こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『路地裏のほたる食堂』大沼紀子

2017-02-15 19:42:27 | 読書感想
久住亘は、四歳の夏の日に人を殺しかけた。
そのことは、狭い田舎町の隅々まで知れ渡り、あからさまに後ろ指をさされるようになった。

亘の個人的見解「人生は五センチで変わる」という実感は、亘が落としたレンガがあと五センチ軌道がずれていたら、ご隠居の頭を直撃し、彼を亡き者にしていたかもしれず「たった五センチ」で亘は人を殺さずにすんだという意味なのだった。

とはいえ、亘は東京で国立大学の三年生をやっており、母親の意向に教員資格を取ることというのが無ければ、教育実習ででも里帰りなどしたくはなかった。

里帰り早々、町では猫缶騒ぎなるものが起きていたり、妙な屋台が出没していたり、亘の過去を知っていそうな美少年が現れたり、しかも、亘の幼なじみが騒ぎに首を突っ込もうとしたりと、散々。
果たして、亘の教育実習は無事に終わるのか?

最初は軽い話でいくのかな?と思っていたのですが、コメディ要素はありつつも、なかなか重く深刻な話で、大丈夫かな?と感じました。
ただ、亘自身の人間性なのか、事態が良い方向に進みだして大団円(?)となったときには、ホッとしました。
まあ、神さんの記憶喪失が気になるところではありますが、多分、シリーズ化されれば、そこも少しずつ分かってくるのではないかと思います。
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