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企業、中国景気に懸念~今期最高益へ 経営者こう見る

2017年05月15日 | 社会・経済

上場企業が2018年3月期に最高益を達成するには課題が多い。決算発表では経営者から中国をはじめとした海外景気への懸念が語られた。国内消費の回復に一定の手応えを感じつつも、人手不足が成長の足かせになるとの声も少なくない。構造改革やM&A(合併・買収)を軸にした成長戦略の実現で増益を確保する。

 業績拡大をけん引するのは製造業だ。円安による収益の押し上げ効果がなくなる中で、世界経済の回復を取り込み7%の増益を見込む。

 最高益を見込む東京エレクトロンは、スマートフォン(スマホ)やデータセンターに使う半導体の需要が拡大し、製造装置の受注が高水準だ。スマホ関連の投資が集中するのが中国で、米アップルが今秋に発売する見通しの次世代「iPhone」の量産に向けて、EMS(電子機器の受託製造サービス)の設備投資が活発になっている。ファナックはスマホのケースなどを削る小型切削器「ロボドリル」の受注が増えている。

 中国ではインフラ投資の伸びが顕著だ。日立建機の試算によると、中国の油圧ショベル需要は17年3月期に前の期比6割増え、18年3月期も6%増を見込む。

 政府の積極財政が追い風だが、秋の共産党大会が終われば財政出動が鈍るとの懸念が浮上している。決算会見では「公共投資に支えられた需要がいつまでもつか」(日立建機の桂山哲夫執行役常務)、「中国の銅需要は年度後半に減速する可能性がある」(三菱マテリアルの小野直樹副社長)と慎重な声が聞かれた。

 もう一つの巨大市場である米国は新車市場が頭打ちになった。SUBARUの吉永泰之社長は「米国の需要はピークアウトし、販売奨励金が業界全体で増えている」と指摘する。ホンダは北米やアジアで販売台数を伸ばすが、販売管理費や研究開発費の増加が重荷となり減益の見通しだ。

 非製造業は1%増益と伸びが鈍化する見通しだ。前期にソフトバンクグループが大規模な株の売却益を計上した反動で通信の利益が減少する。

 ただ、国内の個人消費に手応えを感じている企業も多く、マツモトキヨシホールディングスの松本清雄社長は「値引きをしなくても売れるようになってきた」と話す。資生堂の直川紀夫最高財務責任者(CFO)は「2月時点では横ばいとみていた訪日外国人の需要が伸びている」という。

 一方で人手不足による供給能力の不足は各社共通の課題だ。ヤマトホールディングスはサービス残業の撤廃など働き方改革のコストがかさみ、2期連続で減益になる見込みだ。日本通運は協力会社に委託する外注費の増加分を荷主に価格転嫁する。

 建設や小売り、介護などの現場では労働力の確保が厳しさを増す。中堅食品スーパーのいなげやは前期に3割の減益になった。パート従業員の不足で臨時の派遣社員の費用がかさみ、正社員の残業代も膨らんだ。ベネッセホールディングスは介護職員の待遇改善に踏み切り、4月から月額給与を最大15%引き上げた。「スタッフの確保と定着につなげる」と安達保社長は話す。

 人手不足を商機にする企業もある。物流施設の自動化システムを手掛けるダイフクは国内の受注が急増している。省力化を目指す動きが「大手だけでなく中堅、中小企業でも高まっている」(北條正樹社長)という。

 今期の想定為替レートは平均で108円台と前期と同じ水準になる。円安の追い風がやみ、これまでに種をまいてきた成長戦略が試される。住友重機械工業は日立建機と共同出資していた移動式クレーン事業を子会社にした。バイオマス発電向けボイラー企業の買収効果もあり、本業のもうけを示す営業利益が9年ぶりの水準を回復する。

 最高益を見込む日本電産はM&Aが業績をけん引する。ソニーはスマホ向けなどに市場が拡大する画像センサーの増産を計画する。今期の営業利益は過去最高に迫る5000億円を予想する。

 衣料品販売大手のユナイテッドアローズは商品数の絞り込みや不採算店舗の縮小などの改革が利益を押し上げる。成長分野の電子商取引(EC)を伸ばしつつ「不採算事業の見直しを進める」(竹田光広社長)ことで持続的な成長につなげる。

 大和証券の高橋和宏株式上席ストラテジストは「円安による押し上げがなくなり、企業の真の実力が試される」と指摘している。

=5/13 日経web

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