交通事故と闘う

私の父は交通事故に遭い、脳に障害を負いました。加害者は謝罪せず、損保の対応は二転三転..。その「闘い」を綴っています。

加害者の「逃亡」は許されるのか?

2006-10-19 10:19:40 | 交通事故と闘う
久しぶりに、父の事故の進展を書こうと思います。


加害者は、「父がどんな生活をしているか、丸1日見に来る」と約束していましたが、その後弁護士を立てて、こちらから連絡ができない状況になっていました。
※この場合の「見る」は、代わりに介護をするという意味ではなく、あくまで、「父がどんな1日を送っているのか、観察(見学?)する」ということで、加害者と私の間で、合意が出来ていました。


これまで、交渉など全く手つかずでしたし、そんなことは後回しで、父の介護に専念するようにしてきましたが、父の容態がこのところ思わしくありません。
「父の様子を見せる」ことは、父が元気なうちにしなければ、意味がありません。高次脳機能障害者の生活がどれほど大変か、百聞は一見にしかず、なのです。

そこで、思い切って加害者宅に電話してみたところ、加害者は、こちらに何も知らせず、転居してしまっていました。私にしてみれば、「逃亡された」という思いです。


その後、こちらの弁護士が骨を折ってくれて、加害者の転居先をつかむことができましたが、加害者代理人の弁護士に対し、「『被害者を見に来る』という約束をしていたので、ぜひ来るよう伝えて欲しい」と伝えたところ、

 「被害者の息子(このblogを書いている私)の暴言が、今の状況を招いている」
 「被害者やその家族に同情はするが、そちらの責任だ」

という文書が返ってきました。しかも、「加害者が私に依頼することに至った経緯」と題した、11枚にもおよぶ資料が、加害者側弁護士から届きました。
資料は、事故から半年後に作成されていて、PowerPointで綺麗に作成された資料でした。「いつ見舞いに行ったのに追い返された」とか、「被害者に手土産を持参たが、突き返された」等々、加害者なりの思いが書き連ねてありました。
もちろん、「被害者の生活を1日みる」という約束や、損保の担当者とトラブルがあったことなど、加害者側にとって不利になることは、一切書かれていません。

そして、加害者の言い分としては、
 「父をこんな目に遭わせたことを一生許さない」
 「反省も謝罪もしないなら、あらゆる合法的な手段をとるから覚悟しろ」
という私の発言が「暴言」で、だから、「被害者を見に来ることはしない」という理屈のようです。


昨今、飲酒運転に起因する大きな事故が多発しています。いやむしろ、福岡の幼児3人死亡事故の影響で、今までは注目を浴びなかった事故が、クローズアップされているだけかも知れません。

いずれにせよ、事故被害者やその家族について、マスコミを通じて目にすることは多いわけですが、「加害者を殺してやりたい」とか、「業務上過失致死と言っても、実態は殺人じゃないか!!」といった声をあげる人が多く、それを見て同様することはあっても、「殺人は言い過ぎ」というようには感じません。

しかし、私の父を、言わば「半殺し」にした加害者は、ろくに謝罪することもなく、弁護士任せで自分は引っ越しをし、挙げ句「被害者側の態度が悪い」と言い出しています。


こんな状況なので、「(加害者が)父を見に来る」という約束が実現するかどうか、極めて不透明な状況です。
加害者は、自分の息子や娘が同じような目に遭ったとき、「俺の子どもを帰せ」とか、「お前を許さない!!」とか、言わないのでしょうか...?


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飲酒運転だけが「悪」なのか?

