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<乱立する海外雑品業者>日本企業の経営圧迫~組織力強め生き残り

2017年05月15日 | 社会・経済

中国を中心とする海外系雑品リサイクル業者の乱立が日本のリサイクル業者を圧迫している。法令順守を徹底する業者であれば市場の競争原理と理解はできる。だが違法な家電4品目の取り扱いなど法令違反が疑われる業者の乱立は看過できない。北信越地区では経営破たんに追い込まれる事例が出てきており、金属リサイクル業界では違法業者対策が喫緊の課題になっている。

新潟県妙高市。残雪を頂く妙高山系の雄大な景色を眺めながら車を走らせていると、事業を停止した状態のリサイクルヤードが目に入ってきた。近づいてみると、ヤードの入り口には黄色いロープが張られ立ち入ることができない。シャッターの閉まった建屋の前には、麻袋に入っていたり野積みされたままのスクラップが放置されていた。

新潟県の妙高・上越地区を中心に非鉄金属や鉄のスクラップを取り扱っていた小菅商店だ。「破産宣告を受けたのは昨年夏頃。先代の時から付き合いがあったのに」と、上越市内の金属リサイクル業者は肩を落とす。

経営破たんの要因と考えられるのが海外系雑品業者の乱立だ。

2008年のリーマン・ショック以降に無料回収などで資金を蓄えた外国人が日本全国で続々とヤードを構えばじめた。小菅商店の近隣でもこうした雑品業者がリサイクル業を営む。妙高市内だけではない。隣接する上越市内にも外国人経営とみられる新興の雑品ヤード3カ所以上が確認されており、これまで小菅商店に持ち込んでいた個人などが、こうした新興の雑品業者に流れたとの見方が有力だ。

先代からの付き合いという上越市内のリサイクル業者は、「個人の持ち込みが減って苦しかったのか、最近は中国系業者から被覆線などの非鉄原料を購入していたようだ」と話す。海外系雑品業者は原料の高値集荷が強みの一つ。そこから原料を買い付ければ収益を圧迫する。ここに市況低迷が追い打ちをかけ、経営破たんに追い込まれたとみられる。

こうした海外系雑品業者の影響をもろに受けるのは主に小規模事業者。例えば大手の鉄スクラップディーラーなら、海外系雑品業者を新たな原料ソースとして活用できる。実際に海外系雑品業者のヤードに大手ディーラーのトラックが出入りする光景を目にする。だが個人客なども相手にするような末端の小規模事業者にとっては、年中無休で何でも買う彼らの存在は脅威でしかない。

集荷した雑品スクラップの中に廃家電などが混入していると火災原因にもなる。近年相次いで港湾や航海途中で火災が発生している事態を重く見て、行政はようやく本腰を入れて規制強化に乗り出した。今国会で審議される予定の廃棄物処理法とバーゼル法だ。

これに伴って都道府県レベルでの権限強化などが実施されれば、海外系雑品業者のこれ以上の乱立は防げるかもしれない。だが海外系雑品業者の中には親の代から日本で暮らす中国人が多く妻子もいる。自らの生活がかかっているため、すでにヤードを構えている雑品業者が簡単に撤退するとは思えない。

日本のリサイクル業者はどのように彼らと対峙して生き残っていくのか。ヒントは新潟県三条市と富山県高岡市周辺にある。この2つは海外系雑品業者が少ない地域。ゼロではないが、近隣の新潟市や冨山市周辺が雑品業者の激戦区になっているのとは対照的だ。

共通するキーワードが組織力。例えば三条市には鋼材流通やリサイクル業者が加盟する三条商鉄組合がある。会員相互の信頼関係が強固で、地場産業とも密接で良好な関係を築く。総会をはじめとする組合行事の出席率も高い。

一方の高岡市周辺でも北陸非鉄金属リサイクル商工業会の活動が活発で会員同士の交流が盛んだ。鋳物工場などスクラップ発生元との結びつきも強い。こうした組織力が強く地域経済との結びつきも強固な地域は、集荷能力の高い雑品業者でも簡単には参入できないかもしれない。

法律でリサイクルが義務付けれている家電4品目の取り扱いなど、違法操業がまかり通ると金属リサイクル業界全体のイメージ悪化は避けられない。リサイクル組合が組織されている地域は、改めて組織力を高めるような取り組みを進め、違法業者が簡単には参入できない障壁を築く必要があるだろう。

組合がなく業者間の関係が希薄な地域も多い。こうした地域では「地域の大手業者がリーダーシップを発揮して、違法な雑品業者から原料を購入しない姿勢で臨んでほしい」と、新潟県内のある金属リサイクル企業トップは指摘する。

=5/15 日刊産業

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