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トンネルの中の子供

2015-06-22 08:38:50 | 怖い話・心霊体験

これは私が大学一年生のころの話です。
当時、私は自動車教習所に通っていました。
その日、私は仮免許を取得して、初めて路上教習に出ることになりました

助手席に座る教官に指示を受けながら、
私は街中を教習車で走行していました。
最初は運転が怖かったのですが、徐々に慣れてきて、
教官に「もう少し速度を上げてもいいよ」
と言われたこともあって、
少しアクセルを踏み込んで走っていました。

気分よく走り続けているうちに、
やがて、ある一つのトンネルへと差しかかりました。
トンネルと言ってもそれほど大きいわけではなく、
電車の線路が通っている地面から盛り上がった土台の中を
貫通するように作られた、小さなトンネルでした。

ですが、そのトンネルの近くへとやってきたとき、
私は何だかひどくうすら寒い気分になりました。
当時は夏で、むしろ暑いくらいだったのですが、
何故だかそのときだけ、奇妙な冷気を感じたのです。
私は思わず、トンネルの手前の辺りで車を止めてしまいました。

「早く進んでください」
教官の言葉に促され、
私はアクセルを踏みました。
早くこのトンネルを抜けたい、そう思いながら
私は心持ちスピードを出しながら走行していました。

そのときのことです、車の目の前に
一個の野球ボールが跳ねるように飛び出てきて、
その直後に野球帽を被った子供のような
影が横切ったのです。

もちろん、私は慌てて急ブレーキを踏みました。
そして、完全に車が停まったあと、
辺りを注意深く見回したのですが、
野球ボールも、野球帽を被った子供の姿も、
どこにもありませんでした。

そもそも、それらが現れたのは狭いトンネルの
真ん中あたりのことで、
子供が走って横切っていくような空間の余裕など、
最初からなかったのです。
恐らく、運転の緊張で何かを見間違えたのだろう、
私はそう思いました。

勘違いで急ブレーキを踏んでしまったことを
教官に咎められるかと思っていましたが、
不思議なことに、教官は急ブレーキには一切ふれず、
「早く発進してください」
というだけでした。

ですが、心なしか、
教官の顔には冷や汗が浮かんでいるように見えました。

路上教習が終わって教習所に戻った後、
教官は事務的にさきほどの急ブレーキについて
注意をしました。
そして、そのあとしばらく考え込むようにしてから
口を開きました。

「あのトンネルを通るときは、
少しスピードを遅めにした方がいいかもね。
あそこには、変な噂があるんだ」
そう言って、教官はあのトンネルに
まつわる怪談を教えてくれました。

あのトンネルでは、昔交通事故が起きたらしいのです。
それは、野球を終えて家に帰る途中だった小学生が、
猛スピードでトンネルを走りぬけようとした
車に轢かれ、死亡するという悲惨な事故でした。

そして、その事故が起きてからというもの、
あのトンネルを車が通るときに、
奇妙な野球帽を被った少年の影が
現れるようになったといいます。
それも、現れるのは決まって、
トンネルの中を通ろうとする車が、
スピードを出していたときだけらしいのです。

もしかしたら、死んだ少年の幽霊が、
スピードを出してトンネルを通ろうとしている車に
警告を発しているのかもしれない。
そう言って、教官はその話を締めくくりました。

それからというもの、私は路上教習に出るときは
いつもそのトンネルではスピードを遅めにして
通るようになりました。

そのおかげかどうかはわかりませんが、
最初にその野球帽を被った少年の影を見て以来、
二度と同じような体験をすることはありませんでした。
ただし、トンネルの中を通るとき、
毎回のようにあの奇妙な寒気を感じていました。

その後、全ての教習を終え、私は無事に免許を取得しました。
ですが、ドライブをするときでも、
私は自分からはあの不気味なトンネルには
近づかないように気を付けています。
うっかりスピードを出して通ろうとしたら、
またあの子供の幽霊が現れるかもしれませんから。

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