2006-09-27 23:03:47 | 交通事故と闘う
このblogを立ち上げた当時は、父の介護の様子と損保・加害者との闘いの記録と、自分自身を鼓舞するためにと書き連ねていましたが、最近、ほとんど自分のことを書かなくなっていたことに、ふと気づいたところです。

と言うのも、父の具合が思わしくなく、明日から急に帰省することになりました。
急に仕事の休みを申請し、予定していた会議をキャンセルするなど、ある意味私にとっては、父が事故に遭ってからの3年あまり、もう当たり前の出来事になってきました。
ですが、残念ながら上司を含め、それを必ずしも理解してくれる人ばかりではないため、とても心苦しい思いをしているのも事実です。

しかし、今、父のことを第一に考えなければ、私は一生、後悔を引きずっていくことになる、そんな気がしています。
今回も、後ろめたい気持ちもありましたが、勇気を持って、職場に休みを申請したところです。

加害者は、そんなことなど知らず、今日も平和な1日を終えたことでしょう。


閑話休題。


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酒気帯び運転の重体事故、運転手に3億賠償命令の判決
 千葉県成田市の国道で2001年、同市不動ヶ岡、元郵便局員根本健宏さん(42)が酒気帯び運転の乗用車にはねられ、意識不明の重体になっている事故を巡り、根本さんの両親らが、運転手の同市、男性受刑者(34)(業務上過失傷害などの罪で懲役2年4月が確定)を相手取り、介護料など計約4億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、千葉地裁佐倉支部であった。

 溝口理佳裁判官は「著しい過失があった」などとして計約3億円の支払いを命じた。

 判決によると、男性受刑者は01年10月4日午前3時ごろ、同市飯田町の国道464号で、乗用車を酒気帯び運転。知人の車を誘導していた根本さんをはねた。根本さんは意識不明の状態で入院している。

 男性受刑者は03年8月、業務上過失傷害と道交法違反(酒気帯び運転)の罪で在宅起訴され、05年3月、東京高裁で有罪が確定した。

(2006年9月27日22時37分 読売新聞)
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飲酒運転厳罰化の流れは、それ自体、大いに歓迎すべきところだと思う。
だが、それ以外の交通事故、否、「交通犯罪」によっても、数多くの犠牲者が出ていることも、また忘れないでほしい。

上記ニュースの判決では、慰謝料、将来の介護費、住宅の改造費、事故に遭わなければ将来得られたであろう利益(逸失利益)等々を含め、合計で3億円という賠償額となったが、これを飲酒運転だから賠償が高額になったという流れには、決してしてほしくないと思う。

確かに、飲酒運転では、加害者が相応の償いを求められるべきである。
だが、今日の報道ステーション(TV朝日)でもコメントが出ていたが、この3億の賠償金自体は、加害者が加入していた保険から下りるとのことである。飲酒していたため、加害者自身の損害(車の破損など)には保険は下りないが、「対人対物無制限」の保険だったということで、被害者側に対する保険は、通常通り下りるようである。
だとすれば、加害者にとって3億円という賠償金額は、全く意味を持たないのではないだろうか?

これは、「保険を出すべきではない」と言っているのではない。
「悪事をはたらいた加害者の腹が、全く痛まないことが問題」なのだ。
被害者は、真に救済されるべきであるし、その点から言えば、今回の事故とて、損保は自分たちの支払いを1円でも少なくしようと努力した結果である。現に、損保側の主張として、「被害者は、車道に出て知人の車を誘導していたので、被害者にもかなりの過失がある」と主張していたようだ。

被害者にとっての「被害」は、その理由は二の次である。
問題は、「どんな被害を受けたか?」なのだ。

加害者にとっては「業務上過失致死」と「殺人」の違いであっても、事故で殺された被害者にとっては「殺された」ことに違いはない。


現に、今回の事故のように、介護負担は相当なものがある。
被害者本人が、そして家族が失った人生を考えれば、3億など安いものだ。
飲酒に対する懲罰的損害賠償の意味合いではなく、「被害者が失ったものの代償」として、今回の3億という結果を捉えてほしいと思うし、飲酒に対する懲罰は、むしろ刑事・行政上の処分で相当重く科せられるべきだと考えるのは、私だけだろうか...



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呆れた公務員 “自治労”が飲酒運転擁護の証拠隠滅?

