞られる。その判断については各国に委ねられており、我が国では主にバーゼル法および廃掃法の2つの法律が関連してくる。

バーゼル法は特定有害廃棄物等の輸出入を規制するもので、外為法に基づいて承認されている。今回の改正では、使用済み鉛バッテリーを輸出する際はOECD加盟国でも環境大臣の許可が必要になった一方、有害性が低い廃電子基板に関しては輸入条件を緩和できるようになる。

輸入規制緩和の背景には、世界的に廃電子基板などに代表されるE-Wasteの発生量拡大がある。途上国ではリサイクルに関するシステム、技術、設備が不十分で環境への影響が懸念されており、そこで日本の技術やシステムが貢献できる。加えて、日本勢が手続きの問題からE-WaSteをめぐる国際競争の中で苦戦していることも、その一因となった。

世界の廃棄物の発生状況は、国連大学が作成した報告書によると、2010年の世界の廃棄物発生量は約20億トンで、そのうち不適正に処分されたものが半数の10億トンを占めている。廃棄物の発生量は今後も拡大する見込みで、50年には世界人口は97億人に達するとみられ、廃棄物の発生量も30億トンまで拡大すると予測されており、不適正処理物の減少が求められている。

    

世界の中でも特に顕著な伸びを示すのがアジア地域。アジアにおける廃棄物の発生量は20年で10億トンほどと予測されているが、これが50年には17億トンまで拡大する見込み。使用中の電気電子機器は12年の統計で世界に5656万トンほど存在していることがわかっているが、そのうちアジアに半数近い2629トンがあるとみられている。そのためE-Wasteの発生に関しても、近い将来にアジアで大きな伸びを示すことが予測できる。

国連大学がこのほどまとめた、2015年の東アジア及び東南アジア12力国及び地域(日本、中国、韓国、台湾、ベトナム、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、香港、カンボジア、シンガポール)のE-Waste発生量に関するレポートでは、12力国・地域中、発生量が最も多いのが中国で、次いで日本、韓国となった。逆に少ないのはカンボジア、タイ、シンガポールの順となった。

全体でも15年のE-Waste発生量は10年比63%増の1230万トンまで拡大。特に中国は増加率が107%と驚異的な伸びを示した。逆に増加率が最も低かったのが日本で、香港、台湾、韓国、シンガポールと続く。すでに一定の発展を遂げた国々では増加率が低いことがわかる。

一人当たりの発生量は香港がトップ。次いでシンガポール、台湾となった。やはりすでに発展を遂げ、人口密集度の高いエリアが上位に来ている。一人当たりの発生量が低いのはカンボジア、ベトナム、フィリピンで途上国での低さが目立つ。なお、平均値は一人当たり10キロほどとみられる。

報告書ではE-Waste発生量の増加に関する要因も記されている。新たな電気電子機器が次々に生まれていることや中間層の拡大。買い替えサイクルの短期化、中古機器の輸入増加なども発生量増加の要因としている。また、東アジア・東南アジア地域における、不適正・不法なE-Wasteの処理や投棄も指摘している。

=7/4 日刊産業 「非鉄リサイクル特集~アジアのE-Waste」

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