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グレンコア、ブンゲへの買収打診は賢い選択か

2017年05月26日 | 社会・経済

スイスの商品取引・鉱業大手 グレンコア はバランスシートを修復し、世界経済に対する楽観的な見通しを追い風に株価が回復した。そして再びM&A(合併・買収)に乗り出している。同社が買収対象企業選びで賢い選択をしたならば、それは悪いことではない。米穀物メジャーのブンゲへの買収打診は、幸先の良いスタートを切ったように見えるが、合意に至るのは容易ではなさそうだ。

 バリュエーションの安さを考えると、米国の大豆・トウモロコシ取引事業への参入は理にかなっている。銅および石炭価格は前年同期比でそれぞれ25%、50%上昇しており、グレンコアの主力の金属・採鉱事業はその恩恵を受けている。一方、トウモロコシ価格は昨年豊作だったことで約10%下落している。この違いが企業価値に反映されている。ブンゲは1-3月期決算が80%の減益となったことを受けて株価が急落した。

 だが、グレンコアの相対的優位は長続きしないかもしれない。世界の銅供給量の約半分を吸い上げている中国経済が減速しているほか、米国の大規模なインフラ投資計画への期待が薄れている。一方、米国の農産物輸出は米中の貿易関係の改善がプラスになりそうだ。大豆は中国による米国からの輸入品の中で上位に入る。ドナルド・トランプ政権と中国の貿易交渉によって、中国への米国産牛肉の輸入が解禁された。

グレンコアの問題は、ブンゲが「市況が自社に有利な方向へ向かうとみられるときに買収案に応じるのは得策ではない」という結論を下す可能性が高いことだ。確かにブンゲは、グレンコアによる買収打診が報じられた後、株価が20%近く上昇したが、正式な交渉には入っていないと述べている。3年前にグレンコアが英豪系鉱業大手のリオ・ティントに買収を持ちかけた時はすぐに拒否され、合併交渉は頓挫した。

 グレンコアは以前から、4大穀物メジャー(ブンゲ、 アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド 、カーギル、ルイ・ドレフュス)の牙城を崩すために、農産物貿易分野での足場を広げたいと考えている。思い通りになるかは分からないが、ブンゲにとっては、適正価格の提示が必要だろう。

=5/25 WSJ

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