2006-09-13 13:13:02 | 交通事故と闘う
公務員ついでにもう1つ。

まずは、こちらのリンクをご覧頂きたい。
ここは、全国の公務員が組織する労組「自治労」の、法律相談のページで、いわゆる労働争議関係の法律相談が並んでいる。
が、上から5つ目あたりで、相談番号「713」が飛んでいるのにお気づきだろうか?

その消えているリンク先のキャッシュが、こちらだ。


つい昨日まで、法律相談ページの相談一覧にも「713号」の記載があり、そのページ自体も存在していた。
しかし、ここ数日の公務員の飲酒運転検挙の多さで気づいたのか、慌てて一覧から、またページ自体を削除したと思われる。
(まぁ、ハッキリ言って遅きに失しているわけだが)

この手のトラブルは、昨今の「blog炎上騒ぎ」でも、誤った対応の典型例として紹介されている。
こと自治労という、それなりに大きな組織が採った対応方法としては、「証拠隠滅」と呼ぶにはあまりにお粗末極まりない対応である。


そして、自治労顧問弁護士 小川 正 は、上記ページの中でこう明言している。

「各自治体で職員による飲酒運転の撲滅を目指して、各種の施策が取られています。.........
運転免許を提示させたりといろいろです。しかし、その施策に行きすぎが散見されます。」


これまで全国の人事委員会や公平委員会でも、酒気帯び運転だけで懲戒免職処分を認めたものはないようです。
...したがって、あまりに厳しい処分基準は許されないこととなります。



小役人の自浄能力には、期待するだけ無駄らしい。
都道府県庁の周辺を歩くときには、赤ら顔のドライバーがいないか、気をつけた方がいいようだ。



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あいつが停職なら、俺も停職

2006-09-13 11:34:46 | 交通事故と闘う
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飲酒運転:懲戒免職の教諭が「重すぎる」と不服申し立て
 飲酒運転で今年1月に懲戒免職となった横浜市立中の元男性教諭が「免職処分は重すぎる。裁量権の乱用だ」と市人事委員会に不服申し立てをしていたことが分かった。同市では飲酒運転による懲戒免職処分の不服申し立ては初めて。

 市教委によると、元教諭は昨年12月、検問で違反切符を切られ、罰金20万円の略式命令を受けた。学校に報告して免職になった。一方、昨年10月に同様に飲酒運転で検挙され、職場に報告しなかった別の市立中の男性教諭は停職3カ月だった。

 市教委は処分が分かれた理由を「昨年10月の処分を踏まえ、市教委が注意喚起した後の飲酒運転だったため」と説明している。【鈴木一生】

毎日新聞 2006年9月13日
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言い訳もここまで低レベルだと、失笑を禁じ得ない。

福岡の悲惨な事故をきっかけに、飲酒運転に対する厳罰化の機運が高まるこの時期。
逆に言えば、だからこそ表沙汰になった事件かもしれないが、
「あいつが停職なんだから、俺も停職でいいだろ?」
というのは、子どもの言い訳か?

子ども達の手本となり、人を育てる立場にある者として、不的確なことは誰の目にも明らかだろうに、恥の上塗りとはこのことだ。

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他人事(ひとごと)

2006-08-27 17:24:01 | 交通事故と闘う
毎日新聞に、下記のような手記が寄せられていました。(文末に引用)

息子を失った検察事務官が、捜査の不十分さ、交通事故犯罪に対する世間の認識の甘さを問うているものです。
手記には胸打たれるものがありますが、結局の所、彼ら法曹界の人間は、犯罪被害者のことを「他人事(ひとごと)」として捉えているに過ぎないわけです。
自身やその家族に輪禍が降りかかって初めて、被害者の心に思いをはせ、犯罪を憎み、再発を防ぎたいと願う気持ちに変わるのですから、今までの犠牲を何だとおもっているのか、逆に問いただしたくすらなります。

折しも福岡で、RV車への追突で子ども3人が亡くなる事故が起こりましたが、あれとて、飲酒後の暴走が原因であるにもかかわらず、下手をすると、通常の交通事故である「業務上過失致死」として処理されかねません。

更に言えば、子どもが3人も亡くなるという「見た目」の印象のせいで注目を集めていますが、これが重傷(重度後遺症)だった場合、これほどまでに大きく取り上げられることは無かったでしょう。

飲酒運転はもちろんですが、理由はどうあれ、自動車運転が原因で人を殺めているにもかかわらず、またも免許を与えられる現行制度には、疑問を感じざるを得ません。

それこそ、首相の家族が交通事故で亡くなりでもすれば、慌てて道交法と刑法が改正されるのでしょうか...



