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フィリピンの鉱山論争激化 閉鎖・採掘停止命令に業界反発

2017年03月08日 | 社会・経済

フィリピンは、ロペス環境相による鉱山の閉鎖・採掘停止命令に鉱業界が反発し、激しい論争が巻き起こっている。ドゥテルテ大統領は、同相への支持を示す一方で再検討も示唆しており、先行きは不透明な情勢だ。現地経済紙ビジネス・ワールドなどが報じた。

 今年2月に入り、ロペス環境相は鉱山での採掘にともなう河川流域や沿岸部の環境汚染が同省の監査で判明したとして、国内の鉱山41カ所のうち23カ所の閉鎖と5カ所の採掘停止を決定した。まだ生産に入っていない鉱山開発計画75案件についても、政府との契約を破棄する命令を下している。

 この命令に鉱業界は猛反発をみせた。フィリピン鉱業会議所(COMP)の幹部は「ロペス環境相は個人的な目標を達成するために鉱業の評判をおとしめ、業界の活動を縮小させようとしている。法的な手続きを省き、政府と企業の契約まで無視した」と強く非難し、同相は大臣不適格者だとまで言及した。

 ロペス環境相は、強硬な環境保護派として知られる。ドゥテルテ大統領からの指名を受諾した昨年7月には「鉱業で利益を受けているのは外国人と富裕層だけで、(環境汚染に)農民や漁民は苦しんでいる」と述べるなど、就任当初から鉱業に批判的な姿勢を示していた。

 ドゥテルテ大統領は当初、ロペス環境相を全面的に支持するとしていたが、その後の姿勢には変化もみられる。2月17日には、フィリピンは鉱業から年間700億ペソ(約1582億円)の利益を得ていると指摘し、評価を見直すとしたうえで「環境破壊が確認されれば命令は有効だが、影響が許容範囲内であれば修正も必要だろう」と語った。

 2011年には前政権が鉱山の開発承認を凍結するなど、フィリピンの鉱業には逆風が吹き続けている。政府統計によると、16年の金属資源の産出額は市場価格の低迷もあり、前年比8%減の1006億ペソにとどまった。

ロペス環境相はこれまでのところ態度を軟化させる気配はみせておらず「流域地帯での採掘を認めない立場は貫く」と言明している。鉱業界との対立が深まるなか、ドゥテルテ大統領がどのような決断を下すかが注目される。(シンガポール支局)

=3/6 SankeiBiz

   
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