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『廃棄物処理法・バーゼル法改正』 金属リサイクルへの影響(下)

2017年06月19日 | 社会・経済

■廃バッテリー輸出、適正処理確認を強化

■廃基板は輸入手続き簡素化

使用済み鉛バッテリー(廃バッテリー)はバーゼル法により輸出入が規制されるスクラップの代表格。鉛バッテリー用の再生鉛地金の原料になり、国内でも製錬、精錬メーカーが購入している。だが、近年は鉛精錬の競争力が高い韓国向けに年間10万トン前後が輸出されており、これは国内発生量の半分近いとの見方もある。

今回のバーゼル法改正では、廃バッテリーの輸出に関しても規制を強める。ただ、不正輸出事例が疑われるといった国内業者に起因したした理由ではなく、むしろ相手国側で適正処理されているかを確認する意味合いが強い。昨年6月に韓国で発覚した複数の企業による不適切処理事例は、国に改正の必要性を強く意識させた。

改正ポイントは主に2つ。1つ目は、輸出業者が輸出承認を取得する際に輸出先が適切な処理業者であるか環境大臣の確認を必要とすることだ。環境大臣確認は従来も経済協力開発機構(OECD)非加盟国向け輸出には義務付けられていたが、韓国のようなOECD加盟国向けは不要となっていた。改正後は、バーゼル法対象物はOECD加盟国向けも確認が必要となる。

2つ目は、不適切処理が疑われる場合に輸出を停止できるようにすること。

輸出承認は基本的に1年間有効で、承認時の数量上限を超えない限り事業者はこの間に何度も輸出できる。毎回の輸出時は移動書類を申請し、承認期間内であれば国は自動的にその申請手続きを進めていた。改正後は、昨年の韓国のような不適切処理事例が疑われる場合に、国が移動書類の手続きを止められるようになる。

廃バッテリー輸出はこれまでもバーゼル法の下で行われており、基本的な輸出手続きの流れは変わらない。しかし、輸出事業者は輸出先で適正処理されることをこれまで以上にしっかり確認する必要がある。

改正法では環境大臣の確認事項を明確化する。ただ、廃バッテリー輸出についてはほかのバーゼル法対象物に先立ち、個別に外為法の通達変更と環境・経産省令変更を行い、今月初めまでにこの2点の規制強化をほぼ終えた。今後は相手先の不適正処理が疑われれば輸出が許可されない可能性がある。

【廃電子基板など】

今回の改正で輸入に関する見直しで盛り込まれたのが、廃電子基板は手続き緩和だ。緩和が適当と判断する根拠は、OECD理事会決定で廃電子基板が環境汚染リスクの低い「グリーンリスト」に分類されていることだ。

廃電子基板などの電子部品スクラップは貴金属のリサイクル原料として価値が高く、日本を含む先進国で製錬メーカーの輸入ニーズが大きい。だが、日本はOECD加盟国以外の国から輸入する場合、バーゼル法に沿って輸入承認、輸入相手国からの事前通告および同意と2段階の手続きを課している。

一方、環境規制で世界を牽引するEUは、グリーンリスト対象物についてはOECD加盟国以外からの輸入もこうした手続きを不要としている。このため日本では輸入手続きにかかる時間がEUのメーカーと比較にならないほど長く、製錬メーカーからはグローバルな集荷競争で不利につながっているとの声が強かった。

国は、資源確保の観点からもEUと同様の対応が必要だと判断。バーゼル法改正によりグリーンリストの廃電子基板などはEUと同様にいずれの手続きも不要にする。経済成長に伴い電子部品スクラップの発生が増加している東南アジアのOECD非加盟国などからの輸入がしやすくなるとみている。

また、OECD決定で比較的有害性が高い「アンバーリスト」に分類される電気炉ダストや金属汚泥に関しても、EUでは特定の回収施設でのリサイクルを行う場合、最大3年間の包括的な輸入同意を与えて手続きを簡素化している。日本も法改正後は、製錬メーカーなどの施設認定制度を導入したうえで、アンバーリストの輸入承認を不要にする。事前通告・同意はこれまで通り必要になる。認定期間は、OECDルールに従えば3年程度になることが考えられる。

     

=6/16 日刊産業

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