会場は、パストラル加須小ホール
不動岡『たとえば君が~invisible reality~』作:秋口純子
不思議な舞台でした。
それは第一に大道具にどうこだわっているのか。
緑の布も、屋外を示すのであろう高さの低いパネルもいらないです。
でも一番の問題は台本。題名に反してリアリティはなかったです。
エンディングも疑問符が残るだけでした。
役者は決して悪くないのだから、もっとイイ台本を選んでほしいです。
蓮田松韻『死神の暇つぶし』作:悲喜小森
とにかく台本に問題があります。
登場人物の思考に一貫性がないです。
ご都合主義的にその場に流される3人の登場人物でした。
大道具の廃屋の屋上に輝くパイプ椅子があるのもご都合主義です。
この台本の問題点を話し合ってほしいです。
そうしないといつになってもイイ台本は選べないかも知れません。
この学校も決して役者は悪くないのだから。
破綻は、「はじょう」ではなく「はたん」と読みます。
幸手桜『日本無人島クラブ』作:あいもんと幸手桜高校演劇部
この学校も台本に問題があります。
日本無人島クラブの人たちの行動の目的が見えてきません。
大道具も絶対に学校にはなさそうなひな壇。
そして役者の芝居は大袈裟でわざとらしい演技。
せっかく用意した照明機材は使われず。
お金がないはずなのに機材は立派。
流れた映像に合成技術は使われておらず。
後半の業界用語コントもしつこくてなのに面白くなかったです。
声もしっかり出る、たぶん芝居もできる役者が多いのだから、
それにふさわしい台本を選んでほしいです。
久喜『ガラスの靴はないけれど』作:たかはし凍湖
台本に軸がなかったです。なのでとても判りづらかったです。
人魚姫とおばばの対立かと思いきや
葉月、飯田、桃子の成長みたいだったりして
何を描きたいのか判りませんでした。
また、リアル世界が主なのかおとぎ話世界が主なのか
それともその両方が混ざっているのか。
葉月が人魚姫を読んでいるのかとも思いましたが、
そうだとしても伝わってこなかったです。
1年生ばかりだけど、素舞台だけど頑張っていました。
イイ台本を選んでください。
Cast表に王子役の役者名がなく気になりました。
ここまでの4校で、バック幕がホリゾント幕なら、ホリ明かりはできる限り入れてほしいです。
音響の雑音の原因はなぜなんでしょう。
客入れ音楽を流してほしいです。
上演時間を無理に60分に延ばそうとせず、テンポの良い芝居作りを目指した方がいいと思います。
暗転を減らす、大道具の移動を減らす、不必要な道具を使わないなど、芝居の基本をもっと学んでいってほしいです。
宮代『La maison de Chats』作:渡部裕美&宮代高校演劇部
5校中でこの宮代だけレベルが違いました。
芝居の作り方はよく判っていて、そこに問題点は余りないと思います。
たぶん部員に合わせて台本を書いたのでしょうが、
登場人物が多すぎて60分に収めるには無理があったと思います。
そしてストーリーにドラマがなかったです。
一般的な新入りの成長を見せるわけでなく、
シェアハウスに住む集団の成長でもなく、
対立もほとんど生まれず、対立が生まれても解決せず
ドラマらしいドラマがなく終わってしまいました。
そしてそれを誤魔化すようなエンディングの歌唱。
役者の力に差はあるけど、決してレベルは低くなく、
でも、誰が誰だか判らなくなりました。もったいない舞台でした。
以上、勝手な劇評を書かせていただきました。
とてもいい会場だけど客席が埋まらないのは残念でした。
場内アナウンスで『幕間』を「まくま」と言っていましたが、「まくあい」の方がいいと思いました。
また、上演校紹介と本ベルと客電ダウンと緞帳アップの流れに妙に間が空いていてもうちょっと自然に行った方がいいと思いました。
同じCブロックとして、お互いお疲れ様でした。