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『中国動向と非鉄金属市場』 アルミによる銅代替の動き

2017年04月20日 | 社会・経済

中国で「地下鉄での銅ケーブルの優位性を語る」と題した記事が4月に報道された。このタイトルだけでは分かりにくいが、優位性の対象はアルミニウムである。

中国では1950年代に資源保障上の政策として「アルミによる銅代替」が打ち出された。やがてこれは「アルミによる銅節約」という形に変化しつつ、現在でも推奨政策としてしばしば目にする。

銅の最大消費分野である電線ケーブルについても、アルミ化と、それに対してやはり銅を勧める双方の動きがある。掲題の報道も、最近建設が広く進められている各地での地下鉄に使用されるケーブルの導体のことを指している。

中国の電線ケーブルとしてのアルミ採用に関わる最近の大きなトピックスは、15年9月に発表された「規定電圧0・6/1kVのアルミ合金架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブル」の標準と、同11月に発行された「アルミ合金ケーブルの設計と調達の手引書」であった。後者にはアルミ合金ケーブルの設計、生産、価格、購買、敷設、維持などの知識が盛り込まれている。

この標準の規定に至るまでには、アルミと銅のそれぞれの推進をめぐる議論があった。それは新規開発の方向性やメーカーを巻き込みつつ、本質的な技術面や資源保護、環境保護などの議論に拡大した。導電性能や電流容量の差、耐腐食性や耐高温性の違い、接続リスク、機械的特性によるインフラ構造への影響などの面で議論が続いた。

一方、標準として定められた対象は電力用配電ケーブルで、それ以外の分野で使用される物を規定しているわけではない。冒頭に掲げた地下鉄用途の記事は、このようなアルミか銅かの競争が配電分野以外でも続いていることを伝えるものであろう。

この論議の過程で、80年代半ばにアルミ導体ケーブルで多くの事故が発生したとされ、その発生箇所の多くがアルミ導体の接続部分であったと報じられた。この結果、信頼性を高めるため電力工事でのアルミ導体ケーブルの使用が制限されたという。だが、そのリスクが具現化された事故の実態については公然とは明らかにされていない。

ところで最近の中国報道では、ネパールでの中国の変圧器サプライヤーなどに対して「アルミ線により銅線を代替」した不適切な変圧器の納入により罰金刑が科せられたという。変圧器が不安定な状況に陥り爆発事故を引き起こしたとのことだ。

アルミ線化に際し不十分な検討で発生した事故と思われるが、確かに今も続いていると見られる「アルミによる銅などの代替の動き」に影響を与えるのではないかと思える。

(つくし資源コンサル アナリスト 渡邉美和)

=4/20 日刊工業

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