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店長が首をつったお店

2015-06-29 01:54:56 | 奇妙な体験

私が大学生になり、親元を離れて一人暮らしを始めたころの話です。
できたばかりの大学で、入学人数に対しての下宿先、アパートなど不足していました。
寮もありましたが、抽選で入れませんでした。
不動産屋さんを何件も当たりましたが、なかなか良い物件がありませんでした。
あったとしても、大学から遠かったり、古くて汚かったり。
なかなか決まらないので、多少遠くてもしょうがないかと思っていたころ、不動産屋さんから、ある部屋を紹介されました。
下は、文房具屋さんで、その上に部屋があるので、ここを借りてはどうかと言われました。

両親と一緒に足を運ぶと、改装したばかりの一人暮らしにはもったいない2LDKの部屋でした。
しかも、家賃が相場より大分安くなっていました。
大学からも近く、人通りも多く、大変良い住環境でした。
こんなにいい物件をどうして他の人が借りないのか大変不思議ではありましたが、他に物件がなく、入学式も近づいていたので、その場で決めてしまいました。
下に住む文房具屋さんも、大変良い方で、新しい生活に胸を躍らせていました。

無事に荷物を運び入れ、入学式も終わり、少しずつ新しい生活にも慣れてきていたころです。
夕飯を作っていると、ふと、何かわかりませんが、目の前をすうっと横切りました。
虫ではありません、何か形のあるものが。
ほんの一瞬の出来事でしたので、その時は気にもせず、夕飯を作り続けました。

またしばらくして、今度は、人のような形のものが洗濯機をすっと通り抜けたのがわかりました。
あっと思い、動けませんでした。
でも、不思議とコワイという感情は起こりませんでした。
それよりも、なんだろうという気持ちのほうが大きかったです。
その後も、2度3度、この人のような形のものが冷蔵庫や洗濯機に通り抜けていくのを見ました。

台風が近づいていたある日、夕方からものすごい風と雨が降り始めました。
いつもは、自転車で大学から帰るのですが、その日は、ものすごい雨と風でしたので、しょうがなくタクシーを使うことにしました。
タクシーを呼び出し、行先を告げるとタクシーの運転手さんは「え?」と言い、一瞬顏を強張らせました。


その様子に、私も「え?何か?」と聞き返しました。運転手さんは、何か言いたそうな顔をしていましたが、口を閉ざしてしまいました。
何かあると思い、「何ですか?」と少々強い口調で聞きました。すると、運転手さんは私に次のようなことを教えてくれました。

今、私が住んでいる場所は、一年前までは、洋服屋さんで、店長は、若く、大変やり手の方だったそうです。
売られている服のセンスも大変良く、年齢問わず、いつもお客さんで賑わっていたようです。


しかしながら、彼のお友達か家族かそこはわからないけど、何かの事業で失敗して、夜逃げをし、あとに残った借金の肩代わりを彼がしなければならなくなり、そのうち精神状態がおかしくなり、あのお店で首をつって亡くなったそうです。

それが、一年前のことだったとタクシーの運転手さんは、語ってくれました。

その話を聞いて、私は、びっくりし、あの人のような形のものが、お店の主人だったのだと気づきました。
そのことをタクシーの運転手さんに言ったところ、運転手さんは驚き、そこに住んでいる私を心配してくれました。

「怖くないのかい?」と聞かれましたが、「不思議と怖くないんです」と答えました。
「あ、でも、彼は人に害を与えるようなやつではなかった、本当にみんなに愛されていた。」と彼を思い出しながら、そうつぶやきました。
そのような話をしながら、家に到着しました。


タクシーの運転手さんは、2階の私の部屋に手を合わせ、帰っていきました。

その後も、何度か彼が通りすぎるのを目撃しましたが、結局、私は4年間住み続けました。

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