幸彩学習塾 オフィシャルブログ

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意味を理解して読むことの大切さ

2016年12月07日 22時33分23秒 | 日記・エッセイ・コラム
先日、国立教育政策研究所がPISA2015の結果を発表しました。
その結果は、科学や数学の分野では前回よりも順位を上げたものの、読解力は以前より低下し8位になったという結果でした。
読解力の低下は、塾の講師として日々過ごす私にとっては身近に感じていることの1つであり、このような国際的なテストでも、その結果が出てきていることに危機感を持っています。



読解力がなぜ低下したのかには、いろいろな理由が考えられると思います。国レベルでの読解力の低下の理由はこういった専門の研究所で研究がされることと思います。ただ、身近にいる私が普段接している生徒さんに限っていえば、その原因の1つは「文字を記号としてしか見なくなった人が多くなったのでは?」という仮説を立てています。

以前、 国立情報学研究所の新井紀子先生の講演を聞いた時に、「東ロボ君(ロボットで東大を目指すプロジェクトで使用されているロボットの愛称)は、国語や英語は単語などを追ってはいるけれど、その文章の意味は分かっていない」という話を聞きました。つまり、文字を記号としてみて、その意味は分からずとも、似たような単語やパターンの分析から答えを出しているということだろうと思います。

いま身近にいる生徒さんで、国語が苦手という生徒さんは、何となくこの東ロボくんと同じようなことをやっているように思えます。文章の意味ではなくて、例えば「十字で解答せよ」という問題の場合だと、前後の意味など考えずに「十字という文字数の単語」を探しているだけのような解答をしている人が多いように思います。

これではAIには勝てないと思います。意味を考えずにただ探すだけなら、人間よりも正確無比なAIのほうが軍配が上がってしまうことになるでしょう。受験テクニックとして「意味を考えなくて良いから…」ということでやったきたのなら、受験業界にいる私が言うのも変なのかもしれませんが、もしかしたらその弊害なのかもしれません。

人間が人間たるゆえんは、意味をきちんと理解し文章に入り込む感情を持っていることだろうと思います。受験のときにそんなことをしていては時間がなくなってしまいますので、どこまで深く読むかはケースバイ・ケースなのかもしれませんが、普段から文字を記号として追っていては、もしかしたら本当の読解力はつかないのではないか、AIに勝つことはできないのではないかと思います。



膨大なデーターを操るだけなら、AIのほうが優れている面が多いのは確かです。計算ミスはしないと思いますし、漢字や単語のミスもしないと思います。でも、その膨大なデーターに意味を見出すことは、いまのところはAIには難しいと聞きます。

AIができないことは、はじき出したデーターに意味づけをすることです。それこそが人間の役割だと思います。

これからAIが進化していく中で「意味を考えずに文字を記号として追っていく読み方」では、AIには勝てそうにありません。そして意味を考える必要のない作業・職業は、どんどんAIに代替されていってしまうのではないかと思います。

そんな時代に意味を考えない読書であれば、意味があるのだろうかと考えてしまいます。
AIがはじき出したデーターに意味づけをするのが人間の役割になるという時代だからこそ、意味を考えて文章を読み解答する力が求められるようになるのではないかと思います。

SNSやインターネットの発展と共に文字は身近に溢れるようになりました。しかしその結果、膨大になった文字を処理するために、文字を記号としてしか処理できなくなってしまったのかもしれません。それではダメなのではないかと私は思います。

数学などの文章題などが苦手というのは、もしかしたら文字を記号として読むようになったことが1つの原因なのかもしれません。そこに隠れた意味をしっかりと見出すことで、状況を把握し、立式へのつながっていくのかもしれません。

全ての文字に深い意味があるわけではありませんが、文章を味わって読むということが、もしかしたらAI時代に生き残る人の条件なのかも知れませんね。

本文中の資料出典: 国立教育政策研究所(http://www.nier.go.jp/index.html
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