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中国、生産能力削減の対象拡大 火力発電や建材も

2017年03月08日 | 社会・経済

【北京=多部田俊輔】中国経済をかじ取りする国家発展改革委員会(発改委)は6日、生産能力削減を柱とする供給側の構造改革の対象範囲を石炭と鉄鋼から、火力発電や建材、非鉄に拡大する方針を示した。2016年は石炭と鉄鋼で大規模な設備廃棄に取り組み、石炭や鉄鋼の価格が乱高下した。世界2位の経済規模となった中国の政策変更は世界の市況を左右しそうだ。

 5日開幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で李克強首相は今年の実質経済成長の目標を6.5%前後とし、3年連続で目標を下げた。無理な高成長を追わず、中長期の安定を重視したためだ。政府活動報告の重点任務の筆頭に「生産能力削減」を位置づけたのも、安定成長を実現するためだ。

 発改委の何立峰主任は6日の会見で「供給側の構造改革を加速する」と強調した。寧吉喆副主任も「構造改革の中で最も重要なことが生産能力削減だ」と明言した。

 設備廃棄の対象業種に、これまでの石炭と鉄鋼に加え、石炭燃料の火力発電設備を新たに指定した。17年の削減目標は5000万キロワット。国家エネルギー局によると、16年末の火力発電能力は10億5000万キロワットで、削減幅は全体の約5%を占める。

 「火力発電の設備はこれまで年5%程度のペースで増えており、16年は過去最低レベルの稼働率だった」と電力会社幹部は打ち明ける。このため、発改委は新たな建設認可を厳しくする一方で、旧型で燃焼効率が悪く、大気汚染を引き起こす設備を中心に削減を進める方針だ。

 中国は発電と送電を分離しており、今回の取り組みは電力の卸価格を押し上げる可能性がある。

 「建材や非鉄なども生産過剰が起きている」と寧副主任は指摘し、セメント、ガラス、銅などで削減に取り組む考えを示した。「市場のコントロールや法律などの手段によって生産能力を削減していく」という。

 建材の業界団体によると、セメントの年産能力は35億トンで、3割程度が余剰とされる。まずは1割の削減をめざすとみられる。ガラスは設備の稼働率が7割程度とみられており、業界団体では9割程度まで引き上げることを目標にする。企業の合従連衡で設備廃棄などを加速させる方針だ。

 石炭と鉄鋼の削減も進める。それぞれの削減目標は石炭が1億5000万トンで、鉄鋼は5000万トン。16年の実績が2億9000万トンと6500万トンのため、削減幅は縮小した格好だ。しかし、寧副主任は「生産能力削減の手を緩めるわけではない。削減の取り組みを強化する」と強調した。

 業界関係者によると、16年の削減は実質的に稼働していなかった老朽設備が含まれるため、当初の計画から積み上げることができたという。「17年の削減は稼働中の設備が対象となるため、企業の抵抗が強くなる」(陝西省の炭鉱幹部)との見方も出ている。

 生産能力の削減によって、価格を押し上げて企業の業績を改善する狙いもある。石炭と鉄鋼では16年の価格がピーク時には15年末の2倍近くまで上昇し、石炭大手と鉄鋼の16年の利益総額はそれぞれ15年の3倍の規模に伸びた。今回の取り組みでも、企業業績の改善を後押しする狙いがあるとみられる。

 中国は世界最大の石炭需要国で、鉄鋼の生産量も世界1位。中国国内の需給は世界の市況に大きな影響を与える。16年は素材価格が政府の想定よりも上昇したため、政府は割安価格での長期契約の奨励などで価格安定を図った経緯があり、世界の市況が振り回された格好となった。

 「政府の直接的な指導によって、製品生産が大きく左右されることは市況の安定にとって望ましくない。政府は市場メカニズムを重視した政策をとるべきで、そうすればもっと市況は安定するだろう」。中国のエネルギーに詳しい外資系アナリストは指摘する。

 ▼国家発展改革委員会 中国の経済政策全般の立案から指導までの責任を負う国務院(政府)の中核組織。エネルギー政策や各産業の管理監督も手掛けるうえ、インフラなど公共事業の許認可など経済政策全体に強い権限を持っている。

 その前身は1952年に発足した国家計画委員会で、国家発展計画委員会を経て2003年に一部組織を取り込む形で国家発展改革委員会となった。旧ソ連など社会主義体制の国では同様の組織があることが多い。

=3/6 日経web

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