こっぱもちの部屋

主に、読書感想のブログです。他に、日常生活で楽しかったことを書くと思います。

『花魁さんと書道ガール』瀬那和章

2016-06-28 19:40:56 | 読書感想
花沢多摩子は大学一年生。

書を学ぶために白城大学の教育学部書道科に入った。
今は、大学近くの祖母の家で暮らしている。

しかし、多摩子が学祭から帰り、臨書を始めようとしたところで、祖母が一階の台所で倒れ、入院することとなった。
入院の準備中、祖母の化粧台の中から箱に入った簪を見つけたところ、その夜、春風と名乗る花魁の幽霊が現れた。

春風が成仏するために本物の恋を見たいと言うので、多摩子の体を貸して恋に悩む人の相談に乗ることにしたが・・・。

多摩子が様々な他人の恋の形を見ていくことで、自らの恋を見つめ直して真実に気づくところが面白く、コミカルでありながら真っ当な恋物語になっていると思えました。

創元推理文庫でありながらミステリではありませんが、楽しかったです。
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『モナドの領域』筒井康隆

2016-06-27 19:57:07 | 読書感想
河川敷でバラバラ屍体の右腕が見つかり、その後、近くの公園でも片足が見つかった。

駅近くの商店街にあるパン屋の一つ、アート・ベーカリーで臨時に雇われた美大生が、知ってか知らずか女の右腕の形をしたパンを作り、売りものにはできなかったもののショーケースに入れることにした。
それが評判を呼び、商品として販売することになった。

間もなく、そのパンを広めることになったエッセイを書いた美大教授が超越者を名乗り始めたのだが・・・。

GODこと美大教授の宗教と哲学についての話が、難しくて分かりにくいながらも面白いのですが、なるほど、そういう風に まとめられるとは思いませんでした。
それならバラバラ事件も、いきなり現れた超越者の問題も片付きますね。
お手並み、お見事でした。
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『現代詩人探偵』紅玉いづき

2016-06-23 19:36:37 | 読書感想
ハンドルネーム「蒼ざめた馬」は、2004年6月6日『現代詩人卵の会』地方都市オフに、15歳にして参加した。
ただ《探偵》という詩を発表していたため、そちらが通り名になってしまった。

当時9人のメンバーがいて、また10年後の再会を約束したのだが、それを果たした時には、半数近くが死亡していた。
25歳の探偵は、彼らがなんで死んだのか5W1Hのすべてにおいて知りたいと思い、会のメンバーの協力も得て調べ始めた。

読み始めて第1章が終わるころには、しまったと考えだしました。
何と言うか、脳みそを絞るような、心を切り裂かれるような、そんな気分を味わいましたので。

章ごとに明かされていく、彼らの死因。
そして最後に、本物のどんでん返しが待ち受けていました。
逆に、それがあったおかげで心のモヤモヤが吹き飛ばされ、ミステリらしい謎解き後の爽快感を感じることができたのです。

読み終わって感じたのは、創作って取り憑かれること?という疑問でした。
それとも「業」なのでしょうか?
素人の私には分からないのが、残念であり幸いでもあるのでしょう。

お勧めです。
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『オーリエラントの魔導師たち』乾石智子

2016-06-21 19:36:05 | 読書感想
テイクオクの魔導師・リクエンシスに魔導対戦を挑む、貴石魔導師のカッシ。
勝敗は、いかに。
「紐結びの魔導師」

男に虐げられた女たちが駆け込むのは、禁断の女魔導師の元。
そして、その総元締めは、思いがけない人物だった。
「闇を抱く」

自分の家族と民族を皆殺しにされた少年が、どのように復讐を成し遂げようとしたか。
「黒蓮華」

何かと買い物のたびに漁師に難癖を吹っ掛ける写本師イスルイールの元に、弟が会いに来た。
甥とともに和やかにすごしたのだが、間もなく、いわく付きの人物がイスルイールの家に火をかけた。
「魔導写本師」

様々な民族の、色んな種類の魔導師が登場して、その手際に感心させられたり、その心の闇におののかされたり、闇を持ちつつ思いやりが深い人間性に感動させられたりと、とても面白く読ませていただきました。

ハイファンタジーは、あまり得意ではないので、私にはちょうど良い短編集だと思いました。
とは言え『夜の写本師』は、読んでみたくなりました。
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『恭一郎と七人の叔母』小路幸也

2016-06-19 19:22:21 | 読書感想
更家恭一郎は、素封家の長女・志乃子の長男として生まれたが、出生前に父が事故で他界していたため、実家で七人の叔母に囲まれて育った。

これは、恭一郎が長じて語った、とてもバラエティに富んだ個性を持った叔母たちについての話である。

八人姉妹ともなると、その育つ社会環境も大きく違いますし、それに元からの性格や容姿なども重なって、何とも面白いエピソードが明かされていきました。
話の聞き手の正体も、面白いですよ。
あと、恭一郎もその聞き手も、ある意味嫌な奴かも(笑)
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