<検察事務官手記>長男亡くし被害者の立場から捜査求める

 交通事故で長男を亡くした神戸地検検察事務官、三浦良治さん(56)が、警察・検察に被害者の立場に立った捜査を求める手記を毎日新聞に寄せた。現職の検察事務官による手記の公表は極めて異例だ。
 長男宏文さん(当時21歳)は宮城教育大2年だった99年11月17日、仙台市内でバイクに乗って帰宅中、市営バスと正面衝突して死亡。宮城県警はバイクが中央線を越えたとして、宏文さんを道交法違反容疑で書類送検。仙台区検は容疑者死亡で不起訴とした。
 事故翌日、仙台中央署の警察官は「バスの運転手は検察庁に送らない。息子さんを道交法違反で送検する」と、遺品を受け取る三浦さんに言った。息子の死を知ったばかりなのに、捜査を終えて罪名も決まっていることにがく然とした。
 事故の3日後、自宅に来たバスの運転手は「バイクと並んで走る車があった」と説明。三浦さんは、この車が事故に関係しているとみて警察官や担当副検事に話したが、取り上げてもらえなかった。何度も仙台に足を運び、新聞の折り込み広告で目撃者を捜したが、有力情報はなかった。
 03年、事故の真相を知るため、バスの運転手を相手に損害賠償訴訟を起こしたが敗訴。04年には「不適切な捜査で精神的苦痛を受けた」と国などに賠償を求める訴えを起こしたが、これも訴えを退けられた。
 三浦さんは89〜00年、3000件以上の交通事故捜査に携わり、うち2000件が略式起訴。その経験も踏まえ「事故捜査は本当にこれでいいのかを問うことが、子を失った親の使命」と話している。【山田英之】
 ■事務官手記要旨
 長男宏文が、教師になる夢を果たせないままこの世を去って、もうすぐ7年を迎えます。「交通事故捜査はこれでいいのか」との思いが、いまだ頭から離れません。国家賠償訴訟で息子の事故でどのような捜査が行われたかを問いましたが、私が望んでいた捜査関係者の証言は得られず、門前払いで終結しました。
 息子の死を忘れるため、私はあえて多忙な大阪地検刑事部を希望して転勤、その後、大阪地検特捜部にも勤務しました。仕事の合間に四国遍路に出かけ、交通事故捜査はこれでいいのかを自問自答しました。「一人の父親になろう」と決心し、宮城県警と国を相手に訴訟に踏み切りました。自らの職場も訴えるのですから悩みました。
 法務省は被害者に配慮して、一定の条件を満たした場合、これまで原則不開示にしてきた供述調書を開示することになったと報道されました。しかし、私の裁判では、刑事訴訟法47条(訴訟書類の非公開)によって、目撃者調書の提出を拒否されました。どのような捜査資料で相手の運転手に過失がなかったと判断したのか、知ることができませんでした。
 検察審査会に申し立てる手段もありますが、警察が死んだ者を容疑者にしているため、この制度を受けることもできません。多くの交通事故遺族が、どんな事故だったのか分からずに無念のまま泣き寝入りしているかと思うと、どうしても息子のような事故処理をしてほしくありません。
 交通事故で家族を失った遺族が唯一、事故状況を知り得るのが実況見分調書です。せめて、遺族に見せてくれる事を望みます。そして、法務省、警察庁には被害者の立場に立った捜査と、人の「命の重さ」「家族の悲しみ」を今一度、考えていただくことを望みます。
(毎日新聞) - 8月27日




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