AWA@TELL まいにち

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夜間定時制高校の見学

2017年02月07日 | 日本語教育
昨年度に続いて、今年度も、

明和高校夜間定時制の授業を見学させていただきました。

愛教大の学生さんたちに呼びかけて、希望した学生さんを引率して、

2年生の国語の取り出し授業を見学しました。

夜間定時制高校も、日本語指導が必要な子供たちの貴重な学びの場です。

今日は、参加した大学生と一緒に、保健室で症状を伝えるという練習に参加しました。


授業の前後にご担当の笹山先生から全体像や、授業の内容についての講義をしていただき、大変勉強になりました。

やっぱり、本を読むだけではわからないことは多く、

学んでいる方たちの背景も、ひとくくりにはできないことを実感した時間でした。


給食のお話も勉強になりました。ムスリム対応、ヒンズー対応をされているということでしたが、給食のプレートに、対応が必要な生徒さんの顔写真を置いてわかるようにしている、ということで、現場での細かな工夫、配慮を知ることができました。


授業を見せていただいて、二つ、感じたことがあります。

一つは、自己紹介してもらった時に、名前を言ってくれるのですが、これが全く聞き取れなかったのです。

原因は、単純なことで、母語での発音をそのまま言っているから。

カタカナに転写した名前を読み上げる、という訓練をしないと治らないところです。きっと、これから指導されていくのだと思います。


もう一つは、単語の翻訳を与えても役に立たないことがあるという気付きを日本人側が知ることの重要性。

それは、今日、会話練習をしているときに、重いものを持ったりするときに腰を痛めないように腰につけるもの、の名前を日本人大学生のほうで、「なんだっけ、コルセットだっけ、サポーターだっけ」と話していたのを見て思いました。

語彙を一つ与えたとこで、たぶん、お店では、「重いものを持ったりするときに腰を痛めないように腰につけるもの」といったほうが通じるんですよ。

留学生が電子辞書を見たり、紙物の辞書もそうですが、一対一の翻訳を見つけてきても通じないことがあるのは、聴き手となる日本語母語話者も知らないことがあるということが大きな要因の一つですが、説明できる能力を身に着けておくというのは重要だなと改めて感じました。


そんなこんなで、現場の蓄積が、次の世代につなげられるように、私も個人レベル、また、学生さんへの指導の中で努力していきたいと考えて見学を終えました。


どうもありがとうございました。






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