銅相場情報kozuka

~銅相場に関する情報をピックアップ ~

中国動向と非鉄金属市場(16)中国、レアアースの国家備蓄買い入れ再開か

2016年09月15日 | 社会・経済

中国でレアアースの国家備蓄買い入れの動きが再び始まった。

報道によれば、既に国家物資備蓄調整センターと希土集団との間で、非公式に6品目の重希土酸化物について優先して備蓄買い入れを行う方案で一致したとのこと。

今回のレアアース備蓄買い入れに関しては基本的に障害となるような事項もなく、順調に準備は進んでいるとのことで、9月上旬には実際の備蓄買い入れ入札会が招集されるとされた。ただし、現時点でそれが行われた確報はなく、最新の報道では「9月」という言葉に置き換えられている。

容易なものから3回に分けて実施などの情報もある中で、備蓄買い入れ量については明確になっていない。入札価格についても論議があり、中国のレアアース業界は現在の市場価格より10―15%高いことを望んでいるともされる。

例えば、酸化ジスプロシウムについてはキログラム当たり1400元(約2万1000円)前後が要請されているとのことだ。多数の価格情報の6か月平均に備蓄コストなどで調整する案もあるらしい。

備蓄買い入れの動きが「再開」というのは、6月に買い入れの入札が流れているのだ。国による希望入札価格が低すぎたためともされ、今回の焦点はまさに価格になる。

また、入札流れとなった6月の買い入れ量は9品目で3870トンともされていた。その際の入札希望価格はそれぞれトン当たり、酸化ジスプロシウム130・45万元、酸化プラセオジム31・93万元、酸化ネオジム26・71万元、酸化ジジム26・89万元などとなっていた。

国家備蓄買い入れの難航は、6大集団の生産コストよりも入札予定価格の設定がはるかに安い点にあるとされている。また、いわゆるブラックレアアースの存在比率が南方希土では特に大きく、買い入れ価格によっては合法企業がこれを受けることができず、国家備蓄されるものはブラック産業に由来するものばかりになりかねないとされていた。

なお、国家備蓄とは別に、商業備蓄としての第1回、第2回が、それぞれ4月に1000トン、5月に1600トン実施されている。さらに第3回として8月31日までの期間で合計2600トンなどとされているが、実施の結果は現時点で確認がとれていない。

中国ではレアアース企業の6大集団化による産業集中化が進行し、6大集団の希土採掘、精練分離に占めるシェアは、それぞれ90%、60%以上となっているという情報もあるが、裏返せば、まだ集団化されない生産能力も大きい。

レアアース価格のこれまでの低迷により分離企業の多くは赤字採算となり、業界内では今回の買い入れ成立による市場への作用への期待が高まっている。(木曜日に掲載)

◇つくし資源コンサル アナリスト 渡邉美和

=9/15 日刊工業

ジャンル:
ウェブログ
この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« モンゴルから逃げ出す投資家... | トップ | 韓国・大昌の操業停止:中国... »

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL