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バーゼル法改正で輸入増加見通し~手続き簡素化、効果987億円

2017年07月14日 | 社会・経済

(国連大学がまとめた、2015年の東アジア及び東南アジア12力国及び地域(日本、中国、韓国、台湾、ベトナム、インドネシア、タイ、フィリピン、マレーシア、香港、カンボジア、シンガポール)のE-Waste発生量に関するレポートでは)

12力国・地域内の先進的地域として日本、韓国、台湾を挙げている。香港とシンガポールは特化した法制度はないが、官民連携して管理を行っている。中国、フィリピン、マレーシア、ベトナムは近年、法制度が整いつつあるが、非公式なものも共存する移行期にあるとし、人的、資金的な制約、意識の低さなど類似した問題点を抱えていることを指摘。

カンボジア、インドネシア、タイは法制度制定に向けて活動が行われているが、インフォーマルセクターが国内に確立され、中古品の回収や近隣国から輸入を行っていると記されている。

今回の取材で関係者から聞こえてくるのは「日本は世界のE-Waste市場で競り負けてきた」との声だ。鉱山から産出される鉱石品位が低下する現代において、世界の都市鉱山に眠るE-Wasteを確保していくことは重要な課題と言える。だが、日本はこれまで海外、特に欧米のリサイクルメジャーとの獲得競争で苦戦を強いられてきた。その要因の一つがバーゼル法の手続きの複雑さにあった。

欧州では比較的有害性が低いとされる廃電子基板などを輸入する際、関係機関の同意や連絡をする必要がない。だが、日本では途上国から輸入する場合、有害性の度合いに係らずバーゼル法に応じた手続きが必要で、それに要する期間は「半年や1年もかかることも」(貿易筋)ある。

貿易業者の担当者は「『そんなに時間がかかるならば欧州の取引先に頼む』と現地業者に断れたことが幾度もあった」とため息をつく。そのため欧州並みに手続きを簡素化することを求める声が、以前から上がっていた。

今回の改正では、ここにメスが入れられた。改正後は比較的有害性が低いと認められた廃電子基板等を適切にリサイクルする目的で輸入する場合は、OECD非加盟国からの輸入でも、大半のもので手続きが不要となることが認められた。

経済産業省の試算によると、手続きの簡素化により途上国からの輸入手続きが1件当たり180日ほど短縮される。これにより廃電子基板の輸入量は年間13万トン程度上積みが期待できるとのことだ。また、経済波及効果は合計で987億円になるとの試算も明らかにしている。

    

ここでバーゼル法に基づいて輸入されたE-Wasteに関するこれまでの推移を振り返ってみたい。バーゼル法施行直後の1996年はE-Waste関連の輸入は見られない。98年になり「回路基板のくず」の呼称が登場するが、実際の輸入には至っていない。99年に初めて「回路基板のくず」がフィリピンから10トンが輸入されたことが記録に残っている。

02年には「プリント基板」「電子部品くず」という名称が登場。12年以降は対象物の名称が概ね「電子部品スクラップ」に統一され、輸入が定着してきたことがうかがえる。14年に初めて1万トンの大台を突破し、16年には2万6000トンを超え、12年以降急増している。法律改正後はさらなる増加が期待される。

    

ただし、ここにはOECD加盟国からのE-Waste輸入は含まれていない。OECD加盟国からの輸入について貿易統計で該当品種を見ると、16年は06年比約10倍まで拡大している。ただし、これには貴金属鉱滓なども含まれ、廃電子基板類のみを指すものではないことを留意する必要がある。それを加味してもOECD加盟国からも輸入が増加していることは間違いない。

輸入増加を受け、直近の国内処理量も日本鉱業協会によると14年で24万8000トン、15年度で25万3500トンと増加傾向にある。それを受け、一部の国内非鉄製錬では処理能力の増強を発表しているところもあり、他各社も今回の法改正に前向きな姿勢を示している。

=7/4 日刊産業 「非鉄リサイクル特集~アジアのE-Waste」

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