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中国、アフリカで緩む「内政不干渉」の方針

2017年07月13日 | 社会・経済

昨年、南スーダンで中国平和維持部隊の隊員2人が殺害された。1人は四川省の元キュウリ農家、もう1人は山東省に妻子がいる男性だった。

 世界で一番新しい国、南スーダンの首都ジュバにある難民キャンプ付近で巡回中だったこの2人が殺害されたとき、中国のソーシャルメディアで小さな騒ぎが起こった。遠く離れた地で中国の関与がますます深まることに対して、投稿者数人が不満をぶちまけたのだ。「我々を傷つけたやつらと戦おう、ただ批判するだけではだめだ」と、ある人は書いた。

中国は南スーダンに750人の平和維持部隊を派遣しており、コンゴ民主共和国やリベリアを含め、アフリカ大陸全土では2000人以上を数える。国連安全保障理事会のどの常任理事国よりも大きな部隊配備だ。中国政府がこれほど遠い地で人命を危険にさらす意思があった。このことは、いかに中国の経済的な野望が政治的な関与に姿を変え、外交問題への不干渉という数十年来の戦略をひずませているかを物語る。

■「数年前には想像つかない」関与

 「この不干渉主義が厳しい試練にさらされている。天然資源の話になると、特にそうだ」。ジュバの独立系シンクタンクの創業者、ピーター・ビアル・アジャク氏はこう話す。同氏によると、南スーダンにおける中国の政策は今のところ、「主に石油が流れ続けるようにすることを目的としている」。

 南スーダンが2011年に独立を獲得する前、中国政府はもっぱら、ハルツームに首都を置くスーダン政府とだけ取引していた。「我々が1つの国だったとき、中国は助けにならない役割でハルツームの政府を支援し、和平合意の実行を困難にしていた」とアジャク氏は言う。

 独立が現実になったとき、中国政府は方針を変えた。石油の大半が南に埋蔵されていたからだ。アジャク氏によれば、中国は以来、シャトル外交に積極的な役割を果たす。まず石油がスーダンを通る際のパイプライン使用料について交渉し、その後、みるみる手に負えなくなった南スーダン内戦に介入した。内戦は石油の流れを阻み、何百万人もの住民に避難を強いた。

 「南スーダンにおける(中国の)関与の度合いは、ほんの数年前でさえ想像が及ばなかったろう」。シンクタンク、インターナショナル・クライシス・グループ(ICG)が発表した研究論文で、謝艶梅氏とケイシー・コープランド氏はこう論じている。「中国政府は大まかな不干渉の原則を維持しながら、解釈を広げ、その原則を適用する新たな方法を試す中道を描いた」

■徐々に放棄した不干渉主義

 習近平氏が12年に国家主席に就任して以来、中国は徐々に、50年以上にわたって順守してきた不干渉主義を放棄してきた。習氏の指揮下で、中国はジブチの「アフリカの角」に海軍基地を設置し、兵士の外国駐留を認める法律を可決し、東シナ海と南シナ海で影響力を強化してきた。

 海外での政治的関与の拡大は、中国の対外投資の激増に伴って起きた。対外投資は02年の27億ドルから昨年の1700億ドルへと跳ね上がり、その多くがリスクの高い国で行われている。

 コンサルティング会社コントロール・リスクスの北京代表、マイケル・ハンフリース氏は、中国の大型投資の大半は、政府間協定を通じて実施されていると指摘する。

「中国人は、海外のすべてが中国と同じだと思い込む。中央政府が自分の代わりに物事を実現してくれると考える。問題は、プロジェクトを実現させる運用上の権限の多くが中央政府レベルにはなく、省や県、地方自治体、あるいは部族のレベルに存在することだ。下位政府で中国人は問題に突き当たる」

 対応を間違えると、高くつくことがある。例えば11年のリビア内戦だ。大半の国がムアマル・カダフィ大佐の最高指導者の地位は続かないと判断した後でさえ、中国政府は大佐と近しい関係を維持し、反対勢力との関係を速やかに築くことができなかった。中国企業は180億ドル相当のインフラプロジェクトで戦闘の被害を受け、カダフィ大佐なき後の商談から締め出された。中国によるリビアからの石油輸入は急減した。

 「リビア問題は中国の外交政策の意思決定者と思想家の関心を集中させ、不干渉の枠組みに関する議論を先鋭化させた」。現在は北京でガベカル・ドラゴノミクスのアナリストを務める謝氏は、こう書いている。

■遠いから「試行錯誤」できる

 中央政府にだけ集中する危険は、スーダン内戦と11年の南スーダンの分離独立によって実証された。

 デンマーク国際問題研究所(DIIS)の上級研究員、ルーク・パティ氏は、ハルツームの政府とだけ付き合う中国の政策は裏目に出たと言う。同氏は間もなく発表される論文で、「経済的な失政と政治的な利益誘導、軍事化、ハルツームのスーダン人エリート層の汚職という長年の慣行はスーダンの石油収入によっていっそう強まり、石油会社は、権利を奪われた集団の標的になった」と主張している。

 研究で発言を引用されたある学者は、アフリカでの介入を中国は「試行錯誤」できると語っている。というのもアフリカ大陸は依然、南シナ海など自国に近い場所ほど国家主義的な情熱が向けられていないからだ。

 英サセックス大学の新興国研究機関、CRPDのジン・グ所長もこれに同意し、アフリカは中国に軍事的関与と外交の実験場を与えたと指摘する。「国際的な平和維持活動への関与という点でアフリカは中国にとって重要な大陸だ」としたうえで、中国が「責任ある大国として自国のイメージを打ち出し」始めたのはアフリカだと語っている。

 (2017年7月12日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 )

=7/13 日経web

 

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