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<中国動向と非鉄金属市場>東南アジアからの資源輸入事情が好転

2017年07月13日 | 社会・経済

≪輸出政策の動向に深い関心≫

フィリピンの環境行政と資源輸出に大きな影響を与えていたロペス前環境相の更迭に伴い、同国の資源輸出政策が中国でも大きな関心を集めていた。ロペス氏の就任期間中は鉱業分野にもおおなたがふるわれ、28の鉱業企業が閉鎖や一時停止となり、75件以上の採掘契約が破棄された。露天掘り採掘を禁止する措置も発せられていた。

その後、5月に新任したシマツ環境相はその政策態度を曖昧なままにしていたが、7月に入り、同国の鉱業の発展方向を明示するような政策を明らかにしてきた。鉱業プロジェクトに対して、環境許可証が発行されないとそれから先に進めないという制限を撤廃することにしたのだ。中国では、「既に停止されたフィリピンの鉱山にも好転をもたらすものとなるかも知れず、具体的な進度は分からないが、滞っていた審査も再開されるかもしれない」と興味深く情勢を見守る報道がなされている。

中国はマレーシアから輸入するボーキサイト動向についても敏感になっている。2016年1月にマレーシアは、同国での環境対応としてボーキサイトの採掘を禁止。17年6月にも再度その措置を延長した。ただし、在庫の出荷は許されている。野積みされた在庫に雨水が流入し、汚染が引き起こされることへの懸念からの在庫消費策だ。

しかし採掘禁止が延長され、18カ月で900万トンに及ぶ輸出がされているにもかかわらず、今なお在庫状況は採掘禁止開始時と比べて変化がないように見えることが中国では報道されている。16年12月のマレーシアからの中国向けボーキサイト輸出量は16万5587トンであったが、それ以降、徐々に輸出量は増加し、17年5月には71万9614トンにも達した。「採掘すれば利益が出る状況は続いていて、違法採掘が続く背景となっている」と中国は報道している。

またインドネシアからは、ニッケル鉱石230万トンとボーキサイト240万トンの中国向け輸出が許可されたことが報じられている。同国の国策に従って進められていたインドネシア国内でのニッケル銑鉄やフェロニッケルへの加工プラントの稼働と、鉱石の輸入再開に伴い、これまで綱渡りだった中国のニッケル資源対応にめどがついたとの報道もなされている。

一方、19年のインドネシアのニッケル銑鉄生産量は中国に近付くとの見方がある。インドネシアのニッケル銑鉄生産のコストはロータリーキルン形式の電気炉(RKEF)でニッケル量トン当たり5300―7100ドルと、中国よりも競争力を有しているとも分析されている。

(つくし資源コンサル アナリスト 渡邉美和)

=7/13 日刊工業

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